妊活中のストレスフリーなダイエット方法なんてある?【お悩み相談室】

今回は、妊活のためにダイエットを試みている30代女性からのご相談です。
医師から体重を減らすよう言われたものの、体重管理のプレッシャーから生理不順が起こらないか不安を感じているそうです。
妊活とダイエットをどう両立すればいいのか、管理栄養士がアドバイスします。
私はスイーツやお菓子、パンが大好きで、このコロナ渦の数年は、仕事のストレス発散=好きなものを食べるという生活をしてしまい、10キロ程太りました。
妊活を半年ほど夫婦で頑張っていましたが、妊娠しないので不妊クリニックに通うことにしました。不妊クリニックの先生からは不妊治療をするには治療と平行して体重を減らすように言われました。
妊活を始める前から少しずつダイエットをしていましたが、ダイエットにより生理不順になったらどうしようと不安になり、辞めてしまった経緯もあります。
妊活に支障が出ずできるだけストレスフリーなダイエットができたらいいなと思っています。妊活とダイエット、うまく両立したいのですが、どうしたらいいでしょう?
(30代、女性、ハンドルネーム:ティラミス、職種:医療・介護・福祉)
目次
最初に
ご質問ありがとうございます。とても大切なお悩みですね。
妊活というデリケートな時期に、体のこと・心のこと・パートナーとの関係など、さまざまなことに気を配りながら過ごされているご様子に、深い共感と敬意を込めてお応えしたいと思います。
コロナ禍で生活や働き方が変わり、不安やストレスも多かった中で、「食べることでなんとか日常を保ってきた」というお気持ち、痛いほどよくわかります。
そして今、「妊活」という新たなステージに立ち、心を整えながら体重と向き合おうとしている。
「ダイエットで生理が乱れたらどうしよう…」という不安と、「赤ちゃんを授かりたい」という願いの間で揺れるお気持ちは、決してあなただけではありません。
むしろ、多くの女性が同じように悩み、戸惑いながら、日々を丁寧に歩んでいるのです。
まずは、そんな風に真剣に、自分の体と心に向き合おうとしているあなたに、心から「よくがんばっていますね」とお伝えしたいです。
「好きなものを我慢し続けなきゃいけないの?」
「頑張ってるのに、報われない気がしてつらい…」
そんな気持ちに寄り添いながら、あなたらしくストレスを抱えすぎず、妊活とダイエットを両立していけるような道を、一緒に考えてみましょうね。
妊活ダイエットの心得とは
「赤ちゃんのために体重を減らさなきゃ」
「でも、それがプレッシャーになって生理が来なくなったら本末転倒…」
そのジレンマ、とてもよくわかります。
妊活は「コントロールできないこと」が多く、どうしても不安になりやすい時期。
そこに「体重を減らさないと」というプレッシャーが加わると、心の負担が一気に増してしまいますよね。
でも大丈夫です。妊活におけるダイエットは「我慢の連続」ではなく、「選択を重ねて、自分を整えること」がゴールです。
短期間で急激に痩せることよりも、ホルモンのバランスを崩さずに、日常の中で代謝を上げる、血糖値を安定させる。
そうした工夫が妊活にもプラスに働くことが多いのです。
こんなふうに考えてみてはいかがでしょうか?
- 食事も運動も、「妊娠のための準備期間」として、楽しく整える
- 「ダイエット」ではなく「ホルモンと代謝を整える生活」へのシフト
- 「今日はできた!」を積み重ねて、自己肯定感を保つ
- 「頑張れない日」も許す余白を持つ
妊活もダイエットも、長い道のりになることがあります。
だからこそ、「できることを、できる分だけ」進めていくことが、心と体を守るいちばんの近道です。
妊活を支える!無理しないダイエットのコツ
それではここからは、「妊活に支障を出さず、やさしく体を整えるダイエット」のポイントをお伝えさせていただきます。
1. 体重を落とす前に「血糖値を安定させる」
急激な糖質の摂取は、インスリンの過剰分泌を招き、排卵障害やホルモンバランスの乱れにつながる可能性があります。
まずは「甘いものの量」ではなく、「血糖値を急に上げすぎないこと」に注目しましょう。
食べ方の工夫:
- 食事の最初に「野菜・きのこ・海藻」→たんぱく質→炭水化物の順に食べる
- 菓子パンではなく、全粒粉パン+卵・野菜で組み合わせ
- 小腹が空いたときは、ナッツ、ゆで卵、スープなどを選択
2. ホルモンと代謝に関わる栄養素を補う
妊娠しやすい体をつくるには、ただ体重を減らすだけでなく、栄養のバランスを整えることが不可欠です。
意識して摂りたい栄養素:
- 鉄・葉酸:レバー、赤身肉、小松菜、あさり、枝豆、サプリも併用可
- たんぱく質:魚・鶏むね・納豆・豆腐などを毎食取り入れる
- ビタミンB群・E:アボカド、ナッツ、全粒穀物、卵
- マグネシウム:海藻、ナッツ、バナナ、豆類
3. ゆるやかな有酸素運動+骨盤まわりのケア
無理な運動ではなく、血流改善を意識したウォーキングやストレッチが妊活には効果的。
また、骨盤の血流を促す骨盤底筋トレーニングやヨガもおすすめです。
4. 心を安定させる“ごほうび習慣”を持つ
スイーツが好きなら、「週1でお気に入りのチョコをゆっくり味わう」でもOK。
大切なのは「罪悪感なく楽しむこと」。
むしろ、「楽しむ余白」がある方が、ホルモンの安定にもつながります。
最後に
妊活も、ダイエットも、どちらも本当にがんばりすぎてしまいやすいテーマです。
でも、「自分の体と仲良くなる時間」だと思って、少しずつ整えていくのはいかがでしょうか?
あなたの「赤ちゃんに出会いたい」という思いが、優しさと愛情にあふれていること、伝わってきました。
どうかその優しさを、自分自身にも向けてあげてくださいね。
心から、応援しています。
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