5歳の息子が泣くと咳から嘔吐へ…後処理を繰り返す日々がつらい【お悩み相談室】

今回は、5歳の息子さんが泣くたびに咳き込み嘔吐を繰り返し、対応に悩むママからのご相談です。感受性が豊かであることは素晴らしいものの、頻繁な嘔吐が生活にも影響を及ぼし、ご家族の負担も大きいとのこと。
咳で嘔吐してしまうお子さんへの対応の仕方や感情のコントロール方法について助産師がアドバイスします。
子どもが泣くたびに咳き込み嘔吐するので困っています。
5歳になる男の子なのですが、泣くと咳き込みそのまま嘔吐することが1週間に1.2回はあります。怒られたときや思い通りにいかなかったとき、テレビを見ていて怖かったとき、悲しい気持ちになったとき、感動したときなど、感性豊かで関心しますが、泣き、咳をし、戻すを繰り返すので正直しんどいです。また、風邪(胃腸炎ではないです)をひいて咳込むときには、寝ているときにも吐きます。仕方ないとはいえ、嘔吐されると後処理も大変で、作ったご飯を戻されイライラしてしまいます。
以前病院で血液検査をしたときにケトン体値が高く、アセトン嘔吐血性嘔吐症と診断されたことがありそれも関係しているのかなと諦めつつはあります。最近は、自分で吐くタイミングは分かるのでトイレで吐いています。
幼稚園でも吐くのでお友達との関係にもこれから大きくなるにつれ影響があるのではと心配です。いつまで続くのでしょうか。咳嘔吐しなくなる方法はありませんか。
(30代、女性、ハンドルネーム:瀬戸アスカ、職種:主婦)
最初に
ご相談ありがとうございます。5歳のお子さんのこと、本当に悩ましいですね。泣いたあとに咳き込み、そして嘔吐してしまうことが週に何度もあるとのこと。しかも風邪のときには夜中にも吐いてしまい、作ったごはんを戻されてイライラしてしまうこともある…本当によく頑張ってこられましたね。
嘔吐というのは、体の負担はもちろんですが、それを受け止める側の心にもとても大きな負担をかけますよね。吐かれるたびに片付けをし、洋服やシーツを洗い、次はどうなるかと構えていなければならない。
お子さんのために理解しようと努力しながらも、「またか」と思ったり、自分の気持ちが追いつかなくなったりして、そんな自分に罪悪感を抱かれることもあるかもしれません。でも、それは誰にでも起こる自然な反応です。どうか「ダメな自分」と思わないでくださいね。
お話から、お子さんがとても感受性の豊かな方だということが伝わってきました。感動したときや怖かったとき、思い通りにならなかったときなど、心が大きく動いたときに体にも強く反応が出る。そういったお子さんは決して少なくありません。
咳き込んで嘔吐する、という流れは、病気というよりも、その子の体質や今の発達段階によるところが大きいのかもしれませんね。泣くこと自体が悪いわけではありませんし、感情を豊かに表現できるというのは、お子さんの大切で特別な力だと思います。
ただ、そのあとに続く嘔吐が、生活に与える影響が大きくて、親としてはどうしても不安になりますよね。
でも、お子さんが自分で吐き気のタイミングをわかって、トイレで対応できているというのは、本当にすごいことです。自分の身体の状態を感じ取り、それに合った行動をとれるというのは、成長の大きな一歩です。その力は、今後症状とうまく付き合っていくための支えになるのではないでしょうか。
このような症状は成長とともに落ち着くことが多い
日常生活の中では、泣く場面が起きたときにすぐ嘔吐につながらないよう、「泣く前に深呼吸してみようか」「お水を飲もうか」と、気持ちを切り替える声かけをしてみるのも一つです。感情の波そのものを止めることはできなくても、波の形を少しずつ変えていく手助けはできます。
無理に泣かせないようにするのではなく、「泣いてもいいけど、体にやさしい泣き方を一緒に探していこうね」というようなスタンスで見守っていけると、お子さんも少しずつ安心していけるかもしれませんね。
咳き込みが強いときには、水分をこまめにとって喉を潤すこと、夜寝るときは少し頭を高くしてみること、また空腹になる前に軽いものを口にすることなども、負担を減らす工夫になります。これらは必ずしも「治す」方法ではありませんが、「吐かずに済む日が増える」ことにつながる可能性があります。
そして、幼稚園には、今のお子さんの様子をそのまま伝えてみてくださいね。どんな場面で起こりやすいのか、ご家庭での工夫などを知ってもらえると、先生たちの対応も変わってきます。
子どもが安心して過ごせるには、周囲の大人がまず安心していることがとても大事です。園とご家庭で連携が取れることで、みんなの心にもきっと余裕が生まれてきます。
このような症状は、体の成長や神経の成熟とともに、ゆっくりとですが落ち着いてくることが多いと言われています。とはいえ、ご家庭だけで抱え込むには、あまりに大変な状況だと思います。
咳や嘔吐の頻度が増えてきたり、体重が減ってきたり、食事がとりづらくなってきた場合には、あらためて小児科や必要に応じて小児心療の専門医に相談してみてください。
体の面、心の面、両方から専門家の視点を交えてアプローチしていくことが、長い目で見て一番の安心につながると思います。
最後に
今すぐに完璧な解決策が見つからなくても、「付き合っていく方法」を見つけていく段階にいるのだと思います。どうか一人で抱え込まず、周りの力も借りながら、あなた自身の安心も大切にして過ごしてくださいね。
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