自分の時間を優先したい母はダメ?2人目への迷い【お悩み相談室】

今回は、育児が向いていないと感じ、2人目を望むべきか悩んでしまう30代女性からご相談をいただきました。子どもと遊ぶのを「義務」と感じてしまい、もっと楽しみたいのに自己嫌悪に陥ってしまうそうです。
周囲の期待と本音の間で揺れる気持ちについて、保育士が「自分らしい子育て」への考え方をお答えします。
育児が向いていないと感じてしまい、2人目を持つことに踏み出せずにいます。周囲の友人は「2人目は大変だけど楽しい」「1人も2人も変わらない」と話し、親からも2人目を期待されています。3歳の息子はかわいいですが、私は四六時中子どもと過ごしたいタイプではありません。ダメだと思いながらもYouTubeを見させて、私は携帯で漫画やゲームをしたいと思ってしまいます。公園で遊ばせる方が心身の発達的にもいいのだろうと思いますが、子どもと遊ぶのも「良い親の義務」と感じてしまいしんどくなります。実家でも「スマホばかり見ている」と言われます。私的には、家事と仕事と最低限の育児で毎日が終わる中、ようやくの自分時間という気持ちなのですが、もっと遊んであげた方がいいよね、と自己嫌悪に陥ります。子どもにかまってあげたい気持ちはあるのですが、育児を楽しむより自分の時間を優先したいと思ってしまい、つくづく育児に向いてない母だなと感じます。やっぱり子供ともっと遊んであげた方がいいでしょうか。どうしたら楽しいと思って遊んであげれるようになりますか。また、このままの気持ちで2人目を持つことは、より負担になるだけでしょうか。
(30代、女性、ハンドルネーム:にゃんころ、職種:事務・オフィスワーク)
最初に
ご相談いただきありがとうございます。
「自分は育児に向いていないのでは」と思ってしまう気持ち、とてもよくわかります。
私は、仕事でお子さんを保育するのと子育てでは全く感じるものが違い、思い通りにいかない子育てに何度も「向いていない」と思ってしまった時期がありました。
そして、関わった保護者の方からも、「自分は育児に向いていないかも」というお声は意外と多く聞きます。
そういった中で、自分の時間を大事にしたいと思ってしまうことも、ごく自然なことです。
「母だからこうすべき」を手放して考える
2人目を持つかどうか…
この選択に迷いが生まれてしまうのも、今後の人生や今の生活の課題や懸念点などをしっかり考えているからではないでしょうか。
子どもが増えることだけを考えると・・・
確かに、子どもが1人から2人になれば、物理的に自分の時間は減ると思います。
小さければそれだけお世話の時間もありますし、今より減ってしまうことも考えられます。
けれど友人が「2人目は大変だけど楽しい」というのも、きっとそういった考え方もあるのだと思います。
一緒に遊んでくれるようになったり、子ども同士で過ごしている姿に癒されたり、2人いることでまた違った喜びを感じる場面もきっとあるのだと思います。
ただ、その方の環境や考えにもよりますので、誰かが言っていることがあなたの正解とは限りません。
それ以上に大切なことは、「自分がどうしたいか」という気持ちなのだと感じます。
自分の時間を大事にしながら、できるときに出来る範囲で一緒に楽しむという考え方でも十分だと私は思います。
「自分の期間が欲しいと思ってしまうことをダメ」と決めるのではなく
「自分の今の人生に子どもとの時間をどう取り入れるか」という観点で考えてもいいのではないでしょうか。
常に我慢して、「こう思えない自分はダメな母」と思ってしまうと
子育てはいつになっても楽しく感じられないと思います。
「楽しく感じられない」ことも決して悪いことではないです。「そういう考え方」の一つだと考えていいと私は思います。
特に3歳ぐらいはまだまだ甘えたい気持ちも強く、自分でできることも増えているように見えて、イヤイヤ期も重なることもあり、手がかかる時期でもあります。
一人目ということで先も予測できないので特に大変に感じることもあるのだと思います。
小学校入学前になるとほとんどのことができるようになる子も多く、お母さんも、もしかすると、その時期には今とは違った気持ちの変化もあるかもしれません。
「楽しまなきゃ」をやめても伝わる愛情はある
私はたくさんのお子さんと関わらせていただきましたが、子どもは「お母さんと一緒にいること」は単純にそれ自体が楽しいし嬉しいと思うことが多いです。
「3歳の息子はかわいいですが」と相談者さんからあったこの気持ち、とっても大事だと思います。この「可愛い」と思っている愛情はお子さんに伝わっているのではないでしょうか。
例えば、楽しいと思えなくても表情に出さないようにするなど、少しだけ気を付けてあげるだけでもそれは十分な愛情です。
「楽しまなきゃ」「ちゃんと遊んであげなきゃ」ではなく
そう思えない自分も、「今はそういう時期」と捉えていいと感じます。
テレビや動画は賛否両論ありますが、そこに大きく罪悪感を持ってしまうなら時間を決めてみることや、
1日に10分でも動画に頼らずお子さんと一緒に遊べたなら「一緒に過ごした」ことになると思いますよ。
最後に
保育士としてお伝えしたいことは、子育ては誰かと比べるものではないこと、頼れるものには頼って、自分自身の心と体を守りながら、「自分なりの子育て」で考えていいのだと思います。
今は「楽しいと思えない」と苦しくなってしまうこともあるかもしれません。
そこを無理に変えようとせず、自分の時間をもって、少しでも「これでいいか」と思える気持ちでいられることも、お子さんにとってもお母さんにとっても大切なのだと思います。
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