PMSのイライラと繰り返す自己嫌悪。精神科に行くべきでしょうか?でも、受診が怖いです【公認心理師監修:お悩み相談室】
今回は、PMSの時期に激しい感情の波や不安感で仕事・家族関係に支障が出ているものの、婦人科の薬の効果を感じられず、「精神科や心療内科を受診する方がいいのか」と悩んでいる30代女性からのご相談です。
「行ってしまったら終わりな気がする」と怖くなっているとのこと。
日本産婦人科学会で精神症状が強い場合のメンタルヘルス連携が推奨されている背景や、PMDD(月経前不快気分障害)の概要を解説。
専門機関受診への心理的ハードルに寄り添い、受診への考え方や2周期分の症状メモのコツなどを公認心理師・臨床心理士がお答えします。
PMSのときに、気持ちの浮き沈みが激しくて心が痛いです。イライラや不安感が強く、仕事や家族との会話にも影響してしまい、いつも自己嫌悪しています。
婦人科で処方された薬も効いていないようで、どうしたらいいのか分からなくなってきました。
一度、精神科や心療内科に相談した方がいいのでしょうか?
ただ受診するのは怖いし、精神科に行ってしまったら終わりなような気がしています。
(30代、女性、ハンドルネーム:ことり、職種:事務・オフィスワーク)
最初に
ことりさん、ご相談を読ませていただきました。
PMSの時期になると、気持ちの浮き沈みが激しく、イライラや不安が強くなり、仕事や家族との会話にも影響してしまうのですね。
しかも、その後に「またやってしまった」と自己嫌悪する。
心が痛い、という表現の通り、ただ気分が沈むだけではなく、自分で自分を責め続ける苦しさがあるのだと思います。
婦人科で薬を処方されているのに、効いている感じがしない。
そうなると、「もうどうしたらいいの」と途方に暮れますよね。
受診も服薬も、すでに一歩踏み出してきたからこそ、「それでも楽にならない」ことへの絶望感が強くなるのだと思います。
そして、「精神科や心療内科に行った方がいいのかな」と考えながらも、「行ってしまったら終わりな気がする」と怖くなる。
その感覚も、とても正直なものです。
精神科という言葉には、まだまだ重たい響きがありますよね。
でも、今のしんどさを、もう一人で抱えなくていいのですよ。
相談先と選択肢を増やすことも大切
ことりさんに今必要なのは、「もっと我慢すること」ではなく、「相談先と選択肢を増やすこと」かもしれません。
婦人科の薬が効いていないように感じるなら、まずはそのまま婦人科に伝えてよいのです。
「効いていない気がします」「気分の波が強く、生活に影響しています」と具体的に話すことで、薬の種類や量、治療方針を見直せる場合があります。
同時に、気分の落ち込みや不安、怒りが強く、仕事や家族関係に大きく影響しているなら、精神科や心療内科に相談することは十分に選択肢になります。
これは「婦人科でどうにもならなかった人が行く最後の場所」ではありません。
心の症状が強いときに、その領域に詳しい専門家にも見てもらう、ということです。
受診が怖いときは、「診断されに行く」よりも「困りごとの整理に行く」と考えてみてください。
薬を増やされるのではないか、強い薬を飲まされるのではないか、と不安になる方もいますが、実際には症状の出方、月経周期との関係、今の薬の効果、副作用、生活への影響を確認しながら方針を考えていきます。
心の影響が強い「PMDD(月経前不快気分障害)」とは?
PMS(月経前症候群)は、月経前に心や体の不調が出て、月経開始後に軽くなることが多い状態です。
特に気分の落ち込み、怒り、不安、涙もろさなど精神症状が強く、日常生活に支障が大きい場合には、PMDD(月経前不快気分障害)として扱われることもあります(※)。
日本産科婦人科学会の診断・治療指針でも、精神症状が強い場合には、精神科または心療内科への紹介が示されています(※)。
つまり、ことりさんが「相談した方がいいのかな」と思ったことは、大げさでも弱さでもなく、現実的な判断です。
「2周期分の症状メモ」の書き方
受診の際には、できれば2周期分くらい、
「いつからつらくなるか」
「月経が始まると軽くなるか」
「怒り、不安、落ち込み、眠気、集中力低下がどの程度あるか」
「薬を飲んでどう変化したか」
をメモして持っていくと、診察で伝えやすくなります。
完璧な記録でなくて大丈夫です。
スマホのメモに「生理前日、心が大荒れ。家族に刺さる言葉を投げた。自己嫌悪つらい」くらいでも、立派な資料です。
もし、「消えたい」「自分を傷つけたい」「家族を傷つけそうで怖い」といった気持ちが出る場合は、次の予約を待たず、早めに医療機関や救急相談につながってください。
最後に
ことりさんは、もう十分に頑張ってこられました。
精神科や心療内科に行くことは、「終わり」ではありません。
どうか、自分を追い詰めるためではなく、自分を助けるために、相談先を増やしてみてくださいね。
<参考文献・出典>※以下の文献を参考にしています
公益社団法人 日本産科婦人科学会
▶月経前症候群・月経前不快気分障害に対する診断・治療指針:https://www.jsog.or.jp/activity/pdf/PMS_PMDDshishin.pdf。
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