本当は育児中でもネイルを楽しみたいです【お悩み相談室】
育児中、ネイルなどの「おしゃれ」を我慢しているという20代女性からのご相談です。
子どもの安全を第一に考える一方で、自分の好きなことを我慢するストレスや罪悪感を抱えているとのこと。
今回は、育児中のおしゃれとの付き合い方、周囲の目とのバランス、そして“自分を大切にすること”の意味について、臨床心理士がアドバイスします。
育児中にネイルを楽しむことに罪悪感を感じています。子どもを傷つけないように爪は短く整えていますが、SNSで見る芸能人ママたちの華やかなネイルを見ると、羨ましくなってしまいます。離乳食でおやきづくりにこねこねしますし、ストーンなどのパーツがとれて食べてしまったら大変だと子供が生まれてから大好きなネイルはしていません。
ママでも自分の好きなようにおしゃれしたい!と思いますが、子どもの成長に合わせて解禁していくかと自重しています。子どもの為にと、ネイルだけではなく、まつげパーマやカラコンもやめ、美容費を節約していますが、正直ストレスが溜まってきました。
でも、今までの「普通」が「贅沢」と感じている自分もいます。
子供もできて親になったし、育児休業中の身で自己満足のためにあまりお金を使うべきじゃないと思うのですが、自己犠牲な気もします。
育児とネイルなどのおしゃれのバランス、他のママ達はどうしてるんでしょうか?
周りの目も気にしてしまう私ですが、後ろめたさを感じずに楽しむにはどうしたらいいですか。
(20代、女性、ハンドルネーム:トレンドパーツ全部のせが夢、職種:主婦)
目次
最初に
毎日の育児、本当におつかれさまです。
離乳食を作りながら、爪の長さや衛生にも気を配っているあたり、どれほど丁寧にお子さんと向き合っているかが伝わってきます。
「ママでもおしゃれしたい!」この気持ちはとても自然です。
ネイルも、まつげパーマも、カラコンも、自分を少し好きになれる魔法のようなアイテムですよね。
けれど、育児が始まると「子どものために我慢しなきゃ」「こんなことにお金を使っていいのかな」と、自分の好きなことが後回しになってしまう。
そんなジレンマにモヤモヤしてしまいますよね。
実際、SNSでキラキラした“芸能人ママ”たちを見ると、無意識に「自分はまだまだ」と比べてしまうのも自然なことです。
でもね、彼女たちにもカメラの外で、離乳食のあとに手を洗ってカサついた指先を見て「ふう」とため息をつく瞬間が、きっとあるはずです。
今のあなたがネイルを我慢しているのは、“おしゃれに興味がないから”ではなく、“子どもを守りたいから”。
その背景にあるのは、母親としての深い思いやりです。
どうかその部分も、自分でちゃんと認めてあげてくださいね。
おしゃれを「形を変えて楽しむ」という選択
おしゃれを我慢するか、楽しむか——この二択で考えると、どちらも苦しくなってしまいます。
おすすめなのは「おしゃれを封印」ではなく「形を変えて楽しむ」こと。
たとえば、
爪に何かを塗るのではなくても、ちょっと良い保湿クリームやマッサージクリームでケアをしてみる。
まつげ美容液を使って、地毛を育ててあげたり。
そんなふうに、ベースの美しさを高めるおしゃれなら、お子さんへの危険もなく取り入れることができますよね。
また、「子どもが寝たあとにケアをする」「休日に一色だけ塗ってみる」など、“日常の中でおしゃれを再開する練習”をしてみてもいいかもしれません。
おしゃれは競技ではなく、セルフケアの一種。
ストレスを減らし、気持ちをリセットする時間として取り戻していけるといいですね。
育児中でも“できる範囲で”楽しむ人が多数派
「周りのママたちはどうしてるの?」という点も気になりますが、実際はかなり幅があります。
育児中でもネイルを楽しむ人もいれば、今は休憩中という人も。
多くのママが「できる範囲で楽しむ」「子どもの成長に合わせて調整する」という柔軟なスタンスで過ごしています。
だから、“正解”は人それぞれ。
あなたにとって無理のないやり方が、一番の正解なんです。
自分を大切にすることが、育児につながる
自己犠牲が長く続くと、幸福感が下がり、イライラや不安が増えていきます。
つまり、“子どものために自分を犠牲にする”ことは、一時的には愛情の表現でも、長期的には親子双方にとって良い結果をもたらさないことがあるのです。
子どもは「親が楽しそうにしている姿」を見ることで、「人生って楽しいものなんだ」と学びます。
おしゃれは、単なる“見た目”ではなく、“自分を大切に扱う姿勢”そのもの。
だからこそ、「少し自分のために時間とお金を使ってもいい」と思えるようになることが、子育て中の心の健康を支えるのではないでしょうか。
もちろん、爪の長さや衛生面に気を配ることは大切です。
でも、それができているなら、ネイルを完全に封印する必要はありません。
パーツの少ないシンプルなデザインにしたり、家事や育児の合間にセルフケアを取り入れたり、あなたらしい形で楽しめばいいのです。
後ろめたさを手放し、心から楽しむために
「ママになったら我慢が当たり前」という呪縛から、少しずつ自由になっていけたらいいですね。
おしゃれをすることは、“子どもを後回しにすること”ではありません。
「自分を大切にすること」と「子どもを大切にすること」は、ちゃんと両立できます。
ぜひ、今できるおしゃれを楽しんでくださいね。
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