妊娠8ヶ月で痔に!?出産に影響はないのか心配です【お悩み相談室】
今回は、妊娠中の痔についてのご相談です。はじめての出産に立ち向かうにあたり、痔の可能性がでてきてしまいご不安な毎日を過ごされているようです。
何科に受診すればいいのか、お腹の赤ちゃんに悪影響はないのか、出産時に影響はあるのか?痔の改善対策とともに、助産師がお答えします。
はじめまして。今、妊娠8ヶ月目で、排便が3日に1回と便秘ぎみです。妊娠以前から便秘気味だったので気にしてませんでしたが、最近トイレットペーパーに血がつくようになりました。痛みはそこまでないのですが、これは痔なんでしょうか?肛門科に行くべきか悩んでいます。また、出産時間が余計に長くなったり、赤ちゃんに影響はあったりしないのでしょうか。お腹が大きくなっていく中で、出産時にこの痔がどう影響するのか心配です。初めての出産なので心配ばかりが増えてきてしんどいです。出産までに治るように、水分を多めに摂ったり、食物繊維がいいとネットで見てキャベツやきのこ類を食べるよう意識しています。他にできる便秘対策があれば、それも教えていただきたいです。
(30代、女性、ハンドルネーム:きんぴら、職種:主婦・主夫)
目次
妊娠中の痔は産科か肛門科に相談。痔が赤ちゃんに与える影響は?
はじめまして。妊娠8ヶ月を迎えられて、初めて体験する体の変化に戸惑っているかと思います。便秘や痔のような症状、心配ですよね。
いただいたご質問に、答えさせていただきますね。
まず、トイレットペーパーに血がつくということですが、これは確かに、痔の可能性が高いと考えられます。
妊娠中はホルモンバランスの変化や、大きくなった子宮が腸や直腸を圧迫すること、また血液量が増えることによる静脈のうっ滞が原因で痔ができやすくなります。痛みがあまりないとのことなので、「切れ痔」や軽度の「いぼ痔」の可能性が考えられます。
ただし、自己判断は難しい部分もあるので、症状が続く場合や悪化する場合は、肛門科や産科の医師にご相談いただくのが安心です。チューブタイプの塗り薬などもありますので、医師に相談の上、必要あれば使ってみられてもいいかもしれませんね。
痔がある場合、出産のいきみの際に症状が一時的に悪化する可能性があります。いきむことで肛門周辺の静脈に負荷がかかりやすくなるためです。
多くの場合、産後に症状が改善することが多いのですが、あまりにひどい痔の場合、産後に痛みが強くなる場合もありますので、今のうちから、悪化を予防できるといいですよね。
また、痔が直接的に赤ちゃんへ影響を及ぼすことはありませんのでそちらの方はご安心ください。
もし肛門科に行かれる場合でも、「妊娠中である」ことを医師に伝えておけば、赤ちゃんへの影響が少ない方法での治療を提案してくれます。特に痛みが強くなったり、生活に支障をきたす場合は早めに受診を検討されると良いでしょう。
妊婦でもできる痔を改善する方法5選
悪化防止のために、便秘解消に意識を向けるのもとても大切なポイントです。
今されていることと合わせて、以下のポイントを確認してみてくださいね。
① 水分補給
水をこまめに摂ることは大事ですが、特に「朝起きたときにコップ一杯の水を飲む」ことを習慣化すると、腸が刺激されて排便を促しやすくなります。温かい白湯もおすすめです。
② 食物繊維の摂取
キャベツやきのこ類を意識されているのは素晴らしいですね。さらに、海藻類(わかめ、ひじき)、果物(キウイ、バナナ、プルーン)も取り入れるとより効果的です。特にプルーンや干し柿も自然な便秘解消食品として有名です。
③ 適度な運動
軽いウォーキングやマタニティヨガなど、妊娠中でも可能な運動を取り入れると腸の動きが活発になります。座りっぱなしや寝たきりでいると腸の動きが鈍くなることもあるので、無理のない範囲で体を動かす時間を作りましょう。
④ 排便姿勢を見直す
排便時にスムーズにいかない場合は、「足元に小さな台を置いて、膝を少し高くする」ことで直腸の角度が変わり、力みやすくなることがあります。
⑤ 妊娠中でも使える緩下剤
医師や助産師に相談すると、妊娠中でも使用できる安全な緩下剤(おだやかに作用する下剤のこと。例えば乳酸菌系のものや酸化マグネシウム)を処方してもらえる場合があります。特に慢性的な便秘がある場合は、無理に我慢せず、こうした薬の力を取り入れることも選択肢の一つです。
妊婦さんの便秘や痔はあるあるです、生活習慣をふり返って
妊娠中は体の変化が多く、戸惑いや心配も増えるものです。便秘や痔の問題もその一つで、放っておくと悪化することもありますが、正しい対策を取ることで軽減できます。
今回の便秘対策や生活習慣の工夫を続けながら、症状がひどくなる場合は医師に相談するようにしてくださいね。
ご出産に向けて、少しでも快適なマタニティライフを送れるよう願っています。
回答者:助産師
妊娠期から出産、そして産後の生活、また女性のライフイベントをトータルでサポートしています。初めての妊娠や育児に不安を感じている方や、女性の健康課題で「誰に聞いたらいいかわからない」と感じることがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。
専門家がこたえます!お悩み募集中です
「知ってハレばれ お悩み相談室」にお悩みをお寄せください。
毎月ピックアップさせていただいたお悩みとその回答を、「知ってハレばれ お悩み相談室」の記事で公開いたします。下記のフォームからお悩みをお寄せください(匿名でお寄せいただけます)。