更年期外来では何をする?検査内容と受診の流れ【お悩み相談室】
今回は、更年期の心身の不調が重なり、外来受診を考え始めた50代の女性からのご相談です。
ホットフラッシュやめまい、気分の落ち込みが続き「このままでは日常生活がつらい」と感じているとのことでした。
更年期の基礎知識や更年期外来で行われる検査内容や受診の流れ、費用の目安について、保健師がアドバイスします。
50代に突入してから、心身の不調が重なってきて本当にしんどいです。ホットフラッシュやめまいに加えて気分の急降下もあり、自分が自分じゃなくなった感じがします。
昔から健康オタクで食事は意識していましたし、アクアビクスが好きで運動も習慣化しています。人生楽しく過ごすために、健康には人一倍意識して過ごしていたのでショックが大きいです。
病院にご厄介になってこなかったのが誇らしくも感じていたのですが、さすがに外来を受診したほうがいいのかと考えています。
受診を検討するにあたって、どんな検査をするのか、費用はどれくらいかかるのか、具体的な流れを教えていただけますか。
(50代、女性、ハンドルネーム:カナリア、職種:事務・オフィスワーク)
最初に
カナリアさん ご相談ありがとうございます。
健康には人一倍意識して食事や運動にも取り組んでこられ、健康であることを誇らしく思われていた中で、心身の不調が重なり、しんどい状況なのですね。
そのような状況の中で、病院受診を検討され、どんな診療が行われるのか気になられたのですね。
今回はホットフラッシュやめまい、抑うつなどの更年期症状と、更年期症状の診察についてお伝えし、カナリアさんがより具体的に病院受診について検討できるようになれば幸いです。
更年期に起こる心身の変化と、その背景にある要因
日本では閉経前の5年間と閉経後の5年間を合わせた10年間を女性の更年期といい、様々な症状が現れますが、
何らかの病気による症状ではないものを更年期症状、
その中で特に症状が重く日常生活に支障をきたすような状態を更年期障害といいます。
日本人女性が閉経する平均年齢は50歳前後といわれていますが、その時期は人それぞれ違いますので、更年期の時期も異なります。
更年期症状は、女性ホルモンであるエストロゲンが大きく揺らぎながら低下していくことが主な原因とされますが、
加齢によるからだの変化や家庭や職場など社会文化的な環境要因や精神的・心理的な要因など色々な要因が複合的に影響していると考えられています。
そのため、まず問診を行い、丁寧にご本人の訴えや状況をお聞きし、これらの要因を包括的に評価していきます。
その際、下記の【表1】・【表2】のような評価表を用いる場合もあります。
多岐にわたる更年期症状。他の病気の可能性も確認を
更年期症状としては、
ホットフラッシュや発汗など血管運動神経症状、頭痛やめまい、耳鳴りなどの頭の症状、イライラ・抑うつ気分・意欲の低下などの精神神経症状、
身体のだるさや疲れやすさなどの全身症状、
その他、消化器系・末梢神経系・泌尿器/生殖器系・呼吸循環器系・運動器系・皮膚症状など様々あり、
どのような症状がでるか、またその程度も人それぞれ違います。
しかし、これらの症状は、更年期症状以外にも、甲状腺機能異常、うつ病、貧血、肝機能障害、メニエール病、脳腫瘍などの疾患でも起こり得るものです。
そのため、症状の原因となる疾患がないことを確認していくことも重要です。
病院ではどんな検査をする?受診の流れと費用の目安
貧血については、眼瞼結膜の確認や血液検査で、
また更年期が好発年齢となっている甲状腺疾患については、甲状腺腫大の有無を触診・超音波検査などで調べ、甲状腺刺激ホルモン(TSH)を血液検査で測定し、甲状腺機能評価を行う場合があります。
精神・心理的な要因、社会文化的な環境因子については、しっかりとお話をうかがい、状況を理解できるよう努め、場合によってはカウンセリングや認知行動療法など心理療法を取り入れることもあります。
実際に、どこまで検査するかは、カナリアさんが受診される病院の医師の判断によりますが、保険診療の場合は、3割負担で1~2万円ぐらいになると思います。
また、検査や治療の中には自由診療に該当するものもあります。
しかし、提案された検査を強制されるわけではなく、ご不安な場合は検査費用を確認された上で検査を受けることが可能ですので、遠慮なくご相談されたら良いと思います。
最後に
今は心身の症状がしんどいと思いますが、今回ご相談くださったことをきっかけに、カナリアさんが捉える「本来の自分」に近づけるよう願っています。
以下の「日本人女性の更年期症状評価表(表1)」は、更年期症状の適切な把握を含め、ホルモン補充療法をはじめとする多くの治療法の効果判定に用いることがあります。
表1.日本人女性の更年期症状評価表

簡略更年期指数(Simplified Menopausal Index : SMIスコア)(表2)は、更年期症状の程度を評価するためのスケールです。
心身の症状に関する10個の質問項目について、患者さん自身で症状の程度を「強・中・弱・無」のいずれかで回答します。
次の症状の程度に応じて、自分で〇をつけ、その点数を元にして合計点で治療方針を考えます。
強:毎日のように出現
中:毎週みられる
弱:症状として強くはないがある
と考えてください。
表2.簡略更年期指数(SMIスコア)

簡略更年期指数の自己採点評価法

日本人女性の更年期症状評価表,日本產科婦人科学会 生殖,内分泌委員会報告
<参考文献・出典>
公益社団法人 日本産婦人科学会
▶更年期障害について:https://www.jsog.or.jp/citizen/5717/
一般社団法人 日本女性医学学会
▶よくある女性の病気【更年期女性に認められる症状】:https://www.jmwh.jp/n-yokuaru.html
公益社団法人 日本産科婦人科学会 生殖・内分泌委員会
▶「更年期・老年期スコアの確立とHRT副作用調査小委員会」報告 -日本人女性の更年期症状評価表の作成- 日産婦誌, 53(5)883-888, 2001:https://fa.kyorin.co.jp/jsog/readPDF.php?file=to63/53/5/KJ00003212957.pdf
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