育児は大変。でも「おもしろい」に変えられる。ヒビユウさんの子育てを楽しむ心の持ち方【体験談インタビュー】

子育て
記事をシェア

ヒビユウ

三重県在住、小4・中1の母(2025年11月現在)。

インスタグラムではヒビ家の日常漫画を連載、イラストレーターとしてもwebサイトや出版物、商品パッケージを手がけるなど活躍中。

“外とのつながり”を求め、ベビーダイアリーで描いたイラストをSNSへ発信

――ヒビユウさんが漫画やイラストを描き始めたきっかけを教えていただけますか

もともと絵を描くのが好きで、趣味としてちょこちょこ描いていました。

育児漫画を描くようになったのは、1人目を出産してからベビーダイアリーをつけていましたが、途中から文章を書くのがおっくうになってしまって(笑)。それで、簡単なイラストで記録するようになったのがきっかけでした。

日々の出来事を1コマにぎゅっと凝縮した絵日記のように描いていました。

――SNSでの発信を始めたのも、1人目のお子さんの出産がきっかけだったのでしょうか

発信を始めたのは、2人目を出産した後ですね。上の子が3歳、下の子が0歳で、あまり外に出るタイプの人間ではなかったので、他のママさんや外とのつながりがほとんどない状態で日々を過ごしていました。

社会とのつながりがほしくて、当時少しずつ描いていたイラストや絵日記をInstagramに投稿してみよう、と思ったのが始まりです。

――ヒビユウさんの漫画は、読んでいるとほっこりした気持ちになります。特に反響が大きかった投稿は何ですか

10年前の話なので記憶が曖昧なんですが…。育児の疲れることや泣きたくなるような大変さを少し自虐的というか、おもしろおかしく描いたものには大きな反響がありました。

嫌がる子どもの抱っこ紐への乗せ方を描いた作品などは「おもしろい!」ってすごく反響がありましたね。「私もそうしてます」っていう仲間がたくさんいることも分かって、同じように日々を過ごす全国のママさんたちに楽しんでもらえてよかったなと今でも思い出します。

「そういう風に考えればいいんだ」「客観的に見たら楽しいことのように感じました」といったコメントや、「育児に対して少し前向きになれました」というお声をたくさんいただきました。

みなさんが「大変だな」と思っていることを、私がおもしろおかしく描いたことが受け入れてもらえたのかな、と思います。

「つらい」も見方を変えれば「おもしろい」に

――ヒビユウさんの漫画には、育児の大変さをポジティブに変換して発信されているのがすごく素敵だと感じます。作品づくりで意識されていることはありますか

意識している、というよりは、自然とそうなっていった感覚です。

日中、1人で子どもと向き合っていると「もうつらい、つらい」と感じてしまうこともありますよね。特に子どもが小さい時はつい感情的になったり、後からすごく落ち込んだりすることもあったり…。

でも、寝かしつけが終わって、子どもの寝顔を眺めていたり、リビングに戻ってふと一息ついていたりすると、「あれ?実はあれってすごくおもしろいことだったんじゃないか?」とその日を振り返ってほっこりすることが度々ありました。

子どもが成長していずれ1人でできるようになることも、「今だけのこと」って思うと、すごくおもしろくて愛おしいことなのかなと。

ヒビユウさんのInstagram(@hibi_yuu)より引用

そうやって1日を通して気持ちが変化していくんですよね。子どもが寝た後に、その日の出来事を1コマの絵にして、次の日にアップするというのが当時のルーティンでしたね。

“自分の体は1つなのに…” 2人育児で1番大変だったこと

――2人のお子さんを生み育てる中で「これは大変だったな」という思い出はありますか

いろんな段階で大変なことはたくさんあったのですが、2人目が生まれた時の上の子のケアがすごく大変でした。お兄ちゃんが焼きもちを焼いてしまい、下の子に手がかかる分、上の子の気持ちのケアの仕方がすごく難しかったです。

体は1つなのにどうバランスを取ればいいのか、毎日悩んでいました。

どうしても下の子のケアをする時間が長くなってしまうため、「お兄ちゃんは特別な存在だよ」ということを日々伝えるように意識していました。下の子が寝ている間に2人で楽しい遊びをしたり、大好物を晩御飯に出したり、寝る前にも遊びたがるので、疲れていてもある程度応えたりなど。

「あなたのこともちゃんと想っているよ」という気持ちを、ボロボロになりながらも伝えようと必死でしたね。がむしゃらすぎて、あまり記憶がないくらいです(笑)。

親離れ、子離れのタイミング。成長していく子どもたちとの向き合い方

――現在、中学生・小学生とお子さんたちも大きくなられましたが、小さい頃とはまた違った大変さはありますか

上の子が中学生になって、親離れ・子離れの練習なのかな?と思うようなことが増えてきました。

今までは自分の見える範囲の中で育っている感じだったのですが、中学生になってからは立ち入れないゾーンができたというか…。こちらから触れない方がいいかなって思うことも増えて、「私の知らない世界の中でも、ちゃんと生きているんだな」と、うれしくもあり少し寂しさもありますね。

ヒビユウさんのInstagram(@hibi_yuu)より引用

また、子どもの成長に伴い、このまま日常漫画を発信し続けていくことが正しいのかと思うこともありました。描く内容に配慮したり、投稿頻度を毎日から週に1回程度に減らしたり、子どもたちには、「ママ、こういうこと描いてSNSに投稿しているの知ってると思うけど、これからも描いていい?」って相談したり、「この出来事描いてもいい?」と本人たちに確認するようにしました。

子どもたちは「いいよ!周りの友達も見てくれてるし、楽しみにしてくれてるんだ」と喜んでくれることもあり、その気持ちに甘えさせてもらい、これからも私のペースで日々の出来事を描き綴っていきたいと思っています。

――同じように子育てに奮闘されている方へメッセージをお願いします

育児って、本当に大変なことも多いですが、「これは今限定かも」「5年後、10年後の私が今の状況を見たらどう思うかな?」と見方を変えてみると目の前の景色がちょっと変わって、しんどい気持ちが感謝の気持ちに変わったり、「まぁいいか〜!」と思えることもあるんです。肩の力を抜いて、美味しいものを食べて、ご自身のことを大切に毎日を過ごしてください!!

子どもたちが成長し、生活環境や描く内容、私自身の気持ちも変化し続けています。まずは私自身、そして家族の健康と生活を大切にしながら、これからも私らしく活動していきたいと思っています。

リフレッシュは自分の時間と子どもたちの応援

――気持ちが沈んだ時などのリフレッシュ方法があれば教えてください

1人でのんびり過ごす時間がリフレッシュになります。子どもが小さい頃は、夫に協力してもらって時々ひとりでカフェに行ったりしていました。今は子どもたちが学校に行っている間に意識的にそういう時間を作って楽しんでいます。(お買い物や音楽を楽しんだり、人生初の推し活も!)

あと、子どもが所属するスポーツ少年団の応援に行って、大声で応援するのもすごく元気になれます。子どもたちの頑張る姿を見ると、私もリフレッシュできるんです。青春をもう一度味わっている気分になります(笑)。

(取材:2025年11月)


記事をシェア
あなたのお悩みを募集中。

あわせて読みたい

トップ > 子育て > 育児は大変。でも「おもしろい」に変えられる。ヒビユウさんの子育てを楽しむ心の持ち方【体験談インタビュー】