ちょっとしたことでイライラ、病院の対応にモヤモヤ。これって更年期?【お悩み相談室】

更年期
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更年期についての相談です。最近、子供達や旦那のふとした言動でイライラしてしまい、つい怒り口調で指摘してしまいます。小さい頃より成長しているのにできてないことが多すぎて怒ってしまっているんだと思っていましたが、最近友人から更年期の話を聞き、考えれば考えるほど自分もそうなのか!と感じるようになりました。

以前は気にしなかったちょっとしたことにすごくイライラしたり、カッとなって怒ってしまったり、感情がコントロールできなくなるところはまさにその通りです。そう言われるとホットフラッシュも感じるようになりました。早速友人と同じクリニックに通って診てもらっているのですが、内心ではちょっと経過観察的なゆっくりめな診療で、少しモヤモヤしています。これも更年期だからかなぁと思う部分もありますが、病院変えても同じものなのでしょうか。病院を変えるのも、先生からしたら失礼になりますか?私が病院に行っているのをみて、家族がほっとし始めたのを見るのもそれはそれでイラッとしますが、我慢しています(笑)

気持ちの保ち方や落ち着かせ方、鎮め方、向き合い方など、何かヒントをもらえると嬉しいです。

(40代、女性、ハンドルネーム:暑い子、職種:営業)


じわじわと変わる身体や心、まずは生活習慣の見直しから

暑い子さん、ご相談ありがとうございます。じわじわやってくる身体や心の変化、イヤですよね。「自分もそういう年齢になったかぁ~」と、ため息をつきたくなります。

あなたは、「なんだか今までと違うぞ」というご自分の変化によく気付かれているようです。自分自身をモニタリングする力がおありなのですね。お友達に相談し、クリニックを受診されたのも素晴らしい判断だと思いますよ。

ただ、経過観察的な診療であることにモヤモヤされているとのこと。

更年期症状で病院へ行くと、すぐにホルモン療法が始まって症状が劇的に改善する!という期待をされる方は多いのですが、実際はちょっと違います。更年期の身体や心の変化は、個人差はありますが誰にでも必ずやってくるものです。成熟した大人が急に老年になることはありませんよね。少しずつ老年期に移行していくまでの時期が、ちょうど更年期にあたります。つまり、あって当たり前の変化なのです。ですから、症状を少し抑えたり、変化をゆるやかにしたりできても、完全に症状が起きないようにすることはできません。

更年期症状の治療で最も多いのが、運動や食事といった生活習慣の見直しです。できるだけ健康に気遣った生活をして、老年期に向かう身体の変化をゆるやかにしていくのが大切です。ゆるやかな変化を保てているか、薬物療法が必要な状態になっていないかをチェックするために、定期的な受診が必要になるのです。定期的に同じ医師に診てもらっていると、これまでの経過がわかっているので急な症状悪化が起きたときに気付きやすくなります。

また、ホルモン療法が適応となるのは、血液検査でホルモン値を測り、明らかに低下している場合です。暑い子さんの場合、医師が「まだホルモン療法は必要ない。生活習慣の改善と維持で大丈夫」と判断されたのでしょう。もしモヤモヤのせいで主治医を信用できないと感じるなら、思い切って「更年期ってホルモン療法をするものだと思っていたのですが、私の場合は必要ないのですか?」と質問してみてください。その時の回答が適当だったり、「この医師は相談できる人じゃないな」と感じる対応だったら、転院しちゃいましょう。相性の良くない医療機関に通うメリットはありません。

ちなみに、セカンドオピニオンとして他の医療機関を受診するのはとても良いお考えだと思います。セカンドオピニオンは患者さんの権利ですし、医師に対して失礼に当たるなんてことはありません。安心して他の医師の意見も聞いてみてくださいね。

「興奮モード」「落ち込みモード」感情の起伏のコントロール方法

さて、感情のコントロールができない時があってお困りの暑い子さんに、お勧めの方法があります。それは、「ゆっくり大きく深呼吸」「元気でノリの良い曲で歌ったり踊ったりすること」です。

感情の起伏には、自律神経が関わっています。近年、自律神経には興奮モード、落ち込みモード、安心・安全モードがあるらしいことがわかってきました(正式名称で書くと長くて読みにくくなるので、ここでは仮の名称で“〇〇モード”と呼びますね)。

興奮モードは、適度であれば活力や元気になりますが、行き過ぎると過度な怒りやイライラになります。落ち込みモードは、適度であれば落ち着きやゆったりとした気分になりますが、行き過ぎると抑うつや凍り付き(フリーズ状態)になります。安心・安全モードは、心も身体も安定している状態です。

怒りが収まらなくなってしまう時は、興奮モードが行き過ぎている状態です。これをちょっとだけ下げてあげれば、活力があり元気な状態、もしくは安心・安全モードになります。そのための練習としてお勧めなのが、「ゆっくり大きく深呼吸」と「元気でノリの良い曲で歌ったり踊ったりすること」です。

深呼吸は、鼻から息を吸って口から出します。できるだけゆっくり、頭の中で6つ数えながら息を吸いましょう。肺の中が空気でいっぱいになったら、息を止めて1数えます。次に、口から小さく「ふぅー」と音を出すようなイメージで、6つ数えながら息を吐いてください。これを、5回ほど繰り返しましょう。

回答者:臨床心理士、がん・生殖医療専門心理士

生理・PMS・更年期・妊娠・出産・女性特有のがんなど、女性の健康課題やライフイベントに関するご相談を専門にしています。セックスレスや性交痛、パートナーとのコミュニケーションなど、性のお悩みについてもカウンセリングを担当しています。女性特有の心と身体の問題、なかなか人には話せないプライベートなお困りがあれば、是非お気軽にご質問ください。

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