初めての妊娠、健診まで待つ不安時間を楽にするには【お悩み相談室】

妊娠・出産
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今回は、妊娠中期に入り健診の間隔が4週間ごとになったことで「赤ちゃんが元気に育っているのか不安」と感じている30代女性からのご相談です。
初めての妊娠で見えない体の変化に戸惑い、ついネット検索を繰り返してしまう毎日とのこと。

妊娠中期の赤ちゃんと母体の変化、この時期の心の持ち方について助産師がアドバイスします。

初産です。妊娠中期に入り、健診の間隔がだんだん長くなってきました。今は4週間おきなのですが、体の中で何が起きているのか見えないぶん、ちょっとした変化が気になって不安になります。赤ちゃんがちゃんと育ってるかな、元気かなって、ついネットで検索ばかりしてしまって…。なるべく穏やかに過ごしたいと思ってはいるのですが、検診が近づくまではずっとそわそわしています。この時期の心の持ち方について、アドバイスいただけたらうれしいです。

(30代、女性、ハンドルネーム:みまちゃん、職種:主婦)


最初に

みまちゃんさん ご相談ありがとうございます。

初産で不安も多いと思いますが、妊娠中期までお腹のお子さんが成長されていること、おめでとうございます。

初めてのことだらけで、ちょっとした変化が気になり不安になるのもわかります。
今はネットを検索すれば、喜ばしいこともそうではないことも情報が溢れ、戸惑われることも多いのではないでしょうか。

今回は、妊娠中期の赤ちゃんの成長とお母さんの身体の変化をお伝えし、その変化を少しでもみまちゃんさんが楽しみながら過ごせるようになれば幸いです。

見えないからこそ「体に起きていること」を知ろう

妊娠中期は、胎盤が完成し流産の確率も減ってくるため安定期と呼ばれますが、つわりも治まり始め体調が安定しやすくなり、過ごしやすい時期になります。

この頃には、赤ちゃんの内臓の形態がほぼ完成していて、髪の毛や産毛、爪などが生え始めます。

妊娠5ヶ月ごろ

妊娠5ヶ月ごろの赤ちゃんは、身長約20cm、体重約150gほどでオレンジ1個分ほどになります。
親子手帳には赤ちゃんの成長とお母さんのからだの変化についてのページがあると思いますので、そちらも読んでみてくださいね。

赤ちゃんの成長と共にお母さんの子宮も大きくなり、お腹が目立ち始めたり、体重も増えてきます。
また、エストロゲンという女性ホルモンが多く分泌されることで、乳房やお尻が大きくなり、皮下脂肪がついてきて全体的に身体がふっくらとしてきます。

乳腺が発達してきて、今までのブラジャーがきつく感じたり、乳輪部や乳首、脇などの黒ずみを感じる方もおられます。
無理に乳房を押さえつけることは乳腺の発達を妨げるので、マタニティ下着の着用も考え始めていただければと思います。



そして早い方だと胎動を感じる方もおられ、気持ち的にもホッとできるかと思います。
胎動は初めは腸の中でガスが動いているようなポコポコとした感じです。
しかし感じないからといって不安になることはありません。

妊娠20週以降になると、赤ちゃんは骨格や筋肉が発達し、お腹の中での動きが活発になってくるので、多くの方が赤ちゃんの動きを胎動として感じられるようになります。

胎動を感じた際は、ぜひお腹の赤ちゃんに話しかけてみてください
胎動を通じて、みまちゃんさんとお腹の赤ちゃんとの見えない繋がりができると思いますよ。

妊娠6ヶ月ごろ

妊娠6ヶ月頃には、赤ちゃんは超音波検査では全体を映せないほど大きくなっています。
卵巣や精巣などのホルモン分泌に関わる器官の活動も活発になり、タイミングが合えば超音波検査で性別がわかる場合もあります。

聴覚も発達し始め、赤ちゃんは外の音が聞こえるようになるので、ご主人と一緒に胎児ネーム(お腹の中にいる間のニックネーム)を考えて、名前で呼んだり話しかけたりしてコミュニケーションをとるのもお勧めです。

検診までの時間をラクに過ごすためのヒント

ちょっとした変化が気になる状況では、こころも緊張している状態が続いていると思います。
体調が良ければ日中の暑い時間を避けて、ウォーキングで気分転換したり、ストレッチやマッサージなどで身体をほぐしながら、ご自身がリラックスできる時間を取ってみてください

もちろん、お腹の張りを感じたり、体調が悪い時は無理せず横になって休むようにしてくださいね。



妊婦検診でお腹のお子さんの元気な様子を観るまでは、不安は消えないのが実際だと思います。
けれど、ご自身にとって、ゆったりと過ごせる環境や、没頭できる趣味、集中する映画やドラマ鑑賞など、気を紛らわす手段を探してみるのは、今回の妊娠に限らずみまちゃんさんにとって有用だと思います。


妊娠の経過は人それぞれ違います。
気になる症状は、ネット検索ではなく、まずはかかりつけの産婦人科に問い合わせて、受診すべきかどうかなどの指示を仰ぎましょう

また妊婦検診の時には、不安に感じていることや知りたいことをぜひ助産師に相談してみてください。
産婦人科のスタッフは、みまちゃんさんの心強いサポーターになってくれると思いますよ!

最後に

お腹が大きくなることで、腰痛やお腹の張りを感じるなどマイナートラブルも出てくるかもしれませんが、
ご主人やご家族、産婦人科スタッフのサポートを得て、
みまちゃんさんがお腹のお子さんの成長とご自身の身体の変化を少しずつでも楽しんでもらえたら嬉しいです。

私も応援しています!

<参考文献・出典>※以下の文献を参考にしています

日本看護協会出版会
▶助産師基礎教育テキスト 2025年版 -第4巻「妊娠期の診断とケア」-:https://www.jnapc.co.jp/products/detail/4260

<本記事の回答者>

谷村弥生

助産師/保健師/公認心理師

所属:株式会社ファミワン

産婦人科での様々な年齢層の方と関わっている勤務経験から、月経やホルモンバランスの乱れにより起こる症状や、病院受診を迷う症状、人に相談しにくいお悩みについて、あなたと一緒に考えていきます。もちろん心理的なお悩みも遠慮なくご相談ください。皆さんのフェムケアを応援したいと思っています。


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