妊活中、生理がくるたび涙…落ち込みと向き合う方法とは【お悩み相談室】

妊活・不妊
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今回は「妊活を続けているけれど、生理がくるたびに落ち込み、毎月泣いてしまう」という30代女性からのご相談です。

期待と失望を繰り返すなかで、自分を責めたりパートナーに申し訳なく思ったり…。
そのつらさを少しでも和らげるための心の持ち方について臨床心理士がアドバイスします。

妊活を始めてから毎月前向きに頑張っているつもりなのですが、生理がくるたびにやっぱり落ち込んでしまいます。「今回はもしかして」と思う気持ちがある分、リセットされたときの気持ちのやり場がなくて…。
同じように妊活中の方は、生理がきたときの気持ちをどうやって受け止めてきたんだろう、私には無理かもしれないと毎日考えてしまいます。
生理が来たら一気に気分が下がって毎月泣いてしまい、夫は話を最後まで聞いてくれて励ましてくれますが、申し訳ない気持ちでいっぱいです。
夫も子どもを欲しがっているので、夫も気持ちが落ちているかもしれないのに私のケアばかりしてくれて、私は夫に何もできていなくて、それもつらい…気持ちを切り替えるコツや、自分を励ます方法があれば教えていただきたいです。

(30代、女性、ハンドルネーム:のん、職種:事務・オフィスワーク)


最初に

「今回はもしかして」と期待した分、「リセットされました」の通知を受けた時の絶望感。
それは、ただの“がっかり”では済まされない、もっと強烈な痛みだったりしますよね。

あなたはその痛みに向き合って、これまでがんばってこられたのですね。
誰にでもなかなかできることではありません。

だって、何度も希望を持って、傷ついて、それでもまた立ち上がろうとしてきたんですよね?
それって、ものすごく強いことじゃないですか。


泣いてしまう日があって当然です。
むしろ泣けるってことは、それだけ本気で向き合ってる証拠

「泣いてる自分がまたイヤになる」という気持ちもわかります。
でもね、そんな自分すらも受け入れてあげるところから、少しずつ心の回復が始まるんです。


そして、あなたの隣で「話を最後まで聞いて、励ましてくれる夫さん」がいるという事実に、温かい気持ちになりました。

あなたが「私ばっかりケアしてもらって申し訳ない」と思っているように、もしかすると彼も「何もできなくてごめん」と思っているかもしれません。


夫婦って不思議なもので、どちらかが折れてるときに、もう一方が自然と支えになっていること、結構あるんです。
交互にガタつく、それでいいんです

落ち込んで当然。心の避難場所を用意して

「生理がくるたびに落ち込む自分がイヤ」って思いますよね。

でも、人間って「落ち込まないようにしよう」と思えば思うほど、余計に気持ちが沈んだりするんですよね。

“落ち込み禁止令”を出すことで、更に「落ち込み」を意識しているのですから。

例えば、「スピーチでかんじゃいけない」と思えば思うほど、意識しすぎてかんでしまいませんか?
「〇〇禁止」って、難易度が高いルールなんです。


だったら、発想をちょっと変えてみませんか。

落ち込むことを前提にした“自分なりの儀式”を作ってみるんです。



たとえば…

・生理がきた日は、「今日はもう何もしませんデー」としてUber Eats解禁

落ち込み用の“専用スイーツ”を冷凍庫にスタンバイ

・推しの配信を見る or 推しの映像作品を浴びるように見る

・あえて「泣いてもOK」と思える音楽や映画を流して、涙の排出作業をする


落ち込みそうなタイミングをあらかじめ見越して「心の避難場所」を作っておくと、ちょっとだけ気分の落差が和らぎます。


また、もしよければパートナーさんにも「あなたがいてくれてありがたい」と伝えてみてください。


「支えてもらって申し訳ない」ではなく、「あなたの存在にすごく助けられてる」って。
ケアする側も、感謝の言葉一つで「これで良かったんだ」って安心できるんですよ。

妊活ストレスを“自分を否定しない”形で受け止める

心理学的には、希望と失望を繰り返すことは大きなストレス要因になります。
特に妊活における“月に一度のチャンス”というサイクルは、期待と喪失の波を定期的に繰り返すことになり、心の回復が追いつきにくくなるのです。

そのため、落ち込むこと自体は極めて自然な反応。
大切なのは、その落ち込みが“自分を否定する材料”にならないようにすることです。


具体的には、

自分を責める言葉を「自分がよくがんばってる証拠だ」と言い換える

・SNSなど、無意識に他人と比べてしまうものを一時的にシャットアウト

“今日一日で完了する小さなこと”に意識を向ける(例:散歩、洗濯、花を飾る)


また、パートナーと一緒に「生理が来た日にやるルール」を作るのもおすすめです。

「この日はお寿司を食べる」「夜はノー家事」など、少しでも“回復イベント”を用意しておくと、落ち込みを受け止めるクッションになります。

最後に

何より、あなたの涙は「傷ついてもまだ希望を捨てていない」証

あなたは、本当によくがんばっていますよ。

<本記事の回答者>

戸田さやか

公認心理師/臨床心理士/生殖心理カウンセラー/がん・生殖医療専門心理士/ブリーフセラピストシニア

所属:株式会社ファミワン

「妊活や性の悩み、子育てや働き方のことまで、「誰に相談していいかわからない」テーマも歓迎しています。どんな内容でも大丈夫。安心してご相談ください。臨床心理学の確かな知識と技術を活かし、原因探しや悪者探しではなく、あなたにとってのゴールを発見するお手伝いをさせてください。」


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