生理中に温泉旅行って非常識?上手な乗り切り方【お悩み相談室】

温泉旅行の日程と生理が重なりそうで、不安や気まずさを感じているという20代女性からのご相談です。タンポンの使用や生理日の調整は可能なのか、周囲への配慮はどうするべきか悩んでいるとのこと。
生理中の温泉入浴の注意点や、心地よく旅行を楽しむための選択肢について、看護師がアドバイスします。
久しぶりに会う学生時代の友人たちと、男女混合で温泉旅行に行く予定なのですが、ちょうどその日と生理が丸かぶりしそうで悩んでいます。社会人になってから予定を合わせるのも大変だったので、日程の変更はできません。せっかくの温泉旅行なので私も一緒に入りたいけど、生理中に温泉って入っていいものでしょうか?
タンポンを使えばOKという意見も見かけるけど、衛生面やマナー的に本当に大丈夫なのか心配です。生理中の温泉は非常識だと思う人もいるようで、一緒に行く子たちがどう感じるのかも不安です。仲の良い子は「気にしない」と言ってくれそうだけど、他の2人の反応が読めません。「実は生理なんだけど入っていい?」って聞くのも抵抗があるし、「生理だから部屋風呂にするね」と我慢するべきなのでしょうか。せっかくの思い出旅行なのに、行く前からもやもやしてしまってます。
(20代、女性、ハンドルネーム:ふらわー、職種:教育・保育・カルチャー)
目次
最初に
このたびはご相談いただき、ありがとうございます。
学生時代のご友人たちとの温泉旅行、久しぶりの再会で楽しみにされていたことと思います。
その大切な予定と生理が重なりそうだと分かり、不安やモヤモヤした気持ちを抱えていらっしゃるのは当然のことです。
「温泉に入ってもいいのか」「タンポンはマナー的にどうなのか」といった実用的な疑問に加え、他の参加者の反応も気になるという繊細な心配もにじんでいますね。
誰かに迷惑をかけたくないという思いや、自分の気持ちを押し込めて我慢すべきか迷う葛藤…そのどれもが、真剣に考えているからこそ生まれる悩みだと思います。
自分の体調や気持ちにあった過ごし方を選ぶ
今回のようなケースでは、「生理だからといって諦めるしかない」ではなく、「自分の体調や気持ちに合った過ごし方を選ぶ」ことが大切です。
たとえば、
・周囲に気を遣いすぎず、できる範囲で温泉を楽しみたい
・自分の体にとって快適な方法で、生理期間を調整したい
・万が一の備えをして、不安を減らしたい
こういった視点から、自分にとって納得のいく選択肢を見つけていけると良いのではないでしょうか。
温泉旅行が生理とかぶる時の具体的な対処法
医療従事者の立場から具体的な対処法をご紹介します。
1. 生理日を移動させる方法 ― 中用量ピルの使用
月経の予定日を変更する方法として、ピル(多くの場合は中用量ピル)を医師の処方で使用することができます。
■ 前にずらす場合
旅行の前に生理を済ませておきたい場合は、直前の生理開始日から3~5日以内に服用を開始し、その後旅行の2~3日前まで1日1錠を継続します。
服用をやめると2~3日後に生理が起こります。
■ 後ろにずらす場合
生理予定日が旅行と重なる場合は、生理予定日の5日前からピルを服用し、旅行期間中も1日1錠飲み続けることで月経を遅らせることができます。
服用を終了すると、2~3日で生理が来ます。
生理を遅らせることができる期間は最長でも7~10日ほどが目安です。
■ 注意点
・副作用として、吐き気、むくみ、頭痛、不正出血などがみられることがあります。
・生理日移動を目的としたピルは、保険適用外となる場合が多く、費用は医療機関によって異なります(目安:1,000〜3,000円程度。
旅行までの期間に余裕がある場合は、前にずらす方法の方が、当日ピルを飲まずに済むため、服薬の手間がないことや副作用に悩むことがなくおすすめです。
2. タンポンの使用について
生理中でもどうしても温泉に入りたいという場合、タンポンを適切に使用することで入浴は可能とされています。
ただし、以下のような注意点があります。
・入浴前に新しいタンポンに交換し、使用後は速やかに取り替えること
・長湯を避け、湯船に浸かる時間は短めに
・湯の中での圧力によって内部に水が入ることがあり、不快感を覚えることがある
・経血量が多い日は、漏れのリスクや感染症予防の観点から避けた方がよい
また、公共の温泉施設では、「生理中の入浴は控えてほしい」とする明文化されたルールがない場合が多いものの、周囲の利用者への配慮は必要です。
グループの雰囲気や関係性によっては、無理せず別の選択をするのも良いでしょう。
3. 客室風呂・貸切風呂を活用する選択も
「気を遣わせたくないけれど、やっぱり気になる」という方には、客室風呂や貸切風呂を利用する選択もあります。
最近は温泉旅館でも部屋付きの風呂がある施設が増えていますし、事前にそうしたプランを選んでおくことで、周囲の視線を気にせずリラックスできます。
「今回は部屋でゆっくり入るね」と自然に伝えれば、深く詮索されることもなく、お互いに気持ちよく過ごせると思います。
最後に
生理と大切な予定が重なってしまうことは、誰にでも起こり得ることです。
そのときに、「どれを我慢するか」ではなく、「自分の体と気持ちにとって、最も心地よい選択は何か」を軸に考えてみてください。
必要であれば、医師に相談しながら準備を整えたり、安心できる入浴方法を選んだりすることで、旅行中のストレスや不安を最小限にすることができます。
せっかくのご旅行が、楽しい思い出として心に残るものになりますよう、心から願っております。
※ピルの費用や適用範囲は医療機関によって異なるため、詳細は必ず受診先でご確認ください。
<参考文献・出典>
公益社団法人 日本産科婦人科学会
▶産婦人科診療ガイドライン-婦人科外来編2023:https://www.jsog.or.jp/activity/pdf/gl_fujinka_2023.pdf
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