「あったことをそのまま描く」ハズレさんの育児の時間を愛おしむヒントとパートナーとの協力のコツ【体験談インタビュー】

子育て
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ハズレ

「ケチャップとマヨ こどもを育てる」の作者。 InstagramやX、ブログで、3歳娘(コイチャン)&2歳年下夫(Kちゃん)との日常を絵日記で投稿。

あったことを、そのまま描く「育児絵日記」、未来の娘へ贈るメッセージ

――ハズレさんが育児絵日記を書き始めたきっかけを教えてください

昔から育児漫画を読むのが好きで、ずっと憧れがありました。「いつか自分も描きたいな」と思っていたので、子どもが生まれた機会に描き始めたのがきっかけです。

もともと、絵を描くのは好きで、育児絵日記とは別のアカウントでは、TRPG(テーブルトークロールプレイングゲーム)で使う自分のキャラクターを描いたり、仲間内で「描いてほしい」と頼まれたり、趣味の延長でイラストやキャラクターを描いていました。

育児絵日記を始めた当初は、ゲーム仲間や友人に向けて、「こんなことがあったよ」と共有するような感覚で始めましたね。

――コイチャンとハズレさんご夫婦の何気ないやり取りが丁寧に描かれていて、読んでいると、とても温かい気持ちになります。特に反響が大きかった作品はありますか

最初に反響があったのは「全自動ミニトマトヘタ取り機」という漫画です。コイチャン(子ども)にミニトマトのヘタを取ってもらうっていうだけの話なんですが、これがなぜかすごく反響をいただいて。

自分でも「どうしてこんなに見てもらえたんだろう」って不思議でしたけど、漫画の中にちょっとコマンド(コンピュータやプログラムに与える命令)っぽい言葉を入れていたので、もしかしたらエンジニアの方がおもしろがって見てくれたのかもしれないな、なんて思っています。

ハズレさんのX(@HAzzzRE)より引用

よきパートナーのKちゃん、夫婦のコミュニケーションの工夫とは

――漫画には、ハズレさんの良きパートナーであるKちゃん(夫)もよく登場されています。コイチャンとのほほえましい日常や、時には夫婦喧嘩のエピソードも描かれていますが、ハズレさんにとってKちゃんはどのような存在でしょうか

一緒に子育てをする上で、Kちゃんは本当に心強い存在です。

子育ても、私と同じくらいか、それ以上にやってくれますし、なにより、私よりも子どもを楽しませるのが上手なところは尊敬しています。

また、コイチャンに対して感情的になってキツく叱ることがないところも、すごいなと思っています。「今、何が良くなかったのか」をしっかり言い聞かせる形で諭していて、一方的ではないというか、コイチャンの考えや行動を大事にしているのが伝わってきます。

……ゲームの邪魔をされた時だけは、理不尽に怒ったりしていますけどね(笑)。

ハズレさんのブログ「ケチャップとマヨ こどもを育てる」より引用

――子育てや家事の分担がとてもうまくいっている印象ですが、役割分担についてお二人で話し合われたことはありますか

しっかりと話し合ったことはないのですが、たとえば「子どもを連れてゴミを出しに行くのは大変だから、お願いしたい」と頼んだ時、私としてはその時だけのつもりだったのに、ずっとやってくれるようになりました。

お風呂掃除も、私が少しサボっていたら、気付いた時にはやってくれるようになっていたり、休みの日の朝にはパンを焼いてくれたり、夕ご飯づくりを手伝ってくれたりと、言わなくてもいつの間にかやってくれていることが多いです。

気まぐれに、自ら進んで焼豚を圧力鍋で作ってくれたりもしますね!

――「頼んでもやってくれない」「頼んだ時しかやってくれない」という声もよく耳にしますが、Kちゃんは“察して動いてくれるタイプ”で、とてもすてきですね!

不満があるとすれば、書類の内容や期日を確認せずに後回しにして溜め込む癖があるところと、ゲームにハマるとゲームが最優先になってしまうところくらいでしょうか…。

大抵の喧嘩の火種は、そのあたりですね。

――お二人のコミュニケーションにおいて、日々意識していることや工夫されていることはありますか

もともと幼なじみ同士で、結婚した今も、話している感覚は結婚前と何も変わっていない気がします。子どもが生まれた後も同じで、たいていKちゃんが計画を立てて物事を進めてくれて、コイチャンと私を楽しませてくれます。

私がコミュニケーションで気をつけていることとしては、何でもかんでも口うるさく言わないようにすることです。多少脱ぎ散らかしがあっても気にしません(私も脱ぎ散らかしていますし)。気になることがあったとしても、攻撃的にならないよう、「こういう理由があるから、こうしてほしい」と伝えるようにしています。きちんとできているかは分かりませんが…。

Kちゃんの方も、1度伝えると理解して気をつけてくれるので、とてもありがたいですね。

読者からの温かい声が、心の支えになる  

――作品を描く上で、特に大切にされていることや、思いはありますか

とにかく「あったことをそのまま描く」ということを大切にしています。

子どもの言葉や行動をそのままメモして、自分の考えや感情は含まずにそのまま描くよう気をつけています。「コイチャン、あの時どんな表現してたかな」と思い出せないときは、夫としゃべりながら思い出して描いていますね。

この絵日記は、ある意味、コイチャンに向けて描いている作品です。

将来コイチャンが大きくなって、親になって悩んだ時に読んでもらえたらいいな、という気持ちで描いています。日常の家族の様子や、夫婦喧嘩の話を読んで、「自分の親も、ただの人間だったんだな」「同じ悩みがあったんだな」って思ってもらえたらうれしいですね。

――フォロワーさんからの声で印象に残っていることはありますか

読者の方が長文でメッセージをくださったときや、同じ境遇ではないのにすごく共感してもらえたことですね。赤の他人の生活のはずなのに、毎日読んでいただけることが不思議で…その分、すごくありがたいな、と感じています。

子育てだけでなく、自分の家族のことを描くこともあるのですが、「この投稿はモヤモヤさせてしまうかも…」と思いながら出したものに対して、前向きな声や共感の言葉をいただけると、「大丈夫だよ」とそっと守ってもらえたような気持ちになります。

普段は、なるべく事実をそのまま描くようにしているので、自分の思いを強く込めた投稿は多くありません。でも、そうした投稿に多くの反応をいただいたり、「その背景まで汲み取ってくれたんだ…!」と感じるコメントをもらったときは、本当に驚きますし、「ちゃんと届いているんだな」と実感できてとてもうれしかったですね。

――今後、挑戦してみたいことはありますか

たくさんあります!

「いつかやりたいことリスト」をまとめていて、絵本づくりやTシャツの制作、似顔絵制作など、もっと本格的に取り組んでいけたらいいなと思っています。これからもいろいろな表現に挑戦して活動の幅を広げていけたらうれしいですね。

――日々のリフレッシュ方法について教えてください

ゲームをする時間がとても楽しいですね。コツコツ街を建設していくようなシミュレーションゲームが好きで、夢中になってしまいます。

あとは、夫がすごく朗らかで話していて楽しい人なので、一緒におしゃべりをしているだけで自然と笑顔になれるんです。そうした何気ない時間が、心のリセットになっていると感じます。

(取材:2025年10月)


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