時短勤務の妻にモヤモヤ…夫としてどう向き合う?【お悩み相談室】

今回は「共働きで妻を尊敬しているのに、自分ばかりが追い込まれている気がしてモヤモヤする」という20代男性からのご相談です。
時短勤務の妻をサポートしたい気持ちはあるけれど、「なんで自分だけ?」という思いが拭えない…。
器が小さいのかと自分を責めてしまう方に向けて、気持ちの整理や心の余白をつくるヒントを保育士がお伝えします。
共働き夫婦で、妻は現在時短勤務です。
子どもがまだ小さいので、妻が保育園の送迎や夕方の家事を担当し、僕は朝の準備とフルタイム勤務をしています。妻のことは尊敬してるし、頑張っているのも分かっています。
でも正直、僕だけが時間的にも精神的にもギリギリな感じがして、「なんで俺だけ…?」と思うことがあります。
とはいえ、時短とはいえ妻も働いてるし、家のことも頑張ってるのも事実で…。このモヤモヤをどう受け止めたらいいのか、自分が小さいのか、器が足りないのかと悩んでいます。ネットを見ても落ち込むばかりなので、アドバイスが欲しいです。
(20代、男性、ハンドルネーム:TOMO、職種:IT・エンジニア)
目次
最初に
ご相談ありがとうございます。
「自分ばかりがやっている気がしてしまう」「そんな自分が小さいのではないか」
と思ってしまうお気持ち、とてもよくわかります。
パートナー様を尊敬されていて、頑張っていることも理解している。
それでも気付けば自分ばかりが負担しているように感じる…
その葛藤は、家族の為に真剣に取り組んでいるからこそ生まれるものだと思います。
「自分ばかり」と感じるのは頑張りすぎのサイン
家庭とは環境や立場が異なるかもしれませんが、
お子さんたちを預かり、チームとして動く保育の現場でも、実は似たような気持ちを経験したことがあります。
第一に優先されるのは「子どもたちの為に自分たちが分担して動く」ということです。
けれど、その中でふと、「なんで自分ばかりがこんなにやっているんだろう」と思ってしまうことが続いたことがありました。
相方が、楽をしているとか怠けているとかでは全くありませんでした。
むしろ、信頼していたし、子どもたちからも慕われていて一生懸命な人でしたから
TOMOさんと同じように、「こんなことを思ってしまう自分は悪い」というように感じてしまったのです。
ある研修で「人は自分が満たされていないと、人の為に何かをすることが難しい。自分が満たされていると、家族や仲間に何かしてあげようと思える」と聞いたことがあります。
この話を聞いたときに、「なんで私ばかり」と考えてしまうときは
「心が狭いから」ではなく「自分がいっぱいいっぱいだから」なのかと感じました。
そんな時はそう思う頻度も増えていくということにも気付きました。
だからこそ、余裕がないときに出てしまう「私ばかり」は「頑張りすぎのサイン」だったのだと感じました。
だからTOMOさんが感じてしまうこの気持ちは
「器が狭い」とか「自分が小さい」ではないということをお伝えしたいです。
頑張りを“見える化”して心の余裕を取り戻す方法
いきなり自分の時間をつくったり、分担を変更したりというのは実際パートナー様との兼ね合いもあり現実的に難しいかと思います。
スモールステップで
まずはこういったことから取り組まれて少しでも心の余裕を作っていただきたいと思います。
1. 自分のことをまず認めてあげること
「じぶんばかりがやっている」と感じてしまうのは
それだけ一生懸命頑張っているという証拠です。
自分を責めるのではなく「そう思ってしまうぐらい自分は真剣に取り組んできたんだ」と認めてあげていただきたいです。
パートナー様を尊敬する気持ちと同じくらい、自分の努力も大切にていただきたいです。
2. 自分の頑張りを“見える形”にしてみること
これは保育の現場でも子どもたちに行うことなのですが、頑張る保護者の方にもおすすめしてきたことがあります。
自分が普段やっていることを紙に書き出して、目で見えるようにしてほしいです。
子どもたちには絵やシールなどで「できたことリスト」を一緒に作成しますが、大人の場合は「今日の家事」「子どもにした声掛け」など書き出すと、自分はこれだけのことを頑張っていたと実感できます。
頭の中で考えると「まだできていないこと」「こんな風に考えてしまう自分」というマイナス面に目が行きがちですが、文字などの形にすることで冷静に認められるのです。
最後に
子育ても家事も仕事も、どれもエネルギーを使う大仕事です。
だからこそ、時には「自分ばかり」と感じてしまうのは決していけないことではなく、自然なことです。
保育の現場でも、たくさんの業務と家庭の両立に力を尽くす保護者の方を見て応援したいと思ってきました。
どうかご自身を責めずに、少しずつ「自分を認めること」「頑張りを可視化すること」を試してみてください。
ほんの小さなことでも、自分に余白をつくることに繋がります。
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