突然PMSがつらくなった…イライラと不安の対処法【お悩み相談室】

今回は30代に入ってからPMSに悩み、自分が自分じゃないみたいで不安を抱えている女性からのお悩みです。上司や部下にも心配されてしまうこともありそうです。
PMSとの付き合い方について臨床心理士がお答えします。
生理が始まってからPMSに悩まされたことは一度もなく、生理も28日で規則正しく来ていました。30代に入り、生理は規則正しくくるものの、PMSに悩まされるようになりました。特にイライラしてしまったり、精神的に落ちてしまうことが多く、普段なら聞き流せる雑談にも敏感になってしまうことも…。部下にも「最近何かあったんですか。口調が強い時があるから気になって。」と言われたり、上司にも「こんなに怒って何かあった?」と聞かれることも…。最近は仕事でも中堅立場になってきて、今までよりも大きなプロジェクトを任されることも増えてきたので、場を仕切ることが多いのですが、PMSの時期の会議は思うように進まないとイライラしてしまったり、帰宅後にはイライラした自分を責めて涙する夜も多く…自分が自分じゃないみたいで不安です…。突然PMSに悩むようになるのは私だけでしょうか。上手にPMSと付き合う方法があったら教えてください。
(30代、女性、ハンドルネーム:パスポート、職種:営業)
目次
最初に
生理が始まってからこれまでPMSに悩んだことがなかったのに、30代に入って突然心や体の不調を感じるようになる…。これまで普通に過ごしていた日常が、なんとなくうまくいかなくなるような感覚、とてもつらいですよね。
「自分が自分じゃないみたいで不安」というお言葉から、あなたの戸惑いがとてもよく伝わってきました。日々、仕事でもプライベートでも一生懸命に過ごしてきたからこそ、突然現れる“ゆらぎ”に戸惑うのは当然です。まずは、ここまでしっかりと自分の変化に向き合いながら、日々の業務や部下・上司との関係にも気を配っているあなたへ、心から「お疲れ様です、よく頑張ってこられましたね」と伝えたいです。
30代以降になって、初めてPMSの症状が出るという女性は実は多くいます。ですから、どうか「私だけなのかな」と不安にならないでくださいね。
1. なぜ今、突然PMSが始まったの?
PMS(月経前症候群)は、排卵後から生理開始までの間に、心や体にさまざまな不調が現れる状態のことをいいます。
これまでPMSに悩まされたことがなかった方でも、ある時期から突然、ホルモンバランスの影響を受けやすくなることがあります。これは年齢とともにエストロゲンやプロゲステロンといった女性ホルモンの分泌パターンが変化してくるためです。
特に、30代は仕事でも責任が増え、プライベートでは結婚や出産、育児といったライフイベントも重なりやすく、心身ともに負担が大きくなる時期。そのような時期に、PMSの症状が強く出るようになるのは、ごく自然なこととも言えます。
2. PMSで「自分じゃないみたい」と感じるとき
PMSの影響で、普段なら聞き流せる一言に傷ついたり、イライラして強い口調になってしまう…。それはあなたの性格が変わったわけではなく、ホルモンの影響で感情が敏感になっているだけなんです。
実際に、PMSの時期はセロトニンという「気分を安定させる脳内物質」が減少すると言われていて、これが「気持ちの落ち込み」や「イライラ」にもつながります。
ですから、まずは「私はおかしいんじゃないか」と自分を責めないことがとても大切です。
3. 上手にPMSと付き合うコツ
PMSと“戦う”のではなく、上手に“付き合っていく”ことがこれからのキーワードになります。ここでは、今日から実践できるちょっとした工夫をご紹介します。
①スケジュール管理で「自分を守る」
自分の生理周期を把握し、PMSの出やすい時期を知っておくだけでも、「今はそういう時期だから」と少し自分に優しくなれます。
可能であれば、会議や重要なプレゼンなどを別の日にずらす工夫もおすすめです。「万全じゃない時期に無理をしない」ことが、自分を守る大切な手段になります。
②小さなリセット時間をつくる
イライラしてしまったときや、心が揺れるときには、ほんの5分でもいいので一人になれる時間をつくってみてください。
深呼吸をする、お茶を飲む、好きな音楽を聴くなど、自分が「落ち着くな」と思える時間を日常に散りばめておくと、感情の波が少し穏やかになります。
③周囲とちょっとだけ共有してみる
信頼できる同僚や上司がいれば、「最近ちょっと体調の波があって…」と、あくまでさらっと伝えてみるのも一つの方法です。PMSという言葉を使わなくても、「ちょっと体調が不安定で」と言うだけで、周囲の理解が得られることもあります。
最後に
責任のある立場になり、周囲に気を配りながら日々をこなしているあなたが、少し疲れてしまうのは当然のことです。イライラしてしまう日があっても、涙が出てしまう日があっても、それは「頑張っている証」。
どうか、自分を責めすぎず、「今日はちょっと敏感な時期だから」と、そっと自分に優しく声をかけてあげてくださいね。
回答者:株式会社ファミワンに所属する【臨床心理士、がん・生殖医療専門心理士】
生理・PMS・更年期・妊娠・出産・女性特有のがんなど、女性の健康課題やライフイベントに関するご相談を専門にしています。セックスレスや性交痛、パートナーとのコミュニケーションなど、性のお悩みについてもカウンセリングを担当しています。女性特有の心と身体の問題、なかなか人には話せないプライベートなお困りがあれば、是非お気軽にご質問ください。
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