妊活と仕事の両立に限界…仕事を休む罪悪感から退職すべきか悩みます【お悩み相談室】

妊娠・出産
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今回は、妊活中の通院と仕事の両立に悩む方からのご相談です。上司は理解を示してくれるものの、周囲の視線や気遣いに疲れてしまい、「退職すべきか」と葛藤されているようです。

不妊ピア・カウンセラーが自身の経験も含め、働きながら妊活を続けることのメリット・デメリットや、職場との距離感の取り方についてお答えします。

妊活を始めて半年ほど経ちました。学生の頃に多嚢胞性卵巣症候群と診断され、通院しながらタイミングを取っています。不妊クリニックは通院の回数が多いので、仕事を休むたびに強い罪悪感とプレッシャーを感じるようになりました。上司には事情を伝えていて、不妊治療の経験があるため、「いつでも休んで大丈夫だよ。気にしないでね。」と声をかけてもらいましたが、他のスタッフから、また私が休んでいる、など色々言われているのかなと不安ですし、力仕事も多く、勤務時間も長いため、体力的にも精神的にも限界を感じています。妊活を優先したい気持ちはありますが、金銭面の不安や周囲の目に押しつぶされそうです。今の職場を続けるか辞めるか、また妊活中であることを上司以外のスタッフに伝えるべきか悩んでいます。経験のある方のアドバイスをいただけたら嬉しいです。

(20代、女性、ハンドルネーム:アジサイ、職種:医療・介護・福祉)


最初に

妊活を始めて半年、本当に頑張ってこられました。ぜひそのことをご自身で認めて、いたわってくださいね。
通院のたびに感じる罪悪感やプレッシャー、周囲の目が気になったり、体力的な限界を感じたりと、多方面からのストレスに押しつぶされそうなお気持ち、とてもよくわかります。

上司の方が理解を示してくださるのは心強いですが、それでも他のスタッフからの視線や声が気になりますよね。いただいたご不安な点を一緒にひとつひとつ紐解いていけたらと思います。

妊活と仕事、どんな選択肢があるか整理しましょう

まず、今の職場で働き続けるか、あるいは退職するかという選択についてですが、すぐに決めきることはとても難しく、今日はこう思っていても明日は…あるいは…と実行するまで行きつ戻りつするものだと捉えてくださいね。


■現職を続ける場合

収入が途絶えないため、治療費や将来の育児費への不安が軽減されますし、仕事を通じて社会との接点を持つことは、自己効力感を保つ意味でもおすすめです。
もちろん、度重なる通院とスケジュールの調整や周囲への気遣いは続いてしまいます
力仕事や長時間勤務もあるとのことなので、身体を第一に考え、無理をしないことが大切になってきます。


■退職を検討する場合

通院のストレスや時間的な制約がなくなり、心身ともに妊活に集中しやすくなります。
周囲の目や、仕事による身体的・精神的負担から解放されます
ただ、仕事を辞めることで、社会とのつながりが希薄になり、精神的に不安定になる可能性もあります。
私はパートナーの転勤に帯同し、パート勤務をしながら不妊治療をしていたのですが、やはり社会とのつながりが希薄になること、自分自身のアイデンティティが確立されていない感じが不安につながり、体外受精にステップアップするときに転職活動をしました。


また、退職ではなく、会社に休職制度があれば、一時的に休職して妊活に専念するというという選択肢もあるかもしれません。

妊活を職場に伝える?伝えない?それぞれの選択

妊活中であることを上司以外のスタッフに伝えるかという点も非常に悩ましい問題ですね。

伝えるか伝えないか、どちらにもメリットとデメリットがあると思います。
正しい情報を伝えることで、誤解が解消され、理解や協力を得られるかもしれません
また、事情が分かっていれば、アジサイさんご自身も休む際の罪悪感が軽減される可能性があります。

一方、妊活についてはプライベートな情報であり、周囲の人に知られたくない方も多いです。
余計な詮索やアドバイスをもらうこともあり、良かれと思って…と色々教えてくれる方が一定数いらっしゃるように思います。

伝えないという選択をするかたも、もちろんいらっしゃいます。
ただ、仕事の調整が難しい周期などですと、休む理由が明確でないため、「また休んでいる」と憶測が飛んでいるような気持ちになったり(実際は何を言われているかはわからないのに想像してしまって)罪悪感・プレッシャーを感じることもあるかもしれません。


伝える場合は、アジサイさんご自身で「この方たちまでなら」と線引きできるといいと思います。
信頼できる、ごく一部の同僚にだけ、個人的な相談として打ち明ける形がよさそうです。
その際も、「もしよければ、このことは他の方には内緒にしてもらえないかな」と一言添えることもお勧めです。

最後に

いかがでしょうか。

文面から、アジサイさんの焦りや不安でいっぱいのお気持ち、痛いほど伝わってきました。どうか、ご自身の身体とお気持ちを一番に大切にしてくださいね。

<本記事の回答者>

松本彩乃

不妊ピア・カウンセラー/キャリアコンサルタント

所属:株式会社ファミワン

ピア、とは「仲間」という意味です。私自身不妊を経験し、そのつらかった思いをどうにか活かしたくカウンセラーの資格を取得しました。不妊治療と仕事の両立のご相談を専門とするキャリアコンサルタントとしても、皆様のお悩みを伺っています。


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