家事も育児も丸投げの夫にイライラしか残りません【お悩み相談室】

子育て
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今回は、パート勤務と3歳児の育児を一人で抱え、協力しない夫に怒りと悲しみを募らせている30代女性からのご相談です。体調不良でもワンオペが続き、愛情も冷めてしまったとのこと。

この記事では、非協力的な夫への向き合い方や気持ちの切り替え方について、心理士がアドバイスします。

パート勤務しながら3歳の子どもを育てていますが、夫がほとんど家事も育児も手伝わず、日々ストレスを感じています。夫は自営業で帰宅も遅く、土日も仕事だと言い出かけてばかり。体調が悪くてもワンオペが続き、心が折れそうです。月に一度でも息子をお風呂に入れてほしいとお願いしましたが、1年で数回だけ。
休みの日の朝もスマホを見てばかりで、家族に無関心な様子にイライラが募ります。愛情も冷め、怒りしか残っていません。今どきは家事育児に積極的な男性も多いと聞くのに、なぜうちはこうなんだろうと悲しくなります。
こんな時、どう乗り越えたらいいのでしょうか?

(30代、女性、ハンドルネーム:みなと、職種:事務・オフィスワーク)


最初に

パート勤務に家事に育児に、すでにフル回転の毎日なのに。

夫は「俺は自営業だから」と、家族を置いてどこかへ――いや、仕事なんでしょうけどね。


「月に1回でいいから息子をお風呂に入れて」とお願いしたのに、1年で数回。

それなのに、休みの日の朝はスマホ片手にダラダラ…。

そりゃあ、怒りも積もりますよね。
「なんで私だけがこんなに」と。


あなたは今、家庭という名の現場で、24時間営業・無休の店長をしているようなものです。

しかも、シフトはワンオペ固定。新人(子ども)はまだまだ手がかかるし、管理職(夫)はほぼ不在。

どうしてこんな不公平が成立してしまうんでしょうね…。

でも、そんな中でも「お願いする」「頼ってみる」ことをしてきたあなた。

「イライラしてる自分が嫌になる」「家族の形を変えたいとは思っていない」

――そんなふうに揺れる気持ちを持ち続けてこられたこと、本当によくがんばってこられたと思います。

まずは、「私はここまでよくがんばってきた」と、ぜひ自分に言ってあげてください。

“何を変えたいのか?”を整理してみる

「今どきの夫婦は家事育児を分担してるって聞くのに、なぜうちは…」

と感じるお気持ち、よくわかります。


でも実際、家事育児の負担が偏ったままの夫婦関係って、まだまだ多いんですよね。

SNSを見れば、夫が育児している映像が流れてくるけど、それはごく一部のケースかもしれません。

だからと言って、あなたが今のまま我慢し続ける必要はありません

「怒りしか残っていない」――その言葉が、今の限界をはっきり示してくれています。


この状況をどうにかするために、まず考えてみたいのは、「どこまでを“夫婦問題”として扱うか」です。

・家事育児の偏りを解消したいのか

・家族としての協力関係を築き直したいのか

・もう、気持ちを整理して別の形を考えたいのか

“何を変えたいのか”を整理することが、出口を見つける第一歩になるかもしれません

そして、「話し合えば分かる」と思いすぎないのもポイントです。

そもそも“家族への無関心”がベースにあると、話し合いが通じにくいこともあります。

その場合は、「協力」ではなく「交渉」として仕組みを変えていく視点が必要になります。


たとえば、夫に子どもを任せる時間を“義務”ではなく“契約”に近づけてみる

「来月のこの日はあなたが担当ね」「見守りアプリで確認するね」と“外堀”から固める戦法です。

「全部背負わなくてもいい」仕組みづくり

夫が非協力的な状況をすぐに変えるのは難しいかもしれません。

でも、「全部自分で背負わなくてもいい」と思える仕組みは、意外と作れたりします。

以下は、心理士としてお伝えしたい現実的な対処法です:

1.SOSを外に出すスキルを持つ

実家、地域のファミサポ、一時保育、ママ友…小さな助けを“制度化”していくことが大事です。
「私が頼ると迷惑では…」と遠慮せず、「頼れる仕組み」を味方にしましょう

2.感情をノートに書き出す習慣

怒りや悲しみは、ためると“爆発”か“無力感”につながります。

書くことで思考が整理され、「私は本当は何に傷ついたのか?」が見えてきます

日記でも、スマホのメモでもOKです。

3.夫への要望は“数字”と“締切”で伝える

「たまには子どもを見て」ではなく「来週の日曜の10時〜12時はお願いね」と“枠”を明確に

感情ではなく、予定のやりとりとして交渉する方が伝わる場合もあります。

4.一人時間の“死守”

月1回、たとえ1時間でもいい。
「私のためだけの時間」を予定に組み込んでください。

脳が休まると、全体のストレス耐性が大きく変わります

5.パートナーシップの“棚卸し”も視野に入れる

もう一緒にいる意味が見えない…と思うほど苦しいなら、一度、あえて離婚という選択肢も含めて「今後の人生をどう生きるか」を考える時期かもしれません

実際には離婚は考えていなかったとしても、あえて選択肢として考えてみることで、「あ、やっぱり離婚はナシだな」という気持ちに気付くこともできます。

毎日本当にお疲れ様です。心から応援しています。

<本記事の回答者>

戸田さやか

公認心理師/臨床心理士/生殖心理カウンセラー/がん・生殖医療専門心理士/ブリーフセラピストシニア

所属:株式会社ファミワン

「妊活や性の悩み、子育てや働き方のことまで、「誰に相談していいかわからない」テーマも歓迎しています。どんな内容でも大丈夫。安心してご相談ください。臨床心理学の確かな知識と技術を活かし、原因探しや悪者探しではなく、あなたにとってのゴールを発見するお手伝いをさせてください。」


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