離乳食のタイミング、どう決めればいい?【お悩み相談室】

子育て
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今回は、お子さんの離乳食の開始時期に早いほうがいいのか、遅いほうがいいのか悩んでいるという30代女性からのご相談です。本やインターネット、周囲の方の情報にさまざまな意見があり、混乱しているそうです。

離乳食の開始時期や進め方について、助産師がお答えします。

離乳食の開始時期について悩んでいます。現在、生後4か月の赤ちゃんがいて、市からは5~6か月頃から始めるのが良いと案内を受けました。生後5か月記念日から始めようと思っていたのですが、本やネット、知人の話では、「アレルギーを避けるためには遅く始めたほうが良い」「反対に早めに始めたほうが良い」など、さまざまな意見があり、どれを信じれば良いのかわからなくなっています。調べれば調べるほど混乱し、最近では悩みすぎて疲れてしまいました。きっとどの情報も間違いではなく最終的には自分が決めるべきだとは思っているのですが、実はこれまでもこういうことも多くあり、今後のためにも「これでいこう!」と決めるための後押しが何かあればいただきたいです。

(30代、女性、ハンドルネーム:最推しは我が子、職種:主婦)


適切な時期に少しずつ慣らしていくことが大切

赤ちゃんのことを大切に思うからこそ、いろんな情報を集めて慎重に考えますよね。たくさんの意見があふれる中で、どれを信じたらいいのか迷ってしまうのも無理はありません。ましてや育児は初めてのことばかりで、何を決めるにも「これで本当に大丈夫?」と不安になることは、当然だと思います。

まず、離乳食の開始時期についてですが、現在の一般的な推奨は生後5~6か月頃が目安とされています。これは、赤ちゃんの消化機能が少しずつ整い、母乳やミルクだけでは足りない栄養素(特に鉄分)を補う必要が出てくる時期だからです。

加えて、スプーンを口に入れて飲み込むという新しい動作ができるようになり、食べ物への興味も少しずつ芽生えてくる頃でもあります。「早めに始めたほうがいい」「遅くしたほうがアレルギーを避けられる」という意見の違いについてですが、最近の研究では、「早すぎても遅すぎてもリスクがある」という考え方が主流になっています。

以前は「アレルギー予防のためにできるだけ遅らせたほうがいい」と言われることもありましたが、今では「適切な時期に少しずつ慣らしていくことが大切」と考えられています。特に、アレルギーが気になる食材は、それぞれの適切な時期に試していくことが推奨されています。

離乳食を始める4つのサイン

とはいえ、離乳食を始める時期を決めるのは、赤ちゃんの発達状況や様子を見ながらがベストです。以下のサインがいくつか見られたら、そろそろ始めてもいいかもしれません。

・首がしっかりすわっている 

・支えてあげると座ることができる 

・食べ物に興味を示す(家族の食事をじっと見たり、よだれが増えたりする) 

・スプーンを口に入れても舌で押し出さない

これらのサインが揃っていれば、生後5か月記念日に始めるのも良いでしょうし、もしまだ「なんとなく準備ができていないかも?」と感じるなら、もう少し待っても構いません。育児は「絶対にこうしなければならない」という決まりがあるわけではなく、その子に合ったタイミングで進めることが一番大切です

それでも、「どう決めたらいいの?」と悩んでしまうのは、きっとたくさんの情報の中から、最善の選択をしたいと考えるからこそ、かと思います。育児は毎日が選択の連続です。離乳食のタイミングに限らず、これからも「どうしよう」と思う場面はたくさん出てきます。そのたびに情報をかき集め、比較し、自分の中で「これでいい」と納得できる決断をする。それがとても難しいことなのですが、それぞれの、その人らしい育児の形なのだと思います。

決断するうえで大切なのは、「何が正しいか」ではなく、「今のあなたと赤ちゃんにとって何がベストか」です情報を集めることは大事ですが、最終的には赤ちゃんの様子を見ながら、育てる側が納得できるタイミングで進めれば、それが正解になるんだと思います。

そして、もし「やっぱり少し早かったかも」と思ったら、無理せずいったんお休みしても構いませんし、赤ちゃんのペースに合わせて調整すればいいのです。また、「これから先も同じように迷うことが多そうで不安」という気持ちもよくわかります。でも、育児はどんな選択をしても、後から「あのときこうしておけばよかったかな?」と思うことがつきもの。でも、それは決して失敗ではなく、成長の過程と捉えたらいいかと思いますよ。試行錯誤しながら、親も子も一緒に歩んでいくものかと思います。

完璧なことは存在しない。あまり自分を追い詰めないで。

大切なのは、あまり自分を追い詰めすぎないことではないでしょうか。完璧なことは存在しないのに、「完璧にしなきゃ」と思うと疲れてしまうので、まあ、これでやってみよう。」くらいの気持ちで、少し肩の力を抜いていってくださいね

悩みながらも、愛情を持って赤ちゃんと向き合っていること、それ自体がもう素晴らしいお母さんの証です。どんな決断をしても、赤ちゃんはあなたに見守られながら、きっと元気に成長していきます。

だから、「こうしてみようかな」「こんなことしてみたいな」と感じることがあったら、それを信じて進めてみてくださいね。その感覚が揺らぐことがあったら、信頼できる友だちや家族、相談先などに声をかけてみてください。きっと応援してくれると思います。

回答者:助産師

妊娠期から出産、そして産後の生活、また女性のライフイベントをトータルでサポートしています。初めての妊娠や育児に不安を感じている方や、女性の健康課題で「誰に聞いたらいいかわからない」と感じることがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。


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