妊活でストレスを感じない人はいない!専門家を上手に使って軽減を【薬剤師 柳沢 侑子】

妊活・不妊
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薬剤師 柳沢 侑子
薬剤師 柳沢 侑子

柳沢 侑子

薬剤師・国際中医専門員・不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー

長野県上田市出身。明治薬科大学卒業後、外資系製薬企業に勤務していたが自身の体調不良がきっかけで漢方の世界に転向。首都医科大学付属北京中医医院、湖南省中医薬大学附属第一病院への中国研修を経て国際中医専門員を取得。年間1万人が漢方相談に訪れる大手漢方薬局での勤務後、社団法人を設立。

講演や執筆と並行し、YouTube「やなゆう漢方・薬膳ちゃんねる」を開設。tamari中医学養生学院理事・漢方ブランドDAYLILY顧問。プライベートは3児の母。

著書「よくわかる漢方・薬膳」

成城漢方たまり:https://tamarikanpo.com/

Youtube:やなゆう漢方・薬膳ちゃんねる

自分自身の不調を改善するために漢方の道へ

ー柳沢さんが漢方や中医学という分野に興味を持ったきっかけを教えてください

薬学部を卒業した後、製薬会社で働いていましたが、自分が体調を崩し不調になった時に漢方に興味をもちました。自分が健康になるために勉強を始めたっていうのがきっかけですね。

社会人として働き始めてしばらくすると、まだ20代だったにも関わらず、疲れやすいとか、なんとなく不調が続くようになりました。周りはみんな元気で、私だって仕事も遊びも頑張りたいのに頑張れない、自分だけそんな状態というのがすごく悲しかったです。

改善のためにいろいろ取り組んでみた中で、私にとっては漢方がすごく効果があったんです。ただその漢方が、どうして効くのかがわからなくて、「もっと知るためには自分で勉強するしかない!」と思ったことが、漢方の道に踏み込んだきっかけですね。

ー漢方を勉強しようと思った時に、まず何から何から始められましたか

その当時は今のようにインターネットやSNSが普及していたわけではなかったので、情報を探すのにも苦労しました。とにかく自分の足で、本屋に行ったり、雑誌で調べて漢方薬局を回ったり、薬剤師会が主催する漢方勉強会などに通ったりしていましたね。

”中医学”という中国伝統医学がすごく理論的で自分に合っていたので、専門の塾に通って学びました。その後も、中医師(中国の漢方医)の先生が多く在籍している企業で働きながら、中国に研修に行って学んだり、薬局で臨床を通して、知識と経験を深めていきました。

現在では、漢方相談は成城にある漢方薬局で行っています。他にも、中医学の学院で講師と理事をやっていますし、薬膳茶の開発、漢方ライフスタイルブランドの顧問などの仕事をしています。漢方を扱う領域で、本当に好きなことをやって今ここにいます(笑)

大好きな漢方を通じて相談者さんも自分もハッピーに

ー漢方や中医学を起点に、活動の幅をどんどん広げていらっしゃいますが、その中で大事にしていることや軸となることってありますか

未病の状態の人にアプローチしたいと思いながら活動を続けています。

漢方薬局に来る人たちって、具合が悪くなってから来るケースが多いんです。そうなる前であれば、もっとお金をかけずにできる養生法もたくさんあるので、まずはそれを知ってほしいと思っています。

独立前の会社員時代も、日々の漢方相談を行う傍らでセミナーやイベントを企画したり、ウェブメディアの立ち上げに携わったりと、情報発信をしたいと思っていろいろ取り組んでいました。

「正しい情報を届けたい」という思いでセミナーやイベントで情報発信

昔の私のように健康法がわからなくて困っている人や、様々な健康法を試して迷子になっている人に、正しい情報を届けて救いたいという思いがあります。

あとは、とにかく好きなことをずっと続けたいという気持ちは大切にしていて、それもあり独立を決めました。

様々な経験をさせていただき、育てていただいた会社には感謝しかないのですが、どうしても会社員だと制限もあって、いろいろと考えた時に、独立することがひとつのいい選択だと気付きました。前の会社もすごく好きだったんですが、自分のペースでやりたい仕事をずっと続けるのは限界がありました。働き方をいろいろ模索しながら、本当に様々なご縁をいただいて今のお仕事ができているなと感じます。

ー活動をされている中で、やりがいを感じる部分を教えてください

ご縁あって私がお手伝いしたことがきっかけで、患者さんや相談者さんの生活が、ハッピーになるっていうのが一番幸せな瞬間ですね。

例えば、長く妊活を続けてご夫婦でこれが最後の体外受精と決めて取り組まれた方で、漢方を使いながら、妊娠して、出産してっていうのはとてもうれしいですね。

無事に妊娠して、お子さんが生まれて、その方の人生がまた変わって、望みが叶ってうれしそうに「漢方に出会えてよかったです」って言っていただけると、非常にやりがいを感じますし、もっと頑張って勉強しよう!と元気をもらえます。

専門家をうまく使って正しい情報を知ることでストレスを軽減

妊活・不妊治療ではどんなお悩みを聞くことが多いのでしょうか

妊活や不妊治療で漢方相談にいらっしゃる方は、卵子の質を良くしたいとか、冷えを治したいとか、流産しにくくなりたいなどのご相談が多いとこれまでの経験から感じています。

ー柳沢さんは相談の中でどんなアドバイスや対応をされることが多いのでしょうか

その方のニーズに合ったものをおすすめするようにしています。

しっかり漢方で体質改善したいっていう方、今はまだ体外受精とかまでは考えてないけどこれから準備をしたいという方など、目的は人それぞれなので、その目的にあった漢方をご予算の中で提案をします。

例えば「漢方はよくわからないけどこれから妊活を始めたいんです」とか「なんとなく冷えを直して妊娠につなげたいと考えてます」という人に対しては、状況を伺って、漢方だけでなくまずは病院での検査をおすすめすることもあります。もちろん、不妊治療されている方から治療についてのご相談や漢方以外のお薬のご相談にも対応しています。

ーちなみに漢方って、やっぱり続けることが必要なんでしょうか

緩やかに効くものが多いですが、すぐ効く漢方もありますよ!たとえば風邪の漢方だったら、個人差はありますが1〜2日で効きます。生理痛やPMSの場合も、すごく症状がひどい方でなければ、1ヶ月続ければ、次の生理・PMSは楽になるという方が多いです。

妊活に関しては、個人差が大きいですが、半年〜1年程度をみていただくことが多いかなという印象です。漢方を飲むことはハードルが高いかもしれませんが、その方の状況により変わってきますので、まずは気軽に相談していただきたいなと思っています。

ー 「妊活・不妊治療」に取り組んでいる方へメッセージをお願いします!

妊活って、ストレスを感じない方はいないと思っています。メッセージとしては、とにかくストレスはうまく発散してね、ということですかね。

隙間時間があるとついついネットで調べたりとか、SNSを見たりとかしてしまうことが多いですが、うまく専門家を使って、正しい情報を知ってほしいですし、それで不安やストレスが一つでも減ればいいなと思っています

実際、「ここで相談できるのでSNSで調べなくなりました!」というお声もいただきます。専門家のいる場所のひとつとして、私たち漢方薬局の存在を知っていただけたらうれしいですね。

私たちも、漢方薬局だからといって漢方の話ばかりするのではなく、治療のこと、食事のこと、生活のことなど、いろいろと気軽に話をしてほしいなと思っています。

このサプリってどうなんですか?この食品がネットでは話題なんですけど効くんですか?など、ついネットだけで調べがちなことも気軽に聞いていただけたら、一つストレスは減るんじゃないかなと思っています。

動くことで気血を巡らせてモヤモヤを解消

ー 柳沢さんオススメの、気分がモヤモヤした時のリフレッシュ方法だったり、リセット方法を教えてください

私のリフレッシュは、やっぱり動くことです!

中医学でも、動くことによって気血が巡るという風に考えるんですよ。気は体を動かすエネルギーで、血はまさに血液ですね。モヤモヤするのは気血が滞っている時なので、モヤモヤしたらちょっと外に出て、巡りをよくするのを意識するのは重要かなと感じています。

あとは、やっぱり”推し”がある人は元気です(笑)

私も最近、息子の影響で野球を見るようになって、新しく”推し”ができました。シーズン中は、よしよし、今日も野球だ!って思うと楽しくなるし、やっぱ推しって強いなっていうのを実感しています。

ストレス解消のために、なにかをしないと!と、探すことが逆にストレスとか苦痛になることもあると思います。好きなことがあると、それだけでリフレッシュになりますよね。だからそれが自然にできる”推し”は強いですね!

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