SNSやブログの“素敵な育児ママ”と比べて落ち込みます【お悩み相談室】

子育て
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初めての育児に奮闘する20代の女性からのご相談です。
SNSで見る“余裕ある素敵ママ”たちと自分を比べ、メイクも育児もおしゃれもできていない自分に落ち込む日々。
「SNSがなければもっと気楽に子育てできたかも」と感じているとのこと。

今回は、育児中の自己肯定感の保ち方や、SNSとの上手な付き合い方について臨床心理士がアドバイスします。

初めての育児に奮闘中です。周囲に頼れる人がいない中、雑誌やSNSの情報を頼りにしているのですが、そこで目にする“余裕ある素敵ママ”たちと自分をつい比べてしまい、落ち込む日々です。
メイクも育児グッズも完璧な彼女たちに対し、私は毎日スッピンで手一杯だし、気づいたら出産してから自分のものを何も買っていないのでおしゃれもしていません。離乳食も市販に頼りがちで、理想とは程遠い自分に自己嫌悪してしまいます。
SNSが無ければ、もっと気楽に子育てできたのかも…なんて思ってしまうことも。こんな私は、自分がダメな母親でしょうか。

(20代、女性、ハンドルネーム:みにみに、職種:主婦)


最初に

初めての育児、本当におつかれさまです。
赤ちゃんのお世話って、朝も夜もなく続くマラソンみたいですよね
授乳、オムツ替え、寝かしつけ、離乳食づくり。

気づけば「今日、自分のこと何かしたっけ?」と思うまま一日が終わる

そんな日々のなかで、SNSを開けばキラキラした「余裕あるママ」が笑顔で登場し、完璧な離乳食プレートをアップしている——落ち込むのも無理はありません。



みにみにさんは「比べたくないのに比べてしまう」自分を責めていますが、それはごく自然な心の反応です。
人は孤立すると、「他の人はどうしているんだろう」と外の世界を探しにいくものです。

むしろ、誰にも頼れない中で情報を探して工夫している。
それは“がんばっているお母さん”の証です。



赤ちゃんが泣き止まない夜も、スッピンのまま朝を迎える日も、誰かと比べてしまう日も、全部、初めての育児を必死に生きているからです。
そんな自分を“ダメな母親”と呼ぶのは、あまりに酷です

SNSは一瞬の切り取り。比べる相手を「昨日の自分」に

もしかすると、「あの人たちは完璧に見えるけど、私はこんなにバタバタしている」という比較の構図が、あなたの心を消耗させているのかもしれません。


少し視点を変えてみましょう。
SNSに映る世界は“見せたい一瞬の切り取り”であって、“生の生活”ではありません
映っていない時間、彼女たちもきっと泣いたり、焦ったり、冷めた離乳食を食べさせたりしているはずです。
「余裕があるように見える」誰かを目標にするよりも、「昨日の自分と比べて、少し楽になったか」で見てみましょう

たとえば「今日は離乳食を全部手作りした」よりも、「今日はレトルトで済ませて自分が10分休めた」の方が、長い育児ではずっと価値があります。


“完璧な母親”より、“まぁいっか、と思える自分”を目指してみるのも良いのではないでしょうか。

落ち込む投稿はミュート。“デジタル断捨離”のすすめ

SNSで他人と自分を比べるとき、人は意識せず「上の誰か」に目を向けてしまう傾向があるのかもしれません。

そのため、気分が落ち込みやすい時期は、「自分が心地よく感じるアカウント」だけを残す“デジタル断捨離”もおすすめです。
フォローを外すのが気まずければ、ミュートでも十分です。

また、赤ちゃんの発達や離乳食の情報は、SNSではなく自治体の母子保健センターや保健師さんなど、公的な情報源を確認するのが安心です。
ネットの海に溺れるよりも、「あなたと赤ちゃんに合うペース」を専門家と一緒に見つけることが大切です。

最後に

そして何より、みにみにさんが「自分のために何かを買う」「少しおしゃれをする」ことを、遠慮しなくていいんです
母親になっても、自分の人生はちゃんと続いています。

子どもが育つのと同じように、母親としての自分も成長中

完璧じゃなくていいんですよ。
少しずつ、笑える日が増えていけばそれで十分です。

<本記事の回答者>

戸田さやか

公認心理師/臨床心理士/生殖心理カウンセラー/がん・生殖医療専門心理士/ブリーフセラピストシニア

所属:株式会社ファミワン

「妊活や性の悩み、子育てや働き方のことまで、「誰に相談していいかわからない」テーマも歓迎しています。どんな内容でも大丈夫。安心してご相談ください。臨床心理学の確かな知識と技術を活かし、原因探しや悪者探しではなく、あなたにとってのゴールを発見するお手伝いをさせてください。」


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