「地味に、丁寧に、安心・安全に」地域の女性を守り、産婦人科をもっと気軽に相談できる場所へ【医師 杉崎 聰一】

生理・PMS
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不調はひとりで抱え込まず1日も早くご来院ください
杉崎クリニック 杉崎 聰一

杉崎 聰一

杉崎クリニック 院長

産婦人科医

2003年帝京大学医学部卒。大学病院や日立総合病院瀬戸病院浅間総合病院など各地の医療機関で研鑽を積む。2016年、杉崎クリニックを継承し院長に就任。地域医療に根差し、女性のQOL向上のため、検査や治療に留まらず予防医療にも注力している。女性自らが特有の病気への理解を深め、健やかな日々を過ごせるよう、一人ひとりに寄り添った医療と多角的なサポートの提供に努めている。

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医療啓蒙を通じて社会に貢献 ─ 地域の女性の健康を守る産婦人科として、時代に合わせた医療を提供

── 医師となった経緯や、ご実家のクリニックを継承された背景についてお聞かせください

もともと、患者さんの治療はもちろんですが、医療啓蒙を通じて社会に貢献したいという思いがあり、医師を目指しました。

2016年に父が営んでいたクリニックを継承しましたが、それまでは各地域の総合病院で臨床医療を中心に研鑽を積んできました。以前勤務していた病院はいわゆる総合病院でしたので、どちらかといえば重症度の高い患者さんを診る機会が多かったですね。

当院はもともと、お産を扱う産院として地域に親しまれてきました。しかし、現在は時代の流れによるお産事情の変化や、少子高齢化という背景もあり、分娩の取り扱いは休止しています。継承を機に、産院から外来診療に特化したクリニックへと舵を切りました。

現在は「予防医学」を一つの柱に据えています。女性の社会進出が進む一方で、晩婚化や高齢妊娠が増え、それに伴い不妊症や月経周期のトラブルに悩む女性も多くなっています。閉経前後の更年期障害も含め、幅広い年齢層の女性が安心して人生を送れるよう、適切な医療を提供することを目指しています。

杉崎クリニック(千葉県野田市)
https://www.sugisaki-cl.or.jp/

── クリニックを受診される方は、どのようなお悩みを持たれているのでしょうか

産婦人科と小児科も扱っていますので、本当に幅広い年齢層の方が受診されます。

下は0歳のお子さんの小児健診や予防接種から、上は90代の方の骨盤臓器脱(子宮脱)の治療まで、女性の全ライフステージをカバーしています。

たとえば若年層には、将来の健康を守るための子宮頸癌検診やHPVワクチンの啓蒙、生理痛やPMS、性感染症の検査・治療。結婚適齢期の女性には子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣嚢腫といった疾患の管理や一般不妊治療。壮年期の方には更年期障害に対するホルモン療法、そして老年期には癌検診に加え、ホルモン低下による骨粗しょう症や萎縮性膣炎の治療などを行っています。

また、産婦人科医として「初潮」に関する相談にも丁寧に対応しています。初めてのことに戸惑う親御さんとお子さんの気持ちに寄り添い、不安を和らげるサポートを大切にしています。

── 患者さんの傾向やご相談内容について、以前と比べて変化を感じることはありますか

最近は月経にまつわる悩み、症状に加え、不妊症のご相談がかなり増えていますね。女性の社会進出が進み、出産年齢が上がっていることなどが背景にあるのではないでしょうか。当院では基本的な検査から、タイミング法等の一般的な不妊治療まで対応しています。

また、低用量ピルについて、生活の質を上げるための選択肢として利用したいと相談に来られる方が、以前に比べ格段に増えたと実感しています。

治療だけではなく、予防医療やセルフケアに注力 運動・睡眠・食事 生活習慣の改善をアドバイス

── 診療の際に、特に心がけていることはありますか

極力、患者さんの心配事に共感することです。同じ病名であっても、一人ひとり治療法が同じとは限りません。その方のライフスタイルやバックグラウンドを考慮した治療を心がけています。

私は男性医師ですので、女性特有の不調やそのつらさに完全に共感はできませんが、女性にとって産婦人科を受診することがどれほどセンシティブなことかは常に意識しています。

羞恥心や心理的な抵抗感があるのは当然です。その垣根があるせいで受診が遅れ、病気が重症化してしまうのが一番悲しいことです。だからこそ、まずは「気軽に相談に行ける場所」であることを大切にしています。

また、少し前までは「生理痛くらいで…」と考える人もいたかもしれませんが、今は女性も社会の第一線で働く時代です。生理痛は我慢すべきものではなく、立派なストレス要因となります。我慢しなくていいんですよ、ということを認識していただけるような話し方を心がけています。

── 治療だけでなく、生活習慣(運動・睡眠・食事)の改善も重視されているとお伺いしました

よく患者さんにお伝えするのは、ピルなどはあくまで「補助輪」だということです。薬を出して終わりではなく、まずは規則正しい生活を取り入れ、土台を作るべきだとお話ししています。逆に言えば、生活が整うことで症状が改善されれば、必ずしも薬に頼り続ける必要はないわけです。

今の患者さんは、働きすぎだったり、食事が疎かになって痩せすぎていたりと、どこか不健全な状態にある方が多いと感じます。運動不足や睡眠不足、栄養の偏りは、ホルモンバランスに直結しますから、生活を整えるサポートも重要だと考えています。

── アドバイスの中で「セロトニン産出」や「ビタミン摂取」の話もされるそうですね

はい。セロトニンはいわゆる「幸せホルモン」と呼ばれ、不足するとイライラや慢性的なストレス、不眠、うつ症状のリスクを高めるといわれています。セロトニンを作るには、日光を浴びることや、適度な運動、食事を含めた生活の改善が不可欠です。

脳は体に対する司令塔ですから、生活習慣を整えて脳の機能が改善すれば、司令塔である脳から各臓器、つまり卵巣の機能や月経周期の改善にも繋がっていくはずです。

ビタミン摂取も同様です。理想は普段の食事からバランスよく摂ることですが、特にビタミンDは現代女性の9割が不足していると言われています。ビタミンDの不足は免疫力の低下やホルモン不調を招くという論文も多く出ていますので、意識的な摂取をおすすめしています。

「地味に、丁寧に、安心・安全に」 気軽に受診できる環境づくりで地域の医療を守る

── 最後に、読者の方へメッセージをお願いします

当院のモットーは「地味に、丁寧に、安心・安全に」です。

この「地味に」という言葉には、地域の医療を「地道に」担うという意味も込めています。有名な大規模クリニックのような華やかさはありませんが、その分、地域の皆さんが気負わずに来られるような「ハードルの低さ」を大切にしています。

予約制にしていないのも、困った時にいつでも受診できるように、という思いからです。地域医療を守るために、患者難民を一人も出さない。それが私の使命だと思っています。

産婦人科特有の羞恥心から、受診を迷われる方もいらっしゃるかもしれません。病気になる前の予防や啓蒙も私たちの役目です。セカンドオピニオンを含め、どんな心配事でも気兼ねなく、気軽な気持ちで扉を叩いていただければと思います。

日々身体を動かすことでリフレッシュ

── 先生ご自身のリフレッシュ方法を教えてください

私自身も、患者さんに勧めている通り「運動」と「散歩」を大切にしています。

週に1回まとめてやるのではなく、毎日少しずつでも継続することを意識しています。特に朝、外に出て太陽の光を浴びながら体を動かす時間は、一日を健康に過ごすために欠かせない習慣ですね。

(2026年1月)


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