妊娠中に添加物を食べちゃった…赤ちゃんへの影響は?【お悩み相談室】

妊娠・出産
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妊娠中に知らずに添加物を摂取してしまい、赤ちゃんへの影響を強く不安に感じているという20代女性からのご相談です。

赤ちゃんへの添加物の影響や、妊娠中や産後の食生活で意識したいことについて、管理栄養士がアドバイスします。

妊娠を機に食生活に気をつけ、甘味料やファストフードなどはなるべく避けてきました。でもアミノ酸などの添加物がどんな食品に含まれているか把握できておらず、ちくわやソーセージ、納豆のたれなどを普通に食べてしまっていました。今のところ赤ちゃんは順調ですが、やはり妊娠中に添加物を摂るのはよくなかったのかと不安になります。来週で正産期を迎えるのですが、出産後赤ちゃんに異常が見つかったらどうしようととても不安です。毎日ネットで検索をしてしまいます…私みたいなお母さんがこれからできることはありますか。母乳が出たらあげたいと思っているので…

(20代、女性、ハンドルネーム:mizuki、職種:主婦)


最初に

ご相談ありがとうございます。妊娠中の食生活について真剣に向き合い、ご自身なりに工夫されてこられたことが文面からもよく伝わってきます。
「赤ちゃんのために少しでも良いことを」と日々頑張るその姿勢は、すでに立派なお母さんだと思いますよ

そして、今「アミノ酸などの添加物を知らずに摂ってしまったことが赤ちゃんに影響しないか」と不安になっていらっしゃるお気持ちも、とてもよくわかります。
ですがまず、不安になりすぎる必要はありません。添加物についての正しい知識と、これからできることをお伝えさせていただきます。

食べてしまった添加物の影響は大丈夫?

市販の食品に含まれる「アミノ酸等」は、うま味調味料(グルタミン酸ナトリウムなど)として使用されていることが多く、ちくわやソーセージ、納豆のたれなどの加工食品によく含まれています。
しかしこれらの添加物は、厚生労働省の厳しい基準をクリアしたうえで、安全性を確認された量が使用されているものです。
通常の食生活で少量摂取する程度で、赤ちゃんの健康に大きな悪影響を与えるという科学的根拠は、現在のところ確認されていません

つまり、「気づかずに食べてしまった」ということが即座に赤ちゃんの成長に悪影響を及ぼす可能性は非常に低いといえます。
どうか、過去の食事を過度に心配しすぎず、これからの時間を大切にしていただきたいです。

母乳の質を整えるための食生活の工夫

来週には正産期とのこと、もうすぐ赤ちゃんに会えると思うと楽しみですね。
出産後は、母乳育児を希望されているとのことでしたので、これからは「母乳の質をよくする食事」に目を向けていくとよいでしょう。

母乳はお母さんの血液から作られるため、お母さんが食べたものは、間接的に赤ちゃんの栄養にも関わります
バランスの良い食事を意識することで、赤ちゃんにとって最適な栄養環境を整えることができます。

◎ 母乳育児を支える食事のポイント

  1. 主食・主菜・副菜を揃える:おにぎりだけ、おかずだけ…にならないように。
  2. 良質なたんぱく質をしっかりと:鶏肉、魚、卵、大豆製品などは母乳の材料になります。
  3. 鉄分・カルシウムを意識する:出産や授乳で失われやすい栄養素です。
  4. 発酵食品や食物繊維で腸内環境を整える:赤ちゃんの免疫に関わる大事な要素です。
  5. シンプルな調理を心がける:だし・塩・しょうゆなど素材を活かした味付けを基本に。

産後は育児に追われ、完璧な手作りができない日もあると思います。
そんなときに、「これは添加物が少ないから安心」と思える選択肢をいくつかストックしておくと気持ちも楽になります

  • 無添加のだしパックや調味料
  • 国産・無添加表示のソーセージや練り物
  • 自家製の納豆だれ(醤油+だし+少量の酢など)、醤油麹に変更

「安心な選択肢を少しずつ取り入れていく」ことが、心と体、そして赤ちゃんの健やかな成長に繋がります。

最後に

育児が始まると、食事に気を配るのも本当に大変になります。
それでも、「これを食べたら赤ちゃんに悪いかも」と思い詰めること自体が、実は一番のストレスになってしまうこともあります。

大切なのは、「今日からまたできることをやろう」と思える前向きな気持ちです。
食事も子育ても、完璧である必要はありません。
お母さんの笑顔やぬくもり、愛情こそが、赤ちゃんにとって最良の栄養です

これから始まる育児の時間が、少しでも穏やかで豊かなものになりますように。

<参考文献・出典>※以下の文献を参考にしています

厚生労働省
▶食品添加物の安全性評価について:https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syokuten/index.html
▶授乳・離乳の支援ガイド:https://www.mhlw.go.jp/content/11908000/000488140.pdf

<本記事の回答者>

山本瑠美

管理栄養士

所属:株式会社ファミワン

保育園、老人ホーム、病院での勤務経験を活かし、0歳~高齢者の食を支援しています。食事は「生きる土台」、大切さはわかっていても、乱れたり習慣を変えることが難しい場合も。まずは完璧を目指すのではなく、個人の嗜好やライフスタイルに合わせた提案を心がけています。食べることや栄養の大切さを、わかりやすく楽しくお伝えします。


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