活発でイヤイヤ期の息子と新生児、2人育児をできるか心配【お悩み相談室】

子育て
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妊娠中も元気いっぱいの上の子を追いかけながら、2人目出産を控えて不安でいっぱい…とお悩みの30代の女性からご相談をいただきました。

上の子との関わり方や複数育児で大切にしたい心構えについて、保育士がお答えします。

現在2歳2ヶ月の息子を育てており、来月2人目を出産します。息子はとても活発で、公園では周りの子の何倍も走り回り、テンションが上がると危ない行動も多く、妊娠中の今も毎回全力で追いかけています。イヤイヤ期に加えて言葉もまだ十分ではなく、泣いたり怒ったりの対応に悩むことも増えてきました。今は一人だから何とか向き合えていますが、下の子が生まれたら、抱っこしながら上の子を追いかけたり遊んだりするのは現実的に難しく、不安ばかりです。保育園の空きもなく、認可外もない地域で、頼れるのは夫だけ。私はひとりっ子でおとなしい性格だったため、元気いっぱいの息子や複数育児のイメージが持てず、自信をなくしかけています。アドバイス、励ましの言葉をいただけたら嬉しいです。

(30代、女性、ハンドルネーム:れいこ、職種:主婦)


最初に

出産を控え、体も思うように動かなくなっている中で、上のお子さんと真摯に向き合い、一生懸命子育てを頑張られている様子が伝わり、保育士としてだけでなく、同じ母として胸が熱くなります。

まもなく始まる2人のお子さんの育児。不安になってしまうのはそれだけ心の中に、
「しっかり向き合ってあげたい」という気持ちがあるからなのだと思います。

2人育児を迎える前に心に留めてほしいこと

育児を頑張っているお母さんだからこそ、これから始まる生活が不安と緊張だけでなく、「少しだけ気持ちがほっとした」と思っていただけるようにお伝えしたいことがあります。

・「そばにいるけど、あえて手を出さない」愛情ある対応も心がける

お母さんは一人なので、どうしても赤ちゃんが泣いたり、お世話をしなきゃいけない時に、上のお子さんが怒りだしたり泣き出したりする時があると思います。

相手にできないときは時に放っておくのもありだと私は思います

それは放置でも無視でもありません。
「放っておく」という選択は、冷たい対応でも、見捨てることでもなく、子どもの感情の波を安全な距離から見守るという、立派なサポートであると思って保育にも携わってきました。

保育と育児は全く別なので、あくまでも参考なのですが、どうしようもなく相手にできなくなってしまった時は、「そばにいるけど、あえて手を出さない」愛情ある対応を覚えておいていただければと思います。

複数お子さんを預かる中で、泣いている子、なかなか入室しない子、機嫌が悪く怒ってしまう子などの対応は「安全な場所が確保されているか」を確認したうえで遠くから見守ることもありました。


走り出してしまった時は、あくまでも安全優先。
赤ちゃんを抱っこして走るのはとても危ないので、危険な場面でなければ、少し距離を取って追いかけるふりでも大丈夫だと思います。

止まってくれた時には怒らずに(危険な時は怒ることも必要なことも)「止まってくれて助かったよ~」と繰り返し伝えていくと、お子さんなりに良い行動を学んでいくことが考えられます。

 ・「前と同じように」じゃなくてもいい

例えば赤ちゃんのお世話をしている時に、上の子に話しかけられたら、短い時間でも「話しかけられた時、“ちょっと待って”という前に、目を見て“聞いてるよ”だけでも伝えてみる」そんな風に自分ができる新しいルールを作っても大丈夫。

「たくさん時間をとる=いい子育て」だけではきっとないと思います

保育の現場ではたくさんのお子さんを預かり、いろいろな立場のお母さんたちと関わってきた中で気づいたことがあります。
お子さんが感じる愛情は「一緒にいる時間の長さ」だけではなく、「一緒にいられる一瞬をどう過ごしたか」ということです。

時間がとれなかったことを責めるのではなく、愛情は「時間」だけではなく「まなざし」や「声かけ」にもちゃんと込められるものだということを知っていてほしいです。

「頼れる場所」を知っておくだけでも心が守られる

頼れる場所を知っておくだけでも、自分の行き場がなくなったときにきっと安心できるかもしれません。
「預ける場所」となるとなかなか見つからないのが現実ですよね。

頼る=預けられる場所…という認識もあるようですが

・弱音がはける

・悩みを聞いてもらう

も頼る行動に入ります。


下記のような場所があることを出産前に少しでも知っておくことも、頑張りすぎて辛くなった自分を守ってくれるひとつの行動になると思います。

・自治体の保健師

・市区町村の子育て相談ができる場所
(育児のサポートをしてくれるファミリーサポートセンターなどをおしえてくれることもあります)

・子育て支援センター など

最後に

2人育児が始まるとき、一番大切な心得、それは「お母さん自身が自分を大切にすること」から始まるのだと思います。
時には悲しくなったり、思わず怒ってしまったりする日もあるでしょう。
それだけ子育てに真剣に向き合っている証です。

「頑張らなきゃ!」ではなく、「ここまでできた」で十分
保育士としてそんな気持ちを届けたいです。


<本記事の回答者>

自分自身が子育てに悩んだ経験から、親も子どもも「自分にあったやり方」で生きられる環境の大切さを実感しました。子育ては思うようにいかないからこそ、「こうあるべき」にとらわれず、それぞれの個性も大切にした子育てのお手伝いをさせていただきたいと思っております。


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