「私たちは頑張っている」ワンオペ育児のリアルを漫画に。こぶたさんが発信を続ける理由【体験談インタビュー】

子育て
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「こぶた家の日々」の作者。現在、3児(4・3・0歳)を育児中。

小学生時代にブタのグッズを集めていたため、ブタを自画像キャラクターにして、Instagramやブログで育児マンガを投稿。

「ママ友って作らないとダメかな?」「ワンオペきつい!」「情報が多すぎて何を信じたらいいかわからない!」そんな人へのエールを送りつつ、寄り添うママ友でありたい。自分自身が手探りで行ってきた育児の悩みや、葛藤を記録することで、同じ悩みや不安を持つ人たちがほっと一息つける場所にしたくて、Instagramやサイトを運営中。

漫画を始めたきっかけは、長男の出産

――こぶたさんが漫画を描き始めたきっかけを教えてください

長男を出産したのがきっかけです。長男が生まれた時、やっぱり長子だから写真や動画をたくさん撮るんですよね。それを不特定多数の方に見てもらいたいなという気持ちがあったんですが、自分の子どもの顔を出して載せることには少し抵抗があって。

もともと絵を描くのが好きで、手帳にメモ代わりに色々描いていたんです。それを「イラストや漫画にしてみよう」と思い立ったのが始まりでした。

――最初はイラストのような形式だったのが、漫画形式になったのはいつ頃からですか?

長男が1歳半の時に次男が生まれたのですが、その頃から漫画形式で描くようになりました。それまでは1枚のイラストに少し文字を入れる感じだったんですが、漫画にしてみようかな、と思い立ちました。漫画形式にすることで、見てくれる方も増えて、反応をいただけるのが嬉しかったですね。

当時は基本的にワンオペで2人の子どもを見ていて、気持ちが落ち込むことも多くありました。そうした日常を漫画にして「こういうこともあるよね」というのを発信すると、「わかる!」と共感してもらえるのが嬉しくて、今まで続けてこられました。

発信を続ける原動力は“共感”

――こぶたさんの作品は、ワクワクする展開もありつつ、子育て中の「そうそう!」という共感が詰まっています。絵はもともと趣味で描かれていたのですか

幼い頃から漫画家やイラストレーターに憧れを抱いていたものの、特に専門的な勉強はしてきませんでした。今描いているコミックエッセイも、見よう見まねで始めました。たくさんの漫画家さんの投稿を見て今もまだまだ勉強中です!

――SNSでの発信を始めたのも、ご長男の出産がきっかけだったのでしょうか

実は育児漫画アカウントの前にも、自分で作った手帳を載せるアカウントを運営していました。発信することで共感してもらえたり、見てもらうことがモチベーションにつながり、「続けられる」という感覚を知りました。

このアカウントを始めたのは、夫に自分の気持ちをうまく伝えられない、という孤独感も大きかったですね。子育て中の孤独感とか、妊活中の「なんで女性ばっかり…」みたいな気持ちをうまく言葉にできなくて。そういう想いをライブ配信などでフォロワーさんに聞いてもらったり、DMやコメントでやり取りしたりすることですごく救われたんです。

物理的には離れていても、近くの知り合いより繋がっているような「仲間が欲しい」という気持ちが、発信を続けるモチベーションになりました。

伝えたいのは「うちらって頑張ってるよね」という肯定感

――作品を通して、一番伝えたい想いは何ですか?

「我が子がかわいくてたまらない!」という気持ちを共有したいのがまずひとつあります。可愛い瞬間やおもしろい発言を記録として残しておきたいなと。

そしてもうひとつ一番伝えたいのは、「うちらって頑張ってるよね」というメッセージですね。

1人目の子が4〜5ヶ月の頃、1日中おっぱいをあげて、ミルクを作って、寝返りするのを見て…という生活の中で、「私、今日何も生み出してないな」って、すごく生産性のないことをしているように感じてしまった時期がありました。社会から分断されているような感覚というのでしょうか、、

でも、そんなことないよ、と。一人ひとりの人間を育てるっていう、ものすごく大きなことをやってるんだよ、っていうのを、同じように感じているママたちに伝えたいんです。

――これまでで、特に印象に残っている読者からの反響はありますか?

フォロワーさんの声は、日々大きな支えとなっています。特に印象に残っているのは、長男に私が流産した時の話を伝えたエピソードへコメントをいただいたことです。

長男を妊娠する前に流産を経験していました。流産という経験は、語ることも描くことも、簡単ではありません。その話を漫画にした時に、妊活期からずっと見てくださっていたフォロワーさんから「あの頃から見ていたから、本当に嬉しかったです」というコメントをいただいて。ずっと見守ってくれている人がいるんだなと実感できて、すごく励みになりました。

こぶたさんのInstagram(muuuuu.b)より引用

今感じていることを記録に残し、誰かの心に寄り添いたい

――今後、描きたいテーマはありますか

育児や知育、アンガーマネジメントなど、自身が学んだことを漫画という形でわかりやすく伝えていきたいと考えています。

あとは、7月から始まった初めての女の子育児で「今しかない尊さ」をすごく感じているので、その気持ちも書き漏らしたくないなと思ってます。

自分自身が手探りで行ってきた育児の悩みや、葛藤を記録し発信することで、妊娠中の人、育児が始まったばかりの人、同じ歳のお子さんがいる人、育児は一段落した人、みなさんのお役に立てたらうれしいなと思います。

目の前の家族や友人との時間がリフレッシュに

-こぶたさんのリフレッシュ方法を教えてください

SNSから少し距離を置き、子どもたちと向き合う時間を持つことが、心の安定につながっています。家族とのスキンシップは、何よりも安心できるひとときです。

また、家族以外の方と育児について語り合う時間も、気持ちの整理や視点の転換に役立っています。そうした時間が、自分自身を整える大切なリフレッシュ方法です。

――読者の方にメッセージをお願いいたします

子育てや妊活、更年期など、女性のライフステージには、さまざまな変化があります。

「私だけかも」と孤独や不安を感じる瞬間がたくさんあると思うんですけど、「1人じゃないよ」「みんなここにいるよ」「頑張ってるって知ってるよ」という思いが、作品を通して伝わることを願っています。これからも誰かの心に寄り添う漫画を描いていきたいと思っています。

(取材:2025年10月)


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