「育児は2人で」のはずなのに…分担がうまくいかない夫婦のすれ違い【お悩み相談室】
今回は、小さな子どもを育てながら、夫婦で育児を分担しているはずなのに、実際には自分ばかりが段取りや気配りをしているように感じてつらくなっている30代女性からのご相談です。
お願いすればやってくれるものの、自分から動いてくれないことや、話し合おうとしても気持ちがかみ合わないことに、モヤモヤを抱えているとのこと。
育児分担で感じやすい「見えない負担」の正体や、気持ちをすり合わせていくための考え方について、公認心理師がアドバイスします。
こんにちは。小さい子どもを育てている30代の母です。
夫とは「育児は2人でやっていこう」と話してきたのですが、実際の分担がうまくいっていません。お願いすればやってくれるけど、自分から動いてくれることは少なくて…。
私ばかりが頭を使って、段取りして、子どもの気持ちも考えている気がして、正直つらくなる時があります。
「ちゃんと話し合おう」と言っても、話がかみ合わないというか、「やってるつもり」「ちゃんと見てる」と言われるとそれ以上言いづらくなってしまって。
私の感じている“モヤモヤ”を、どう伝えたらいいのか分からなくなっています。
お互いに納得できる育児分担って、どう作っていけるんでしょうか。
(30代、女性、ハンドルネーム:倉田、職種:営業)
最初に
毎日の育児、本当におつかれさまです。
「育児は2人でやっていこう」と話し合ってきたのに、
実際は自分ばかりが頭を使い、先回りして、
子どもの気持ちまで考えている気がする——そのしんどさ、とてもよく伝わってきました。
「お願いすればやってくれるけど、自分から動かない」パートナーさんに対して、もやもやした気持ちが募るのは当然のことです。
一見すると平和な関係に見えても、その背後では
「私ばかり気を張っている」「何もしないわけじゃないけど、察してくれない」
というストレスが積み重なりやすいのです。
あなたが感じているのは、単なる家事分担の不公平感ではなく、「私の大変さを理解してもらえない寂しさ」でもあるのではないでしょうか。
2人で育児をするという約束があったからこそ、その理想とのギャップが余計につらいのだと思います。
孤独な気持ちの中、よく頑張ってこられましたね。
『すりあわせの練習』と伝え方のコツ
お互いに納得できる育児分担を作るためには、
まず「話し合い=正論のぶつけ合い」ではなく、「すり合わせの練習」だと捉えると少し楽になるかもしれません。
たとえば、「私ばかり考えている」と伝えると、パートナーさんは“責められた”と感じ、防衛的になってしまうことがあります。
その代わりに、「私が助かるのはこういうときなんだ」と“自分の感覚”を主語にして伝えてみましょう。
「さっき、頼む前からこれをやってくれたよね。すっごく助かった!」と、上手くいった事実を伝えるのも効果的です。
「お願いしなくても動いてくれると、私の心に余裕ができるんだ」
「さっき、先に子どものことを気づいてくれたよね。“あ、見てくれてる”って安心したよ」
こうした言い方だと、相手は“自分の存在が役に立つ”と感じやすくなります。
見えない段取りを見える化すると?
また、“分担表”のように作業を細かく可視化するのも有効です。
たとえば「朝の支度」「寝かしつけ」「保育園の支度」などを項目に分け、それぞれに必要なタスクを一緒に書き出す。
見えない段取りを見える化することで、あなたが日々どれだけ多くのことを考えているかが具体的に伝わります。
相手が「ちゃんとやってるつもり」でも、頭の中の段取りまでは共有されていないことが多いのです。
書き出すことで、「これは任せても大丈夫」「ここはまだ分からない」など、客観的な話し合いがしやすくなります。
モヤモヤの正体は“作業量”ではない
家事や育児の“実作業”よりも、“考える負担”や“段取りする負担”が偏っていると、人は強い疲労感を感じます。
目に見えない負担の格差を感じるのですよね。
この格差を減らすためには、「同じ量をやる」よりも「同じ責任を共有する」ことが大切です。
たとえば、「子どもの通院を夫婦で管理する」「保育園の持ち物を交互に確認する」など、“頭の負担を分け合う工夫”をしてみてください。
もし話し合いが行き詰まったら、一気に理想を目指さず、「今週はこの1つだけ」を共有するのもおすすめです。
すべてを完璧に分担しようとすると疲れてしまいますが、1つの成功体験が積み重なると、お互いに「協力しやすい空気」が生まれます。
最後に
あなたが感じるモヤモヤは、夫婦で一緒に子育てしていきたいという健全なサイン。
どうか我慢せず、少しずつ話せる形を見つけていってくださいね。
“家事・育児のチーム化”は、一晩では完成しません。
でも、あなたの気づきと工夫が、確実に家庭の空気を変えていくはずです。
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