不妊治療中の友達もいるかも…妊娠報告のタイミングと伝え方の工夫【お悩み相談室】

妊娠・出産
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今回は、第2子を妊娠された30代女性からのご相談です。友人への報告タイミングや方法に悩み、「安定期まで待つべき?」「産後に伝えるべき?」と迷っているとのこと。
さらに、不妊治療中の友人もいるかもしれないため、相手の気持ちを考えるとますます慎重になるそうです。

妊娠報告にまつわる繊細な気持ちに、心理士がアドバイスします。

第2子を妊娠しましたが、友人への報告タイミングと方法に悩んでいます。

もし自分が友人の立場なら、出産まで知らされなかったら寂しいと思うものの、いざ妊婦側になるとどう伝えればいいか分かりません。わざわざ「報告です」とラインで連絡するのも気が引けますし、年齢的に不妊治療中の友人もいるかもしれないのでとても慎重になります。お腹が目立ったときに自然に伝える形でもいいのかなと思いつつ、なかなか会えない友人もいて、どうしたらいいか迷っています。

安定期に入ってから報告すべきか、産まれて報告すべきか、またどのように報告すべきか、アドバイスいただけたら嬉しいです。

(30代、女性、ハンドルネーム:るるるん、職種:販売・サービス)


最初に

第2子のご妊娠、おめでとうございます。これからたくさんの生活の変化が起きると思います。
できるだけお身体を最優先にして過ごしてくださいね。



こうしてご相談くださった背景には、妊娠することが周囲にどのように影響するかわかっているからこそだと思います。
るるるんさんの誠実さや繊細さ、相手を思いやる気遣いが伝わってきました。


るるるんさんは、誰にも言えないまま時間が過ぎていくことに、どこか後ろめたさや不安があるのかもしれませんね。


「わざわざLINEで伝えるのも気が引ける」「友人が不妊治療中かもしれない」「お腹が目立つ頃まで自然に伝えるのもアリ?」「でも、なかなか会えない子には?」

――このもやもやのパレード、ちゃんと届いていますよ。
周りの方との関係を、とても大切にしておられるのですね。

妊娠報告に迷うのは「相手との関係を大切にしたいから」

「伝える」という行為は、時として「距離」や「関係性」を揺さぶるものです。
だからこそ、迷って当然ですし、誰かと一緒に考えたくなるのも自然なことです。


このお悩みの本質は、「妊娠をどう伝えるか」というテクニカルな問題だけではなく、「相手との関係性をどう育んでいきたいか」という、もっと根っこにある想いではないでしょうか。

もし「出産してから報告したら驚かせてしまうかな」「何も言われなかったのが寂しいって思われるかも」と感じるなら、その友人との関係に、あなた自身が大切にしたいものがあるということですよね。
それは「どうでもいい人」には湧かない感情です。


だから、報告のタイミングや手段を考えるときは、「相手が傷つかないように」という防御的な視点だけでなく、「私はこの人とどんな関係を続けていきたいかな?」というあなた自身の希望から発想してみると、少しだけ自由になれるかもしれません。



ちなみに、伝え方は何も“お祝いムード全開”である必要はありません。

たとえば、

> 「ちょっとドキドキしながらのご報告なんだけど……」

> 「もし気持ちがしんどかったら、今すぐじゃなくて落ち着いたときに読んでね」

こんなふうに、相手の気持ちに“逃げ道”を作りながら、控えめに共有することもできます。

不妊治療中かも?相手の状況に配慮する工夫

不妊治療中の友人がいるかもしれないと感じる場合、報告が「地雷になるのでは」と心配になるお気持ち、とてもよくわかります。
人によっては、妊娠報告で悲しい思いをする方もいますから、その可能性があれば相手の状況に配慮する工夫はするにこしたことはありません。


たとえば

相手の状態を慮る気持ちとセットで伝える
「あなたが今どんな状況か分からないから、このタイミングで伝えようか迷ったけれど…」

文面で距離感を調整する
「忙しいと思うから、返信はいらないからね」

グループLINEではなく個別で伝える
グループ内の報告は、意外と無差別爆弾になることも…。

報告のタイミングも「安定期に入ってから」が無難な選択肢ですが、関係性の深さによっては「お腹が目立つ前に直接伝えたい」「会えなければせめてLINEで一言」という柔軟な対応もありです。

最後に

報告のあと、もし相手が沈黙してしまったとしても、それはあなたへの否定ではありません
驚きや嫉妬、複雑な感情に一時的に支配されることは、人間関係の中ではよくあることです。
そうなったとしても、自分を責めなくて良いと思いますよ

<本記事の回答者>

戸田さやか

公認心理師/臨床心理士/生殖心理カウンセラー/がん・生殖医療専門心理士/ブリーフセラピストシニア

所属:株式会社ファミワン

「妊活や性の悩み、子育てや働き方のことまで、「誰に相談していいかわからない」テーマも歓迎しています。どんな内容でも大丈夫。安心してご相談ください。臨床心理学の確かな知識と技術を活かし、原因探しや悪者探しではなく、あなたにとってのゴールを発見するお手伝いをさせてください。」


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