生理中のつらい頭痛、薬以外で楽になるには?【お悩み相談室】

今回は、ピルで生理痛などの症状は軽くなったものの、生理中の頭痛がひどく、毎月つらいと感じている30代女性からのご相談です。薬を連日飲むことへの不安もあり、薬以外で頭痛をやわらげる方法を探しているようです。
生活習慣や食事、予防法など、少しでも頭痛を楽にするためのヒントを看護師がお届けします。
月経困難症でピルを服用しており、生理痛や胸の張り、イライラは軽くなったものの、生理中の頭痛がひどくて悩んでいます。毎回、生理が始まるとズキズキとした頭痛が続き、鎮痛剤で一時的に和らぐものの、時間が経つとまた痛み出します。生理中は1日に飲める最大量の薬を飲んでおり、数日連続して飲むと身体によくないと伺ったので2日目まで飲んで、3日目以降は我慢しています。薬以外で少しでも頭痛を和らげる方法や、民間療法、食べ物などでも効果を感じたものがあれば教えていただきたいです。毎月のことなので本当に辛く、少しでも楽になる方法を探しています。ピルを飲み始めることで生理のトラブルがすべてなくなると思っていたのでショックなところもあります…
(30代、女性、ハンドルネーム:zawa、職種:金融・不動産)
目次
最初に
生理中の頭痛、本当にお辛いですよね。毎月同じようにやってくる痛みと闘い、薬もなかなか効かないととても苦しい時間をお過ごしなのではないでしょうか。
ピルを飲んでいても頭痛だけ残ると、「これって意味があるのかな?」と不安になる気持ち、よく分かります。でも、どうかご安心ください。この痛みは「仕方ない」と諦める必要はありません。
自分の体と向き合って「どうしたら楽になるだろう?」と考えていること自体が、素晴らしい第一歩です。
今回は、そんなあなたのつらい頭痛が少しでも軽くなるように生活の中でできることや医療の選択肢についてお伝えしていきますね。
毎月くる頭痛、つらさを減らす第一歩を踏み出そう
これからは頭痛が少しでも楽になるために、一緒にこんな未来を目指してみませんか?
- お薬だけに頼りすぎず、頭痛の強さや頻度を少しずつ減らしていくこと。
- 「そろそろ来るかも」と、頭痛が起こりやすいタイミングを把握して、前もって自分を労わるケアを組み込めるようになること。
- 「月経関連片頭痛」というタイプの頭痛を理解して、痛くなる前に防ぐ選択肢を持てるようになること。
これが叶えば、「いつ来るか分からない」という毎月の不安や「どうせ薬が効かないから我慢するしかない」という我慢の時期を、「こう動けばいいんだ」と自分でコントロールできる時期へと変えて行くことができます。
体の中から整える、具体的なアドバイス
生理中の頭痛は、体の「冷え」や「自律神経の乱れ」が脳の血流に影響して起こりやすくなると言われています。
体が冷えると血管がキュッと縮んで、体が緊張状態になり、痛みが強くなる悪循環に陥りがちです。
だからこそ、「体を冷やさない」「リラックスする」「規則正しい生活を送る」という基本的なことが、頭痛を和らげる大切な土台になってきます。
毎日の食事と体を温める工夫
まずは、日々の食事から体に必要な栄養を摂り入れていきましょう。
ホルモンバランスや神経の働きを助ける鉄分、ビタミンB群、マグネシウムなどが大切です(※1)。
レバーや赤身のお肉、納豆、ほうれん草、アーモンド、玄米などを意識して食卓に取り入れてみてくださいね。
そして、温かい白湯やお味噌汁で体の内側からじんわり温めるのも、血流改善にとっても良い習慣です。
反対に、カフェインや砂糖、アルコールの摂りすぎは、体を冷やしたり自律神経を乱したりする原因になることもあります。
少しだけ控えてみて、代わりにカモミールティーやルイボスティーなど、ノンカフェインでホッとできる飲み物でリラックスタイムを作ってみるのはいかがでしょうか?
質の良い睡眠とリラックス習慣
ぐっすり眠ることは、ホルモンバランスや自律神経を整える上でとっても大切です。
- 寝る90分くらい前に、38~40℃くらいのぬるめのお風呂にゆったり浸かってみてください。体が芯から温まり、寝つきが良くなりますよ。
- 寝室は、できるだけ暗く静かに。そして、寝る1時間前にはスマホを見るのをやめて、目を休ませてあげましょう。
- 毎朝、決まった時間に起きる習慣をつけることも、自律神経のリズムを整えるのに役立ちます。
また、首、お腹、足首、そして目元を温めることもおすすめです。
特に温かいアイマスクや蒸しタオルで目元を温めると、リラックス効果が高まって、頭痛が和らぐことがありますよ。
ラベンダーなど、心が落ち着く香りのアロマを焚いて、ゆっくりと深呼吸するのも、自律神経のバランスを整える手助けになります。
痛くなる前にできること
もし「毎月、決まった時期に頭痛が起こる」と感じているなら、それはもしかしたら「月経関連片頭痛」かもしれません。
女性の片頭痛の約6割がこのタイプと言われていて、一般的な頭痛薬ではなかなか効きにくいことが特徴でもあります。
そこで、ぜひ知ってほしいのが頭痛が来ることを予測して予防するというアプローチです。例えば、頭痛が来る2日前から数日間だけ、予防のためのお薬を飲むことで、頭痛の発症や悪化を防げる可能性があります。これは、日本頭痛学会のガイドラインでも勧められている方法なのです(※2)。
一度かかりつけの医師に相談してみてもいいかもしれませんね。
また、ピルの種類や飲み方が頭痛に影響することもあるのです。
ピルを飲んでいるのに生理中の頭痛が改善されない場合は、かかりつけの婦人科の先生にもう一度相談してみるのがおすすめです。
ピルにはいろいろな種類があり、ホルモンの量が少ないタイプや、休薬期間のないタイプなど、あなたに合う別の処方に変えることで、症状が軽くなることもあります。
ご自身の体に一番合ったピルの種類や使い方を、先生とじっくり相談して見つけていくことが、痛みを和らげる大切なステップになりますよ。
最後に
「毎月の頭痛はもう仕方ない…」と諦める必要は全くありません。
日々のちょっとした生活の工夫と、必要な時にはお医者さんの力を借りることで、きっとあなたの頭痛は確実に「小さく」なっていきます。
まずは、今日からできそうなこと、心がホッとすることから、一つだけ試してみてはいかがでしょうか。いつでもあなたのことを応援していますね。
<参考文献・出典>※以下の文献を参考にしています
公益社団法人 日本産科婦人科学会
▶月経前症候群(PMS):https://www.jsog.or.jp/citizen/5716/※1
一般社団法人 日本頭痛学会
▶頭痛の診療ガイドライン2021:https://www.jhsnet.net/pdf/guideline_2021.pdf※2
専門家がこたえます!お悩み募集中です
「知ってハレばれ お悩み相談室」にお悩みをお寄せください。
毎月ピックアップさせていただいたお悩みとその回答を、「知ってハレばれ お悩み相談室」の記事で公開いたします。下記のフォームからお悩みをお寄せください(匿名でお寄せいただけます)。