母の育児への口出しがうざいと感じてしまいます…。【お悩み相談室】
子育て中の実母からの口出しがストレスになっているという30代女性からのご相談です。
「悪気はない」とわかっていても、「私の時はね」「ちゃんと〜してる?」と繰り返されると、心がすり減ってしまうもの。
今回は、実母がなぜ口出しをしてしまうのか、その背景と、親子関係を壊さずに受け流すための心の整え方について心理士がアドバイスします。
子育てについて実母からの口出しがストレスです。受け流す方法を教えてください。
同居はしていないのですが「私の時はそんなことしなかった」「いつまでには○○できるようにしないとね」等、いちいち注意されるのがとてもストレスです。
例えば、子どもがハイハイする写真を見て、「ちゃんと変な物を食べないように毎日床拭きしてるの?」「いつもしっかり手を洗ってあげてるの?」などと言ってきます。
本来なら心配してくれてありがとう、教えてくれてありがとうと私が素直に聞き入れるべきだと思いますが、言い方もイラっとしますし、初めての育児で余裕も持てず、上手くできません。
どうして子どもの可愛い様子だけで満足せず、文句や口出しをしてくるんでしょうか。どうすれば上手くかわすことができますか?
(30代、女性、ハンドルネーム:なあこ、職種:IT・エンジニア)
最初に
ご相談お寄せいただき、ありがとうございます。
そして毎日の家事育児、本当にお疲れさまです。
ただでさえ余裕が無くなる子育てに追われている中、他の人からのダメ出しは「うっ」と苦しくなりますよね。
それが近しい存在ならなおのこと、逃げ場がないように思えてくるかもしれません。
毎日子どもと接している身からすれば、全てを完璧になんて出来ません。
それを痛いほど自分で分かっているのに、更に言われるとイラっとくるのも当然の感情だと思います。
「いやいや、分かってるってば」「そんな事をいちいち言わないで」と言いたくなることもしょっちゅうだったのではないでしょうか。
そんな中、「本来なら心配してくれてありがとう、教えてくれてありがとうと私が素直に受け入れるべき」だと思われていることが、普段のあなたの優しいお人柄を物語っているように感じました。
実母の“口出しの裏”にある心理を考える
今回のご相談、「実母からの口出しを上手くかわしたい」ということでしたが、上手くかわす上でも必要なのが、実母の視点ということをお伝えさせてください。
なぜ、実母はいつもあなたの育児に口出ししてくるのでしょうか。
元々ネガティブなことを言う癖がある性格なのか…。
それとも、実母にとってあなたは「いつまでも自分の子ども」のイメージで、いつまでも心配だし、未だにずっと自分が育てている気持ちなのか。
親からすると、「自分の子どもは大きくなって成人したとしても、ずっと私の子どもであることに変わりはない」という感覚があるのかもしれません。
いつまでも世話を焼きたいような、心配をしたいような感覚です。
だからといって、好き放題言っていいわけではありませんが、「意地悪からくるダメ出しだったり、自分を否定したいから言っているわけではないかもな」と考えるだけでも少し気持ちが楽になるかもしれません。
世代の違いを“線引き”して整理する
現在20代後半〜40代の方の親世代は、高度経済成長やバブル景気を経験した世代です。
現代よりも、働き方や生き方の選択肢が少なかったこともあり、統一されたような価値観の中で育ち、個性よりも協調性のような変化を好まない世代でもあります。
一方、現代はネットの普及などにもより、変化のスピードも早く、価値観も多様化しており人それぞれの生きていく選択肢も色々ありますよね。
親から旧来的なアドバイスをされた時は「お母さんやお父さんの時代はそうだったんだね。でも、私はこうするね」など少し親と自分を切り離して意見を伝えるのも良いかもしれません。
もちろん、無理に意見を言うことがしんどいのであれば、わざわざ伝える必要もありません。
そっと距離を置くことも自分を守る大切な手段です。
そしてそのことに罪悪感を感じる必要もありません。
親子と言っても、考え方や感じ方はそれぞれ異なる存在なのですから。
大切なのは、今のあなたの身体と心、そして今のあなたの家族です。
最後に
親との関係、家族の関係というのは近い分、中々難しさもありますよね。
適切な距離の取り方や、何か伝えるにしても、心に負荷がかかったり勇気が必要だったりします。
そんな時は、自分の好きなことをしたり、好きな物を食べたりして、自分へのご褒美をたくさんあげて過ごして欲しいなと思います。
あなたのこと、心から応援しておりますね。
専門家がこたえます!お悩み募集中です
「知ってハレばれ お悩み相談室」にお悩みをお寄せください。
毎月ピックアップさせていただいたお悩みとその回答を、「知ってハレばれ お悩み相談室」の記事で公開いたします。下記のフォームからお悩みをお寄せください(匿名でお寄せいただけます)。



