「育児が楽しくない」と感じる自分に戸惑っています【お悩み相談室】

今回は「育児が楽しく感じられず、自分を責めてしまう」という20代のお母さんからのご相談です。
SNSでは笑顔で楽しそうな家族ばかりが目に入り、「私だけがうまくできていない」と落ち込んでしまうとのこと。
本当は楽しみたいのに、疲れやイライラが先に来てしまう気持ち、とても自然なことです。その思いに寄り添いながら、保育士が気持ちをラクにするヒントをお伝えします。
こんにちは。2歳の子どもを育てている20代の母です。
最近、育児が全然楽しく感じられなくて、そんな自分に戸惑っています。
手持ち無沙汰で、よくないと思いつつSNSを見ると、みんな笑顔で楽しそうに子どもと遊んでいて、「私だけがうまくできてないんじゃないか」とへこみます。
日々の家事と育児で精一杯で、心の余裕がなくて、子どもと過ごす時間も「頑張って向き合ってる」感じで正直つらいです。
「もっと笑ってあげたい」「本当は楽しみたい」って気持ちはあるのに、疲れとイライラのほうが勝ってしまいます。
もう少しラクに育児を感じられるようになりたいです。
(20代、女性、ハンドルネーム:smile*、職種:主婦)
最初に
ご相談ありがとうございます。
「育児が全然楽しく感じられない」という気持ちを言葉にしてくださったこと、本当に大きな一歩だと思います。
保育士としてたくさんのご家庭を見守ってきたことと、自分が子育てをしてみて心から思うことがあります。
それは、「子育ては楽しいだけが正解ではない」
ということです。
子どもと過ごす時間を楽しみたいと思っていても、実際には思うようにいかないこともありますよね。
楽しめない自分を責めてしまうかもしれませんが
わたしは決してそう思うことは悪いことではないと思いますし、ましてやお母さんの力不足などの問題ではないと思います。育児の中には「楽しめない時」「辛い時」があって当然なのです。
日常の小さな発見が“楽しさの芽”になります
怒ってばかりと反省するお母さんも、うまくいかなくて落ち込んでばかりのお母さんも
みなさんその根っこの部分には「子どもを大切に思い、一生懸命向き合っている気持ち」が必ずあるように思います。
辛くなる時はこのように考えてほしい
「楽しいと思えない」そんな気持ちを抱えながらも一生懸命に子どもと向き合っているお母さんであること。
それは「楽しくないから何もしない」「楽しめないから向き合わない」ということとは全く違っていると思います。
楽しめないと思いながらも関わろうとする、その姿勢こそが子どもにも伝わっていくと私は感じています。
育児を楽しみたい!と強く思うことがあるときは
いきなり毎日が楽しくなることではなく、「小さな発見」を繰り返すことも大事です。
・寝顔が可愛かった
・怒っちゃったけど仲直りできた
・子どもが優しくしてくれた
日々の小さいことを1日の終わりに2~3個でも振り返って探していくと
その積み重ねが楽しみを探すきっかけにもつながります。
たとえ楽しめない日々も「一緒に歩んだ証」
実は、現職時代にあるお母さんに「育児が辛い」と相談されたことがあります。
私自身、産後鬱を経験しての復帰2年目のことでした。
「楽しいと思わなくていいんですよ!こんなに一生懸命育ててくれてるんだから!」
と返したことがあります。
これって保育士としておかしいこと言っちゃったかな?
もっと何か具体的な楽しく感じられるアイディアを言えたらよかったかな?
とも思いましたが
楽しいと思わなきゃ!もっと笑わなきゃ!と思い詰めながら育児をしなくていいじゃないか。とありのままの気持ちを伝えました。
「先生ってちょっと変わってますね!今までそんなこと言われたことない!でも元気出た!」と笑顔で言われたことがあります。
その姿を見た時に、きっと多くのお母さんは「こう思っちゃいけない」「こうできないことは母失格」と思い込みながらそれでも一生懸命日々を生きているんだろうな、と感じました。
最後に
母の経験は子どもの年齢と同じだけ。
できないこともあるし、変な風に考えてしまうこともたくさんあります。
でもどんな姿であっても、その根っこには「子どもと一生懸命、向き合っている自分」が必ずいるのです。
楽しめない気持ち、そんな気持ちも含めて、お母さんの歩みは子どもにとって大切な宝物になるのだと思います。
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