感謝してるのに旦那にイライラ…育児のすれ違い対処法【お悩み相談室】

子育て
記事をシェア

今回は、3か月のお子さんを育てる30代の女性からのご相談です。
平日のワンオペ育児をがんばる中、週末の夫との過ごし方にモヤモヤ。土日の夜間育児に協力してくれる夫に感謝はしているのに、どう伝えたらいいのか悩んでいるそうです。

育児中のすれ違いや、気持ちの伝え方について心理士がアドバイスします。

育児に一生懸命な夫に感謝しつつも、モヤモヤしてしまいます。3ヶ月の娘がいて、平日の夜間育児は私、土日は夫が担当してくれます。ただ、夫は土日の夕方になるとぐっすり寝てしまい、結局その時間は私が一人で育児をすることに。娘が大泣きしても夫は全く起きません。平日はワンオペで頑張っている分、週末こそ一緒に過ごしたいのに…「夜間のミルクはやらなくていいよ」と言っても、育児に関わりたいという思いから断られてしまいます。夫の気持ちも大事にしたいのですが、どう伝えたらよいか悩んでいます。私がおかしいでしょうか。何か対策があれば教えてください。

(20代、女性、ハンドルネーム:mina、職種:事務・オフィスワーク)


最初に

3か月の娘さんとの育児、毎日、本当におつかれさまです。

平日はワンオペ、週末は夫にバトンタッチ…と思いきや、夕方には熟睡してしまう夫を横目に、またひとりで育児モード。

こんな毎日、心の中で「ちょっと待ってよ」とツッコミたくなるのも無理はありません。

しかも、あなたはちゃんと感謝の気持ちを持っている。「育児に一生懸命な夫に感謝している」と。それでもモヤモヤが消えない。

この“感謝してるのにモヤモヤ”って、一番自分を苦しめるんですよね。

「私がおかしいのかな?」とご自身を責めるお気持ちがにじんでいますが、いいえ、おかしくなんて全然ありません

あなたはむしろ、すごくバランス感覚のある、相手を思いやれる人だと思います。

自分の気持ちと、パートナーの気持ちを、両方大切にしようとしているからこそ、ぶつかってしまう葛藤。それが今のモヤモヤの正体かもしれませんね。

モヤモヤは「感謝+希望」のセットで伝えて

モヤモヤを伝えるって、実は「感謝」と「希望」のセットなんです。

ご相談を読んでいて感じたのは、「協力的な夫なのに、なぜイラっとしてしまうのか」が自分でも分からずに戸惑っておられることです。

これは、多くのママがぶつかる“育児チーム内のすれ違い”の一つ。

夫婦ともにやる気はあるのに、なぜか心が通い合わない。

「育児に関わりたい」という夫の気持ちはうれしい。

でも、「あなたが担当する時間だから私は休むね」と言いたい。

でもそれを伝えると、やる気を削いでしまいそうで言い出せない…。

こんなときは、正しさを競うよりも、「私はこう感じてるんだ」と“体験”を語るような伝え方がいいかもしれません。

たとえば「週末、一緒に過ごせるのを楽しみにしてるの。でも夕方に寝ちゃうから、その時間がなくなっちゃってさみしいんだ」といったように。

夫を責めるのではなく、あなたの“希望”として伝える

その希望には、ちゃんと「あなたが育児に関わってくれてうれしい」という“感謝”が含まれているから、パートナーにとっても受け入れやすくなる可能性があります。

パートナーとつながる「心の回復時間」も必要

夫婦で育児を分担しているご家庭は増えていますが、「ただ役割を分ける」だけでは、心のバランスは取れないこともあります。

特に出産後数か月は、どちらも心身が疲弊しがち。

そんな中で本当に必要なのは、「回復の時間と質をどう確保するか」という視点かもしれません。

たとえば、夫が夜間育児をしてくれても、その分日中は爆睡していて会話もスキンシップもない…という状態だと、パートナーシップとしての“栄養”が不足してしまう。

つまり、物理的な休息だけでなく、「一緒に笑う時間」「話す時間」といった“心理的な回復”が必要なのです。

そして、もう一つ大事な視点は、「がんばっている夫」も、たぶん「どうしたらいいか分からない夫」でもある、ということ。

「育児に関わりたい」というのは愛情の表れである一方で、手を引くこと=育児放棄と思っている場合もあるんです。

そこを「土曜の夜は完全オフタイムにしてもらえるとうれしいな」「そのぶん日曜に3人で散歩とか行けたらうれしい」と、“引くこと”も“チームの作戦”として提案すると、夫も納得しやすくなるかもしれません。

最後に

今のあなたは、十分すぎるほどがんばっています。

「私がおかしい?」と疑う代わりに、「私には何が必要なんだろう?」と問い直してあげてください

きっとその先に、今よりずっと安心できるパートナーシップが待っているはずです。

<本記事の回答者>

戸田さやか

公認心理師/臨床心理士/生殖心理カウンセラー/がん・生殖医療専門心理士/ブリーフセラピストシニア

所属:株式会社ファミワン

「妊活や性の悩み、子育てや働き方のことまで、「誰に相談していいかわからない」テーマも歓迎しています。どんな内容でも大丈夫。安心してご相談ください。臨床心理学の確かな知識と技術を活かし、原因探しや悪者探しではなく、あなたにとってのゴールを発見するお手伝いをさせてください。」


専門家がこたえます!お悩み募集中です

「知ってハレばれ お悩み相談室」にお悩みをお寄せください。

毎月ピックアップさせていただいたお悩みとその回答を、「知ってハレばれ お悩み相談室」の記事で公開いたします。下記のフォームからお悩みをお寄せください(匿名でお寄せいただけます)。

記事をシェア
あなたのお悩みを募集中。

あわせて読みたい

トップ > 子育て > 感謝してるのに旦那にイライラ…育児のすれ違い対処法【お悩み相談室】