子どもが偏食で栄養面が心配。どう克服すればいい?【お悩み相談室】
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今回は、お子さんの野菜嫌いでお困りの女性からご相談をいただきました。調理の工夫や声かけを試みても食べてくれないようです。成長期のお子さんの栄養面も心配されています。
お子さんの偏食原因や調理の工夫例にくわえ、好き嫌い時期のお子さんとの向き合い方について、保育園での勤務経験もある管理栄養士がお答えします。
4歳の息子が偏食気味で、緑の野菜を見ただけで「嫌だ!」と食べません。栄養バランスが気になり、何とか食べさせたいのですが、無理に食べさせようとするとケンカになります。ペーストにして蒸しパンにしたり、細かく刻んで好きな卵焼きに混ぜてみたりしましたが、食べないか、吐き出されます。作ったものを投げ捨てられることもあり、せっかく作ったのに!とイライラから怒鳴ってしまい落ち込むということもしばしばです。何よりせっかくの食事を家族で楽しく食べられないのが悲しいです。保育園の先生から教えていただき、最初に自分が食べてみて「ん~おいしいっ!○○くんも食べてみる?」と笑顔で声をかけたりしましたが改善は見られません。「何が嫌なの?味?」と聞いてもヒステリックに怒り出します。小さい頃は好き嫌いなく何でも食べていましたし、アレルギーもないので何が嫌なのかわからず、どうしたらいいのか悩んでいます。そのうち偏食もおさまるよ、と言われますが、いつごろ終わりがくるんでしょうか。好き嫌いを改善する具体的な解決策と、偏食が続く場合に栄養面はどうしたらいいのか、教えてください。
(30代、女性、ハンドルネーム:ほうれん草、職種:事務・オフィスワーク)
子どもの好き嫌いはひとつの成長、心配しないで大丈夫
この度はご相談いただきありがとうございます。お子様の偏食が心配なお気持ちとてもわかります。
お子様と向き合われていることとても伝わります。
子どもは、好き嫌いがたくさん出やすい時期があります。私も恥ずかしながら高校生までは偏食がひどかったのですが、今は何も食べれないものはありません。
「好き」と「嫌い」がわかるというのは成長の過程とも考えてみていただいてもよろしいかと思います。
せっかく作ったものを子どもが食べてくれないと、「なんで食べてくれないの!?」とイライラしてしまいますし、子どもの健康を心配して「偏ってしまったら病気になるのでは?」と心配になってしまったりもしますよね。しかし、誰もが通る道ですから、大きな心配は要りません。
一般的に、偏食のピークは2歳から5歳頃と言われています。
この時期は味覚の発達や自己主張の強まりが影響しているため、お母さんとしても心配になることも多いでしょう。しかし、多くの子どもは成長とともに食の幅が広がり、偏食や好き嫌いは徐々に改善されていきます。
偏食は一時的なものと理解し、焦らずに子どもの成長を見守ることが大切です。
子どもの偏食原因と調理の工夫例
子どもの偏食にはさまざまな原因があります。
いくつかの主な原因を紹介しますが、原因として2つ3つなど複数の理由が混在していることも考えられるのが、好き嫌いの難しいところです。
子どもは大人よりも味覚が敏感なのです。これは悪いことではなく、特定の味や食感を嫌うことがあります。
例えば、苦味のある野菜や、ぬるぬるしたオクラなどが苦手な子どももいます。
例えば、野菜が苦手な子どもには、カレーやトマトソースなど、強い味付けで野菜の風味を隠すことができます。また、甘みを加えることで食べやすくなる場合もあります。
ほうれん草をクリームソースで調理したり、かぼちゃを甘く煮るなどの工夫が考えられます。同じ味に飽きがある場合は、こうした変化が新鮮に感じられるでしょう。
子どもと食育にチャレンジしてみよう
逆に好きな食べ物はありますか?その食べ物が好きな理由も聞いてみましょう。
子どもと一緒に買い物や料理をすることで、食べ物に対する興味を引き出すことができます。
自分で選んだ食材や作った料理には、自然と愛着が湧き、食べる意欲が高まります。
また、料理前の食材を見ることで「これだったら大丈夫!」と思うこともあります。自分で育てた野菜を食べられるようになるのと同じ感覚です。特に3歳以上の子どもは、簡単な料理の手伝いができるようになります。
親が美味しそうに食べる姿を見せることで、子どももその食べ物に興味を持つことがあります。
こちらも、すぐではなく5年後かもしれませんが、食卓に出すことは続けていただき、あるときパクっと食べることも。
今の段階で「嫌い」というのは「まだ美味しさがわからないだけ」ととらえて、少し肩の荷を軽くしてみましょう。
栄養面に関して、心配なところもありますよね。
緑のお野菜以外では、食べられるお野菜はありますか?
まずは、食べられるものから中心で大丈夫です。
キャベツやコーン、枝豆、にんじん、南瓜など、ビタミンCや食物繊維も摂ることができます!ピーマンや小松菜が苦手でも栄養面的には心配ありません。
他の色の濃いめの野菜(南瓜、人参)や、果物でビタミンやミネラルも補うことができます。
お肉やお魚にもビタミンやミネラルは含まれていますよ。
便秘などがないかは確認していただきながら、様子をみていきましょう。
すこしでも参考になりましたら幸いです。
回答者:管理栄養士
保育園、老人ホーム、病院に勤務経験あり。0歳~高齢者までの幅広い食を支えております。食事は生きる土台です。食事の大切さはわかっていても、乱れてしまったり、習慣を変えることが難しい場合もあります。まずは完璧を目指すのではなく、一人ひとりの嗜好やライフスタイルに合わせた提案をさせていただいております。食べることや栄養の大切さを、わかりやすく楽しくお伝えしております。いつでもお気軽にご相談ください。
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