PMSがいつから来るかわからず不安…涙が止まらない日々の対処法【お悩み相談室】

生理・PMS
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今回は、生理不順とPMSの情緒不安定に悩む20代女性からのご相談です。突然涙が出たり、人と話すのもつらくなるなど、日常生活に支障が出ているとのこと。

PMSとの付き合い方や、生活面・医療面でできる工夫について、心理士がアドバイスします。

生理前のPMSがひどくて困っています。もともと生理周期が不安定なのですが、先月は特に症状が重く、イライラよりも情緒が不安定になり、人と話すのもつらく、理由もなく涙が出る状態が生理の3日前から続きました。仕事中も突然涙が出てきてトイレに駆け込み気持ちを抑えることに必死…日常生活にも支障が出ていてつらいです。

ピルで改善できると聞きますが、副作用が心配で踏み出せません。
生理不順なのでPMSがいつ始まるかも予測も対策もできないことが一番つらいです。
ネガティブな気持ちに飲み込まれるのが怖く、自分が自分じゃないみたいに思えることも嫌で…こんな状態とうまく向き合うにはどうしたらいいでしょうか。

(20代、女性、ハンドルネーム:れん、職種:事務・オフィスワーク)


最初に

「突然涙が出て止まらない」「自分が自分じゃないみたい」

そんなふうに感じながら、職場のトイレで必死に気持ちを抑えていたあなたの姿を想像すると、胸がぎゅっと締めつけられます。


PMSのつらさって、外からは見えにくいし、周期的にやってくるせいで、周囲からも「またか」みたいに扱われることがあるんですよね
しかも、今回は“イライラ”ではなく“情緒不安定”。
理由もないのに涙が出たり、妙に寂しくなったり。
感情がどこまでも落ちていくような感覚、本当にしんどかったと思います。


そしてあなたは、生理周期も安定していない。
いつその“波”がやってくるのかも予測がつかず、気づいたときにはもう飲み込まれている。
そんな中で毎日をこなしていること自体が、すごいことです。


ピルで改善できるかもしれないけれど、副作用が怖くて手が出せない――その迷いもよくわかります。
体調に影響することだから、慎重になって当然です。



「何を選んでも正解がわからない」「全部怖い」そんな状態の中で、「どうしたらいいんだろう」と悩むあなた。

とても真面目で、自分にも周囲にも丁寧な人なんだろうなと感じました。

PMSは「うまく付き合う」視点も大切

PMSがつらいとき、多くの人は「これを治さなきゃ」と思います。
でも実は、「この状態を100%なくす」よりも「この状態とうまくやっていく」方向にシフトしてみるのも、一つの方法なんです。

たとえば…

「もしかして、今わたしPMS?」と気づく感度を上げておくこと

・つらい時期に“がんばらないでいい自分ルール”をあらかじめ決めておくこと

予定を詰めすぎない・人と会わなくてもいい日を意図的につくっておくこと

・気持ちが落ちたときに「これをやればちょっとマシ」というものを見つけておくこと(ひとりカラオケ、湯船、猫動画…何でもOK)


これらは「根本解決」ではないけれど、“PMSで壊れる前に自分を守る”手立てになります。
「予測できないからこそ、備えておく」――まるで気まぐれな嵐との共存のようですが、意外とこれが効くのです。

多くの女性が抱えるPMSの対処法とは

PMS(月経前症候群)は、排卵後から月経開始までの間に起こる、精神的・身体的な不調のこと
20代〜30代の女性の多くが何らかの形で経験しており、中でも「涙もろくなる」「人と話すのがしんどい」「自分を責めてしまう」といった情緒面の症状はとても一般的です。

ただ、PMSには個人差が大きく、症状の重さやパターンも人それぞれ。
そして、生理不順があると「次はいつ来るのか」が読めず、対応も難しくなります。

そこで、以下のような対処法があります。

1.生活習慣の見直し

規則正しい睡眠、栄養バランスの良い食事、軽い運動などは、自律神経を整える助けになります。

2.基礎体温やPMSアプリで“予測のヒント”を持つ

不規則でも、「このへんが怪しい」と把握できると、少し心の備えができます。

3.ピルや漢方などの医学的アプローチも視野に入れる

ホルモンバランスを安定させる低用量ピルは、PMSやPMDD(月経前不快気分障害)の治療にも使われています。
副作用が心配な場合は、医師と十分に相談しながら、合うものを探していくことができます。

4.精神面のサポート

落ち込みが強く、「自分が消えてしまいそう」と感じるような場合は、カウンセリングやメンタルクリニックの利用も検討してみてください。
ひとりで抱えすぎなくていいんです

最後に

自分を責める必要はありません
PMSは“気の持ちよう”ではないし、“甘え”でもありません

あなたは、自分の心と身体を守ろうとしている、まっとうで賢明な人です。
このメッセージで、少しでもあなたの気持ちが楽になっていたら嬉しいです。

<本記事の回答者>

戸田さやか

公認心理師/臨床心理士/生殖心理カウンセラー/がん・生殖医療専門心理士/ブリーフセラピストシニア

所属:株式会社ファミワン

「妊活や性の悩み、子育てや働き方のことまで、「誰に相談していいかわからない」テーマも歓迎しています。どんな内容でも大丈夫。安心してご相談ください。臨床心理学の確かな知識と技術を活かし、原因探しや悪者探しではなく、あなたにとってのゴールを発見するお手伝いをさせてください。」


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