妊活中に豆乳はあり?適量と飲み方のポイントを教えて【お悩み相談室】

妊活に向けて食事を整え始めようとしている30代女性からのご相談です。たんぱく質補給に豆乳を毎朝飲もうかと考えているが、「イソフラボンの摂りすぎはよくない?」との不安もあるようです。
妊活中の豆乳の適量や飲み方の工夫について管理栄養士がやさしく解説します。
結婚してもうすぐ1年。2人の時間も楽しんだので本格的に妊活を始めようと思っています。妊婦の体づくりが大切と聞いたので今更ながらに食事を整え、足りない分はサプリでも補おうと思っている所です。サイトで日頃の食事を入力し簡単な栄養価計算をしてみたところ、たんぱく質が不足気味と出たので、手軽にとれる豆乳を毎朝飲んでみようかと考え中です。豆乳に含まれるイソフラボンは女性ホルモンのバランスを整えると聞きますが、飲みすぎはよくないとも聞きました。毎日コップ1杯程度なら大丈夫なのでしょうか?妊活中の豆乳の飲む量の目安や、実際に取り入れている方の工夫などがあれば、参考にしたいです。
(30代、女性、ハンドルネーム:むーむー、職種:事務・オフィスワーク)
最初に
ご質問ありがとうございます。
結婚1年を迎え、そろそろ妊活を…というタイミング。ふたりの時間を楽しんだ後の前向きな決意、とても素敵ですね。
そして、その一歩を「体づくり」から始めようとされていること、管理栄養士として心からうれしく思います。
実際に栄養価計算サイトで食事を振り返り、「たんぱく質が足りてないかも?」と気づけることも素晴らしいです。
妊娠しやすい身体をつくる上で、たんぱく質は卵子の材料、ホルモンの材料、そして赤ちゃんの素になる非常に大切な栄養素です。
そしてその補い方として、「豆乳を毎朝飲んでみようかな?」という自然で無理のない選択にも優しさを感じます。
豆乳は植物性たんぱく質に加え、女性にうれしいイソフラボンも含まれているので、確かに妊活期にはぴったり。
ただ、「飲みすぎはよくない」といった情報も耳に入ってくると、ちょっと不安になりますよね。
そこで今回は、「豆乳の上手な取り入れ方」について、やさしく解説していきますね。
豆乳を安全に取り入れるための基礎知識
まずお伝えしたいのは、「豆乳=妊活に悪い」ということでは全くありません。
むしろ、バランスよく取り入れれば、排卵リズムやホルモンバランスの安定に役立つという報告もあります。
豆乳に含まれるイソフラボン(大豆由来のポリフェノール)は、女性ホルモンのエストロゲンに似た働きをするとされており、妊活中のサポートとして注目されています。
ただし、摂りすぎるとホルモンバランスが乱れることもあるため、「適量の見極め」が大切です。
では、「毎日どれくらいまでならOK?」という疑問にお答えします。
イソフラボンの摂取量の目安は?
厚生労働省の安全基準によると、大豆イソフラボンの1日の上限量の目安は70〜75mg程度とされています(※特定保健用食品などを含めた場合)。
豆乳1杯(200ml)には、約30〜40mgのイソフラボンが含まれているので、コップ1杯程度を毎日飲むのは安全な範囲と言えます。
→毎朝の豆乳1杯(200ml) OK!
過剰摂取を避けるために、「毎食+豆乳+大豆サプリ」などの重ね摂りには注意が必要です。
豆乳習慣をより妊活向きにする方法
⚫︎温めて飲むと、吸収&冷え対策に◎
→ 特に朝に飲む場合は、レンジで軽く温めることで、胃腸にも優しく、身体を温める効果も期待できます。
⚫︎ プロテイン代わりにも活用できる
→ バナナやきなこ、オートミールを混ぜてスムージーにすれば、たんぱく質・食物繊維・ビタミンが一度に摂れる“妊活朝食”に。
⚫︎ 1日の中での“たんぱく質のバランス”が大事
→ 豆乳以外にも、卵・鶏むね肉・魚・納豆などを少しずつ取り入れると、より質の良いたんぱく質補給になります。
最後に
妊活中の体づくりは、「これを食べちゃダメ」「もっと頑張らなきゃ」と追い込むことではなく、
“赤ちゃんを迎える自分の身体を、愛情を持って整える時間”だと私は思っています。
豆乳のように、手軽でおいしい選択肢を上手に使いながら、まずは「無理なく続けられる」工夫を楽しんでくださいね。
そして、日々のちょっとした気づきや工夫の積み重ねが、あなたと赤ちゃんの未来を、少しずつつないでくれるはずです。
その一歩を、心から応援しています。
<参考文献・出典>※以下の文献を参考にしています
厚生労働省
▶大豆イソフラボンについて:https://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/06/dl/s0616-3c05.pdf
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