生後5カ月の双子育児に疲弊…頼る方法が分かりません【お悩み相談室】

引っ越し後に妊娠・出産し、生後5カ月の双子をワンオペで育てているという20代の女性から、「限界を感じているけれど、どう頼ればいいか分からない」という切実なご相談が届きました。
頼れる人がいない中での育児の苦しさや孤独感、そして支援を受ける方法について、心理士がやさしくアドバイスします。
夫の転勤で引っ越した直後に妊娠し、双子を出産しました。今、子どもたちは生後5カ月。両家の両親も遠方に住んでいて頼れる人が近くにおらず、夫も仕事が忙しいので、ワンオペ育児の毎日に心身ともに限界を感じています。休む時間もなく、疲れがどんどん積み重なり、気力も湧きません。「誰かに頼りたい」と思いながらも、どうすればいいのか分からず、ただただ必死に毎日をこなしています。同じような状況を経験された方がいれば、どう乗り越えたのか、アドバイスや体験談を聞かせていただけたら嬉しいです。
(20代、女性、ハンドルネーム:ネイビーブルー、職種:主婦)
目次
最初に
双子育児、しかもワンオペ。…はい、もうそれだけで「金メダルあげましょうか?」って本気で言いたいくらいの毎日を、あなたは乗り越えてこられたのですね。
引っ越しに妊娠、そして出産。それも一気に2人同時に、という育児界のハードモード。
さらにご両親は遠方で、夫は多忙。つまり「ワンオペの中でも孤独度MAX」状態だったわけですね。
本当に、本当によくがんばってこられました。今このコラムに相談を寄せてくださったこと自体、もう立派な「SOSを出す力」だと私は思います。
生後5カ月。夜泣きもあるし、昼間は寝ても30分で起きるし、「母のトイレ行くタイミングどこ?」と日々問いかけながら、家の中を抱っこ紐で徘徊してるような時期かもしれませんね。
でも、そんな中でも「誰かに頼りたい」と思えているあなたの感性が、ちゃんと生きていてくれていることを、私は嬉しく思います。
気力が湧かなくても、身体が動かなくても、「どうにかしたい」という気持ちがあること自体が、今のあなたの大きな力です。
「誰かに頼りたい」気持ちを大切に
あなたが今、「誰かに頼りたい」と感じているその気持ち。どうか見て見ぬふりをせず、大切に扱ってください。
この状況を少しでもラクにするために、「支援の選択肢を知っておく」「頼り方を知っておく」ことが、これからの育児ライフの土台になるかもしれません。
理想は、「あなたが休める時間をつくる」こと。
そのために、人の手や制度の力を借りられたらいいのです。
甘えじゃありません。「生き延びるための作戦」だと思ってください。
また、同じような境遇で子育てをしている人の言葉に触れることで、「自分だけじゃなかった」と思えることも、心を軽くしてくれるかもしれません。
「わかってくれる誰かがいる」感覚って、それだけで強力な栄養になりますから。
あなたのSOSにこたえてくれる場所・人たち
ここからは、今のあなたが使えるかもしれない「具体的な支援策」や「つながり方」をご紹介します。
■赤ちゃん訪問・育児支援ヘルパー
多くの自治体には、産後家庭に対して「育児支援ヘルパー(家事支援や赤ちゃんのお世話)」や「保健師・助産師の訪問」があります。
窓口は、市町村の子育て支援課や保健センターです。
利用のハードルが高いと感じるかもしれませんが、電話で「こういう状況で困っています」と言えば、かなり親身になって対応してくれるところが多いですよ。
■ファミリー・サポート・センター
地域のボランティアや登録支援者が、育児のサポートをしてくれる制度です。
有料ですが保育園より柔軟に使えることもあり、リフレッシュ目的でも相談できます。
■双子育児のピアサポート
多胎児ママは孤独になりやすく、支援のニーズがとても高いことが知られています。
日本多胎支援協会では、同じ境遇の親同士がつながれるサークルなども紹介されています(※)。
また、地域によっては、自治体の中に多胎児を育てる親のためのサークルがあったりします。
■一時保育・ショートステイ
市区町村によっては、「保護者の疲労」や「育児不安」でも短期預かりが可能な一時保育・ショートステイを実施しているところもあります。
「つらいから子どもを預けたい」は、立派な理由です。
■「気持ちの疲れ」のケア
身体の疲れと同じくらい、心の疲れもケアが必要です。
もし、眠れない、涙が止まらない、子どもに笑顔を向ける余裕がない…と感じたら、「産後うつ」の可能性も視野に入れて、早めに産婦人科や専門機関へ相談を。
最後に
あなたの「限界だ」という気持ちは、あなたの弱さの証じゃありません。
それは、「私はもっと支えが必要だ」という、心の防衛本能です。
今はとにかく「生き抜くこと」だけを目標に、小さな工夫と支援を積み重ねていきましょうね。
あなたは、ひとりじゃないですよ。
<参考文献・出典>※以下の文献を参考にしています
一般社団法人 日本多胎支援協会
▶ふたご(多胎児)を授かったご家族へ:https://jamba.or.jp/
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