復職後の育児ハラスメント。心ない言葉から自分を守り、働き方を見つめ直すためのヒント【お悩み相談室】

子育て
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今回は、育児をしながらの復職後、職場で「また休むの?迷惑かけないで」といった育児ハラスメントに悩む30代女性からのご相談です。
上司への相談や改善提案など、自ら行動を起こしてきたにもかかわらず、孤立感が深まるばかりの現状。「これ以上どうすればいいのか」と、限界に近い場所で踏ん張っていらっしゃいます。

環境のせいで自己肯定感を下げないための考え方や、味方を作るための具体的なステップについて公認心理師がアドバイスします。

育児をしている中で、上司や同僚から心ない言葉や態度を受けることが増えてつらいです。子どもの急な発熱や行事で休みを取るたびに、「また?」「迷惑かけないようにしてよ」など、軽く言われるだけでも胸がざわつきます。

出産前は評価も安定していましたが、復職後は責任のある仕事を任されることが減り会議にも呼ばれないことが増えました。自分だけ置いていかれているような孤立感が強く、仕事へのモチベーションも落ちています。

これまでに、上司との面談で状況を説明したり、在宅勤務を増やす提案もしてみましたが、実際にはあまり改善されていません。社内の相談窓口もありますが、利用したことで逆に立場が悪くなるのではと不安です。

勇気を出して上司に相談しましたし、できることはやったつもりです。
これ以上どうしたらいいんでしょうか…

(30代、女性、ハンドルネーム:みなも、職種:事務・オフィスワーク)


最初に

みなもさん、ここまで本当によく耐えてこられましたね。
子どもの急な発熱や行事で休むたびに投げかけられる「また?」「迷惑かけないようにしてよ」という言葉。
たとえ軽い口調でも、繰り返されると心がすり減っていくのは当然です。

復職前は評価も安定していて、責任ある仕事にも関わっていた。
それなのに、復職後は会議から外され、任される仕事も減っていく。
その変化を前に、「私はもう必要とされていないのかな」と感じてしまうのも無理はありません。

上司との面談で状況を説明し、在宅勤務の提案もした。
それでも現実はあまり変わらない。
ここまで行動してきたみなもさんが「これ以上どうしたらいいかわからない」と感じるのは、努力不足ではなく、限界が近いサインかもしれません

仕事の負担を減らす、会議のメンバーに入れないというのは、
もしかしたらみなもさんへの配慮の「つもり」だった可能性もあります
でも、本人が傷つき、孤立を感じ、力を発揮できなくなっているなら、その配慮は機能していません
みなもさんがつらいと感じている事実そのものが、何より大切に扱われて良いものです

「同じ経験をした人」を職場で探してみる

ここで一つ、視点を広げてみましょう。

この部署の人たちは、みんな同じ考えなのだろうか?
私より前に、同じように子育てしながら働いた人はいなかっただろうか?

もし、似た経験をした先輩社員がいれば、それだけで孤立感は少し和らぎますし、「どうやってやり過ごしたか」という現実的な知恵をもらえるかもしれません

他の社員への相談の仕方

大切なのは、相談の仕方です。
“愚痴”や“告発”に聞こえないよう、あくまで経験を聞く姿勢で声をかけてみてください

たとえば、こんな声のかけ方はどうでしょう?

-「少し前に育児と仕事を両立されていたと聞いて、もし差し支えなければお話を伺えたらと思っていて」

-「復職後の働き方で、正直戸惑うことが多くて…。○○さんは当時、どんなことが一番大変でしたか?」

-「今、私が感じているこのモヤモヤって、以前にもありましたか?」

-「どうやって気持ちの折り合いをつけていましたか?」

ここで大事なのは、「うまくやれた方法」を求めすぎないこと

「正直、つらかったよ」「あの時期はしんどかった」という言葉が返ってくるだけでも、「自分だけじゃなかった」と感じられます

もし、「誰もいなかった」「誰も話してくれなかった」としたら、それはそれで重要な情報です。

今抱えている問題は、みなもさんの問題ではなく、その職場の文化や限界によって生じている問題だと考えられるからです。

今の環境で「自分を壊さずいられるか」を考える

職場での心ない言葉や役割の縮小は、本人の自己肯定感を大きく揺さぶります。
とくに、能力とは関係なく任されなくなる状況は、人を深く傷つけやすいものです。

だからこそ、今大切なのは、もっと頑張ることではありません。
「どうすれば、この環境の中で自分を壊さずにいられるか」を考えることです。

先輩の体験を聞くことは、答えをもらうためではなく、判断材料を増やすための行動です。
ここで踏ん張るのか、少し距離を取るのか。
今は耐える時期なのか、次を考える時期なのか。

その判断をするために、自分だけで抱え続けないのも、選択のひとつです。

最後に

みなもさんは、もう十分やってきました。
相談もしたし、工夫もしたし、我慢もした。
これ以上、自分を責める必要はありません。

あなたが感じているモヤモヤは、「ちゃんと働き続けたい」「大切に扱われたい」という健全な願いの表れです。
どうかその声を無視せず、少しずつでも、自分を守る方向へ舵を切ってくださいね

 

<本記事の回答者>

戸田さやか

公認心理師/臨床心理士/生殖心理カウンセラー/がん・生殖医療専門心理士/ブリーフセラピストシニア

所属:株式会社ファミワン

「妊活や性の悩み、子育てや働き方のことまで、「誰に相談していいかわからない」テーマも歓迎しています。どんな内容でも大丈夫。安心してご相談ください。臨床心理学の確かな知識と技術を活かし、原因探しや悪者探しではなく、あなたにとってのゴールを発見するお手伝いをさせてください。」


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