冬出産の入院準備は万全…のはずが「馬油も必要?」と焦っています。助産師さんが考えるあったらよさそうグッズを教えて【助産師監修:お悩み相談室】

妊娠・出産
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今回は、真冬に出産予定で入院準備を終えたものの、友人から「乳首の乾燥対策に馬油が必要」と聞き、リストにないアイテムに焦りを感じている30代女性からのご相談です。
基本の準備以外で、実際にあると助かる見落としがちなアイテムや、産後の見通しを知りたいと望んでいらっしゃいます。

冬の乾燥と頻回授乳が重なる乳頭トラブルとそのケア方法をはじめ、ベッド周りで重宝する延長コードや片手で飲めるストローなど、入院生活の快適度を上げるアイデアを助産師がアドバイスします。

真冬に出産予定で、入院準備を少しずつ進めているところです。
荷物もひとまとめにして、ようやく安心していたのですが、久しぶりに会った友達に「母乳予定なら馬油とか乳首に塗るものもあった方がいいよ」と言われてびっくりしました。
理由を聞いたら、乾燥で乳首が割れてすごく痛かったとのこと。
そんな話初めて聞いたし、出産準備リストにも載っていなかったので、「そういうのも必要なんだ!」と焦っています。

基本準備以外のもので、実際にあると助かるものや、見落とされがちな準備アイテムがあれば教えてほしいです。

(30代、女性、ハンドルネーム:カラフルマグ、職種:主婦)


最初に

カラフルマグさん ご相談ありがとうございます。

真冬のご出産を控えながら、少しずつ入院準備を整えてこられたのですね。
荷物もまとまり「これでひと安心」と思っていたところに、思いがけないアドバイスを聞くと、「えっ、まだ準備が必要なの?」と焦ってしまいますよね。

今回は産後の乳頭(乳首)管理やあると便利な準備品についてお伝えし、出産準備に対する不安が少しでも和らげば幸いです。

出産準備リストが揃っていれば基本的にはOK

まずお伝えしたいのは、今の時点で出産準備リストに載っている基本的なものがそろっていれば、なくてとっても困る、という状況にはほとんど陥らず、十分頑張って準備された、いうことです。

出産・育児用品は情報が多く、「あれも必要」「これも便利」と聞くたびに不安になりがちですが、すべてを事前にそろえる必要はありません

冬の授乳には「乳頭ケア用品」があってもよい

お友達がおっしゃっていたように、授乳を始めたばかりの頃は、乳首の乾燥や刺激によってヒリヒリしたり、亀裂が入ったりする方もいます。
特に冬は空気が乾燥しやすく、産後は頻回授乳も重なるため、「思った以上に痛かった」という経験談は珍しくありません。

一方で、まったくトラブルなく授乳でき、ケア用品を使わなかったという方もいらしゃいます。

つまり、「絶対に必要」というよりは、あれば安心できるお守りのような存在と考えるとよいでしょう。

例えば、

  • 馬油
  • ラノリン(羊毛由来の保湿剤)
  • 授乳後に乳首へ塗布できる保湿クリーム

などがあります。
授乳前に拭き取らなくてもよい製品も多く、乳首の保護として使用されています。

ただし、乳首の痛みの多くは乾燥だけでなく、産前の乳頭ケアが不十分だったり、赤ちゃんのくわえ方(ラッチオン)が浅いことが原因の場合もあります。

痛みが強かったり、傷ができたりした場合は、「自分のケア不足」と思わず、入院中に助産師へ相談して、授乳姿勢やくわえ方を確認してもらうことが大切です。
産後の数日は、遠慮せず専門職のサポートを活用してくださいね。
母乳育児はお母さんと赤ちゃんが一緒に練習していくものですから。

先輩ママさんの「あって助かったリスト」

また、妊婦さんのお話を伺っていると、「これは助かった!」という声が多いものがあります。

① 延長コード・充電器

入院中、ベッド周辺にコンセントが少ないことがあります
スマートフォンで赤ちゃんの写真を撮ったり、家族と連絡を取ったりする機会も多いため、長めの充電コードは意外と重宝します。

② 飲みやすい飲み物・ストロー付きボトル

授乳中は喉が渇きやすくなります。
特に産後すぐは、赤ちゃんを抱っこしたまま片手で水分補給できるものが便利です。

③ 小分けのおやつ

夜間授乳後に空腹を感じる方も少なくありません
個包装のクラッカーや栄養補助食品など、軽くつまめるものがあると安心です。

④ リップクリーム・ハンドクリーム

冬の出産では、お母さん自身の乾燥対策も大切です。
頻回の手洗いや消毒で手荒れしやすくなるため、赤ちゃんに触れても大丈夫な香りの強すぎないものがおすすめです。

母乳パッド

母乳の分泌には個人差がありますが、「こんなに漏れるなんて知らなかった!」と驚く方もいます。
使わなければ後からでも活用できますし、数枚準備しておくと安心です。
もちろん、ガーゼハンカチなどで代用することも可能です。

退院後すぐ使うものをまとめた「1週間セット」

赤ちゃんの肌着やおむつ、お母さんのナプキン、授乳用品などをひとまとめにしておくと、退院直後の慌ただしい時期に探し回らずに済みます

困った時に頼れる場所を知っていますか?

妊娠後期になると、「ちゃんと準備できているかな」「足りないものはないかな」と、不安が大きくなる時期でもあります。

でも、赤ちゃんとの暮らしは、実際に始まってみて初めてわかることもたくさんあります
周囲の体験談は参考になりますが、必要だったものも困ったことも、本当に人それぞれです。
ですから、入院までに「全部そろえなきゃ」と思い詰めなくて大丈夫
今はネット通販や家族の協力で、必要になってから準備できるものもたくさんあります。

むしろ大切なのは、「困ったら誰に相談できるか」を知っておくことかもしれません
出産する施設の助産師さん、地域の母乳外来、産後ケア事業など、頼れる場所を確認しておくだけでも心強い備えになります。

最後に

真冬の出産は、寒さ対策もしながらの育児スタートになりますね。
赤ちゃんを迎える準備を一つひとつ進めてこられたご自身を、ぜひ「ここまでよく頑張ってきた」とねぎらってあげてください。

完璧な準備をしたお母さんになる必要はありません。
赤ちゃんと一緒に少しずつ「わが家らしい育児」を作っていけば大丈夫です。
どうか安心して、残りの妊娠期間をご自身の体をいたわりながら過ごしてくださいね。

<参考文献・出典>

世界保健機関 (World Health Organization: WHO)
▶Breastfeeding :https://www.who.int/Health-Topics/Breastfeeding?utm_source=chatgpt.com#tab=tab_1
▶母乳育児支援ガイダンス :https://www.who.int/tools/elena/interventions/breastfeeding-support?utm_source=chatgpt.com
▶母乳育児を成功させるための10のステップ:https://www.who.int/teams/nutrition-and-food-safety/food-and-nutrition-actions-in-health-systems/ten-steps-to-successful-breastfeeding

この記事の回答者

谷村弥生

助産師/保健師/公認心理師

所属:株式会社ファミワン

産婦人科での様々な年齢層の方と関わっている勤務経験から、月経やホルモンバランスの乱れにより起こる症状や、病院受診を迷う症状、人に相談しにくいお悩みについて、あなたと一緒に考えていきます。もちろん心理的なお悩みも遠慮なくご相談ください。皆さんのフェムケアを応援したいと思っています。


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