毎日の食事準備に気力が湧かない…育児と家事の両立のコツは?【お悩み相談室】

子育て
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今回は、育児と家事の両立に悩む30代女性からのご相談です。特に料理をする気力が湧かず、惣菜やレトルトに頼ってしまう自分に焦っているようです。

産婦人科医や助産師との向き合い方、そして負担を減らしつつ体重管理を続ける方法について管理栄養士がお答えします。

最近、疲れがたまりすぎて育児と家事の両立ができず、ご飯が作れない日が増えています。子どもがまだ2歳で、昼間はずっと付きっきり。なかなか寝なくてやっと寝かしつけても、自分も一緒に眠ってしまい、気づけば夕食の時間が過ぎていることもあります。

夫は帰りが遅く、平日の夕食づくりはほぼ私の役目。冷蔵庫を開けても、何を作るか考える気力が出ないまま、惣菜やレトルトに頼る日が続くと、「ちゃんと栄養をとらせなきゃ」という焦りと罪悪感でいっぱいになります。

これまでに作り置きやミールキットも試しましたが、調理や片付けの手間すらしんどい日もあり、続きませんでした。世のお母さんたちはどうやって乗り切っているのか、割り切り方や現実的な工夫を知りたいです。

(30代、女性、ハンドルネーム:ほのかもん、職種:主婦)


最初に

ご相談いただきありがとうございます。

小さな子どもは昼も夜も目が離せず、自分の時間がほとんど取れない日々。
ようやく寝かしつけたと思ったら、自分も一緒に眠ってしまって夕食どころではない。
これは決して珍しいことではなく、多くのお母さんが経験することです。

でも、スーパーの惣菜やレトルトに頼ると「栄養が足りていないのでは」と罪悪感が出てしまう。その気持ち、とてもよく分かります。
今日は、そんなときに少しラクになれる“割り切り方”と“簡単にできる工夫”についてお伝えします。

市販のお惣菜やレトルトも“立派な選択肢”

まずお伝えしたいのは、市販のお惣菜やレトルトも、現代の食品は栄養バランスを考えて作られているということ。

例えばコンビニ弁当やスーパーの惣菜でも、主菜(肉や魚)と副菜(野菜)を組み合わせれば十分にバランスがとれます。
「全部を自分で作らなければ」という思い込みを、少し緩めてみてください。

「今日はスーパーに頼んだ」も立派な選択。
大事なのは、毎日の“積み重ね全体”で見てあげることです。

栄養価をアップさせる工夫

① 惣菜+αで整える

  • 唐揚げや焼き魚に ミニトマト・カット野菜・冷凍ブロッコリーを添える
  • レトルトカレーに ゆで卵やチーズを足す
  • 惣菜うどんに 冷凍枝豆や納豆をプラス

“ちょい足し”で栄養価はぐっと上がります。

② 常備するとラクな食品

  • 冷凍野菜(ブロッコリー、かぼちゃ、カットほうれん草)
  • 缶詰(ツナ缶、サバ缶、大豆水煮)
  • 個包装のチーズ、ヨーグルト

調理せずそのまま食べられるものを常備すると、「作れない日」も安心。

③ 子どもにはシンプルで十分

2歳前後の子どもは「少量ずつ、いろんな種類」を食べるのが理想ですが、無理な日はおにぎり+味噌汁+卵焼き など簡単でOK。

「ちゃんと栄養を…」と頑張りすぎず、“食べられること”を一番に考えて大丈夫です。

「割り切り」も立派な自己ケア

毎日完璧な手作りを続けられる人はいません。
むしろ、お母さんの心と体を守ることが、子どもにとって一番の栄養です。

  • 「今日はレトルトでいい」
  • 「作る気力があるときだけ料理する」
  • 「週末に1〜2品だけ作り置きして、あとは惣菜に頼る」

こうした割り切りができると、心がラクになります。
「頑張れない日がある=ダメな母親」では決してありません。

実は多くのお母さんも手を抜いている

よくSNSや雑誌で見る「手作りご飯」は一部であって、実際には多くのお母さんたちが惣菜や冷凍食品を活用しています。

  • 「子どもには冷凍うどんとバナナで済ませた日もある」
  • 「夫の帰りが遅い日は、おにぎりと納豆だけ」

そんな声は珍しくありません。
“みんな工夫しながら手を抜いている”のが現実です。
だから、ほのかもんさんも安心して手を抜いていいのです。

最後に

  • 惣菜やレトルトも上手に組み合わせれば立派なごはん。
  • 冷凍野菜や缶詰、卵やチーズなど“ちょい足し”で栄養を補える。
  • 子どもにはシンプルなメニューでも十分。
  • 母親の心と体を守ることが、家族全体の健康につながる。

「ご飯を作れない日があっても大丈夫」という、その安心を持てることが、毎日の笑顔につながります。
どうか、ご自身を責めすぎずに、少しずつ“ラクな工夫”を取り入れてみてくださいね。

<参考文献・出典>

厚生労働省
▶授乳・離乳の支援ガイド:https://www.mhlw.go.jp/content/11908000/000488140.pdf

農林水産省
▶日本小児栄養消化器肝臓学会の取り組み:https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/zissen_navi/schools/effort4.html

<本記事の回答者>

山本瑠美

管理栄養士

所属:株式会社ファミワン

保育園、老人ホーム、病院での勤務経験を活かし、0歳~高齢者の食を支援しています。食事は「生きる土台」、大切さはわかっていても、乱れたり習慣を変えることが難しい場合も。まずは完璧を目指すのではなく、個人の嗜好やライフスタイルに合わせた提案を心がけています。食べることや栄養の大切さを、わかりやすく楽しくお伝えします。


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