妊活中の筋トレやランニングなどの運動習慣、どこまでOK?【お悩み相談室】

妊活・不妊
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今回は、妊活中でも筋トレやランニングを続けてよいのか迷っている30代の女性からのご相談です。
激しい運動がホルモンバランスに影響しないか不安な一方、気分転換や体力づくりのためにも運動は続けたいとのことでした。

妊活中に安心して行える運動の目安や避けたい強度について、不妊カウンセラーでもある看護師がアドバイスします。

妊活中でも筋トレを続けて大丈夫ですか?
身体を絞って自信がついて以来、毎日ジムでウェイトトレーニングと有酸素運動に走ってます。

ただ妊活を意識してからは、ハードにやりすぎるとホルモンバランスに影響が出るのかなと不安になってます。周りからも「激しい運動は控えた方がいいよ」と言われるのですが、どこまでが“ちょうどいい”のか分からずモヤモヤしてます。

私の気分転換や体力づくり、出産後に早く元の体型に戻すためにも筋トレは続けたいです。
妊活中でも安心してできる運動の目安や、逆に避けた方がいい筋トレメニューがあれば知りたいです。

(30代、女性、ハンドルネーム:ナツハル、職種:クリエイティブ)


最初に

ナツハルさん、ご相談ありがとうございます。

毎日ジムでウエイトトレーニングと有酸素運動を続けていらっしゃるのですね。

とても健康的な習慣で素晴らしいと思いました。

コツコツ続けることや体形の変化は自信にもつながりますし、
何より汗を流すと気持ちがよいですね。

ストレス解消にもなっているのではないでしょうか。

今回は妊活中でも安心してできる運動の目安や、避けた方が良い筋トレメニューについてのご相談ですね。

運動習慣は味方。ただし“激しすぎる”は逆効果になることも

まず、運動習慣と妊娠率の関係を調べた研究では、

週に5時間以上穏やかな運動をする女性は、週に1時間以下の運動をしている女性に比べ妊娠率が高いと言われています。

同様の研究の中で、週に5時間以上の激しい運動をする女性は、

全く運動しない女性に比べて妊娠率が低くなるという結果も同時に出ています(※1)。


この研究から、運動習慣自体があること自体はとても良いことなので、

ぜひ続けていっていただきたいなと思いました。

しかし週に5時間以上の激しい運動は妊娠率を下げるという結果もありますので、

運動がお好きな方はこちらの結果にもぜひ注目していただきたいです。


過度な運動により身体を維持するためのエネルギーが足りない状況になると、

ホルモンの分泌量が低下して生理不順や無月経になってしまうことがあります(※2)。

排卵がうまく起こらなければ妊娠にはつながらないので、

身体の負担になってしまうような激しい運動は避けていく必要がありますね。

どこからが“激しい運動”?妊活中に避けたい強度とは

では、どこからが激しい運動なのでしょうか。

ここがナツハルさん自身が気になっているポイントだと思います。

しかし、激しい運動についての定義付けは難しく、この程度の強度のある運動はすすめないといった指標や

根拠のある情報は残念ながら見つけられませんでした

先ほどの妊活中の運動に関する研究では

激しい運動として「ランニング、スピードを意識したサイクリング、エアロビクス、水泳」が

穏やかな運動としては「早歩き、サイクリング、ゴルフ、ガーデニング」が例として挙げられていました(※3)。



ナツハルさんは有酸素運動として走っていらっしゃるとのことなので、ランニングはやめて

この研究で例として挙げられているような穏やかな運動の種類に切り替えていくと

妊活に対し悪影響となることなく、体を動かすことができるのではないでしょうか。



ウエイトトレーニングに関しても、妊活に関連した指標はありませんでした。

妊活や不妊治療の分野はまだまだ明らかになっていないことも多いので、

今後妊活とウエイトトレーニングに関連した研究結果が出てくるのかもしれません。

しかし現時点では、妊活中にウエイトトレーニングをすることは

問題視されている訳ではないので続けていただいて良いと思います。

当たり前のことになりますが、けがをしないよう安全に行うこと、

体調不良の際には無理をしないことを意識して行ってくださいね。

運動強度の見極め材料になるBMI

また、ご自身のBMIで考えるのも良い視点かと思いました。

BMIとは体格を表す指標として国際的に用いられている指数で、[体重(kg)]÷[身長(m)の2乗]で求められます。

計算方法は世界共通ですが肥満の判定基準は国によって異なり、

日本の基準では「BMI25以上を肥満、18.5未満は低体重(やせ)」としています(※4)。


肥満もやせも不妊や妊娠・出産の際のリスクが上がり、

BMIが20~24が最も排卵障害性の不妊のリスクが低いと言われています(※5)。


BMI20~24を1つの目標にすること、BMIが18.5以下にならないように気を付けていくことも

どのような運動をする際の判断材料になるのではないでしょうか。

最後に

運動の習慣があること自体はとても素晴らしいことですし、ぜひ続けていっていただきたいと思います。

体重を落とそう、やせよう、という意識でアスリートのように一生懸命になるのではなく

バランスのよい食事をきちんととり、楽しみながら取り組んでいってくださいね。


<参考文献・出典>※以下の文献を参考にしています

NCBI(米国国立生物工学情報センター)
▶身体活動と妊娠までの時間に関する前向きコホート研究:https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC3340509/※1※3

公益社団法人 日本産科婦人科医会
▶不妊治療前に気をつけておくこと:不妊治療前に気をつけておくこと※1

公益社団法人 日本産科婦人科学会
▶部活や運動を頑張って月経が不順になってしまった…、このままでいいの?:https://www.jsog.or.jp/activity/pdf/whc202411-2.pdf※2

厚生労働省「健康日本21アクション支援システム」
▶健康用語辞典 BMI:https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/dictionary/metabolic/ym-002※4

国立研究開発法人 国立成育医療研究センター
▶プレコンノート -Action1 いまの自分を知ろう! -適正体重:https://www.ncchd.go.jp/hospital/about/section/preconception/preconnote/action/action1.html※5

 

<本記事の回答者>

小澤彩加

看護師/不妊カウンセラー

所属:株式会社ファミワン

神奈川県の不妊治療専門クリニックに勤務。妊活や不妊治療、女性特有の身体のお悩みなど、分かりやすく伝えることを大切にしています。現在不妊治療に励んでいる人だけでなく、子供を持たない選択をした人も迷っている人も、これから向き合っていく人も応援していきたいと思っています。ぜひお気軽にご相談くださいね。


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