夜勤で生活リズムがバラバラ…基礎体温どうする?【お悩み相談室】

今回は、シフト勤務で夜勤があり、毎日同じ時間に基礎体温を測ることができず、妊活に不安を感じている20代女性からのご相談です。夜勤明けの日や休日の測定タイミングに悩み、基礎体温のグラフも乱れてしまうそうです。
妊活中のシフト勤務者に適した基礎体温管理の方法について、看護師がアドバイスをお届けします。
妊活について調べていく中で、基礎体温を同じ時間に毎日測ったほうがいいということが書かれていました。私は夜勤のある仕事をしていて、月の半分は夜勤をしています。そのため毎日同じ時間に起きて測ることができません。夜勤に行く日は基礎体温を測るために起きるようにしていますが、夜勤明けの日はいつ測ったらいいのか悩みます…休みの日も寝過ごしてしまうことが多く、同じ時間に起きることができません…一応時間帯はずれても毎日測ることに意味があると思い、起きたタイミングで計測していますが、ガタガタで低温期と高温期の層の違いすら分かりません。私と同じような働き方をされている妊活を頑張っている方はどのように対応されているのか、また、ベストな方法があったら教えてください。
(20代、女性、ハンドルネーム:チョコパフェ、職種:医療・介護・福祉)
基礎体温は「時間」よりも「測る状態」が重要
ご相談ありがとうございます。
夜勤のあるお仕事をしながら妊活に取り組まれているとのこと、本当にお疲れさまです。日々の忙しさの中で、基礎体温をつけていらっしゃるとのこと。
本当に素晴らしいことだと思います。
「基礎体温は毎日同じ時間に測るほうが良い」とよく言われますが、それはホルモンバランスの変化をより正確に捉えるためです。理想的には「毎朝、目が覚めた直後、布団の中で動かずに測る」ことが勧められています。しかし、夜勤をされている方にとっては、この“毎日同じ時間”というルールがとても難しいという現実がありますよね。
基礎体温は、実際には「時間」よりも「測る状態」が重要です。ポイントは、3時間以上の連続した睡眠をとった後、目覚めてすぐに測ること。夜勤がある日は、たとえば朝の勤務終了後に帰宅して寝て、午後に目が覚めるとしたら、その「起きた瞬間」に測る、というスタイルで大丈夫です。これは多くの夜勤の方が実践していて、専門家の間でも許容されています。
夜勤明けのタイミングで基礎体温を測る場合は、できるだけすぐに体温計を手に取るようにして、「起きてからの時間差」や「体を動かしたあと」などを避けることがポイントです。休日に寝過ごしてしまった場合も、起きた直後に測ることを意識すれば、それはちゃんと意味のあるデータになります。
もちろん、測定時間が毎日違ってしまうと、グラフがガタガタになってしまうのはどうしても避けられないことです。基礎体温はとても繊細で、ちょっとした生活リズムの違いや睡眠の質、測る時間によっても数値が左右されやすいため、夜勤や不規則なスケジュールの中では安定したグラフになりにくいのです。
でも、だからといって「意味がない」ということでは決してありません。基礎体温は、排卵日をピンポイントで特定するためのものというよりも、「体のホルモンバランスの流れ」を知るためのひとつの手がかりなのです。
大事なのは、一日一日の数字に一喜一憂することではなく、全体の流れを見て、低温期から高温期へと体がちゃんと切り替わっているか、ホルモンの働きが整っているかをゆるやかに感じ取ること。完璧なグラフでなくても、あなたの体の声を知るためには、十分に役立ってくれるものなのです。
排卵日が分かりつらいときは排卵検査薬や婦人科に
ただ、毎日の測定時間が違っていると、排卵日は分かり辛いことがあるかも知れません。その場合には、排卵検査薬の併用がおすすめです。排卵検査薬は、排卵の直前に増える「LH(黄体形成ホルモン)」の変化を捉えることで、より正確に排卵日を予測することができます。
基礎体温は排卵後に体温が上がるのに対し、検査薬は「これから排卵が起こる」というサインを見つけやすいので、両方を使うことでお互いを補い合うことができます。
また、基礎体温表を記録する際には、測定した時間や「夜勤明け」「休日で寝坊」などのメモを残しておくと、自分でも変化の理由が把握しやすくなりますし、婦人科などで相談するときにも役立ちます。
それでも「基礎体温がうまく取れない」「グラフが読めない」と感じることがあれば、無理に一人で頑張りすぎないでくださいね。婦人科で排卵日を超音波で確認してもらうこともできますし、妊活のサポートをしてくれる専門家に相談することも大切です。
妊活は自分の体と丁寧に向き合っていく繊細な時間
妊活は、自分の体と丁寧に向き合っていく繊細な時間です。そしてそれは、「ちゃんとしなきゃ」「完璧にしなきゃ」と思えば思うほど、心が疲れてしまうこともあります。あなたの生活のリズムの中で、できることを無理なく続けていくこと。それがいちばん大切なことだと思います。
どうか、ご自身を責めたり、焦ったりせず、「今日もちゃんと自分の体と向き合えた」と優しく声をかけてあげてくださいね。あなたのその頑張りは、きっと未来へとつながっています。応援しています。
回答者:株式会社ファミワンに所属する【看護師】
不妊治療専門のアドバイザーとして、妊娠を希望する方をサポートしています。看護師としての経験と体外受精コーディネーターの資格を活かし、一人ひとりに寄り添ったアドバイスを提供。不妊治療の選択肢やライフスタイルの見直し、心と体のケアまで、総合的にサポートします。あなたの妊活が少しでも前向きなものになるよう、専門的な視点でお手伝いします。
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