ヘルメット治療は高額… 生後3か月赤ちゃんの斜頭症が心配ですが受診に踏み切る勇気が出ません【看護師監修:お悩み相談室】

子育て
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今回は、生後3か月のお子さんの斜頭症が気になり、ヘルメット治療を選択するかどうか悩んでいる30代女性からのご相談です。
自宅ケアに限界を感じつつも、50万円前後の高額な費用や、帽子嫌いな我が子が1日20時間もヘルメットをつけられるかという不安から、病院を受診すべきか迷っていらっしゃいます。

胎内での姿勢や向き癖による位置的頭蓋変形について解説し、首すわりや寝返りで自然改善する可能性、専門的な評価を受けてみることの大切さについて看護師がお伝えします。

生後3ヶ月になる子を育てています。 生まれつき頭の右後ろが平らで、上から見るとまるでつぶれた栗のようになっています。
実は、36時間かかる難産でいきむのも下手くそでした。そのせいで変に圧迫されて頭の形が歪んでしまったのかなと、ずっと気にしています。
少しでも斜頭がマシになるようにと、こまめに顔の向きを変えたり、タミータイム(うつ伏せ練習)を取り入れたりして努力してきました。それでも、本人はいつも右ばかりを向いて寝てしまうため、自分のアプローチに限界を感じてもどかしい日々です。

私が気にしているからか、街中でもヘルメット治療をしている赤ちゃんをよく見かけます。
ただ、我が子は帽子(ミトンや靴下さえ)をひどく嫌がるタイプなので、「20時間以上もヘルメットをずっとつけていられるだろうか」と大きな不安があります。そして何より、50万円前後という非常に高い費用が大きなネックになっています。

自然に治るならそれが一番ありがたいのですが、このまま様子見をしていて手遅れになるのも怖いです。
受診する勇気が出ないのですが、ヘルメット矯正をするべきでしょうか?
ヘルメット矯正を検討した方がいい場合、ヘルメット治療について詳しく教えていただきたいです。

(30代、女性、ハンドルネーム:そら、職種:主婦)


最初に

そらさん、ご相談ありがとうございます。

生後3か月のお子さんの頭の形について、ずっと気にかけてこられたのですね。
上から見ると右後ろが平らになっていて、出産時のことを思い出しながら「自分のせいだったのではないか」と考えてしまうお気持ちもよく伝わってきました。

36時間にも及ぶ難産だったとのことですから、出産そのものも大変な経験だったことでしょう。
その中で、お子さんの頭の形を少しでも改善できればと、向きを変えたりタミータイムを取り入れたりと、ご家庭でできる工夫を続けてこられたのですね。
それでも思うような変化が見られず、もどかしさを感じていらっしゃるのも無理はありません。

また、最近はヘルメット治療をしている赤ちゃんを見かける機会も増え、「うちも受診した方がいいのかな」「でも高額だし、嫌がったらどうしよう」と悩まれているとのこと。
自然に改善するならそれが一番ですが、様子見をしている間に治療のタイミングを逃してしまうのではないかという不安もありますよね。

お子さんの将来を思うからこそ、受診するかどうかで迷ってしまうお気持ちはとても自然なことだと思います

赤ちゃんの頭の形の状態を正しく知ること

今回のお悩みについては、「今すぐヘルメット治療を始めるべきかどうか」を決めるよりも、まずはお子さんの頭の形がどの程度なのか、専門的な評価を受けてみることが大切かもしれませんね。

頭の形のゆがみには、向き癖などによる位置的頭蓋変形と、まれではありますが治療が必要な病気である頭蓋縫合早期癒合症があります。(※)
見た目だけでは区別が難しいこともあるため、まずは診断を受けることで安心につながる場合があります。

また、ヘルメット治療はすべてのお子さんに必要なわけではありません。
自然な成長や生活指導で改善が期待できるケースもありますし、逆に重症度によっては早めの検討が勧められる場合もあります。(※)

ヘルメット治療をするかどうかを決めるための受診ではなく、今の状態を正しく知るための受診と考えられると、少しハードルが下がるかもしれませんね

赤ちゃんの頭の変形について

赤ちゃんの頭の骨は非常に柔らかく、胎内での姿勢や出産時の圧迫、生後の向き癖などによって頭の形に左右差が生じることがあります。(※)
特に同じ方向を向いて寝ることが多い赤ちゃんでは、後頭部の一部が平らになる位置的頭蓋変形(斜頭症)がみられます。(※)

位置的頭蓋変形は病気ではなく、多くの場合は脳の発達に影響を及ぼすものではありません。(※)
一方で、変形の程度によっては耳の位置や顔面の左右差が目立つこともあり、専門的な評価が勧められる場合があります。(※)

ご家庭で行われている向きの調整やタミータイムは、一般的にも推奨されるケアの一つです。(※) 

生後3か月という時期はまだ頭の形が変化しやすく、首すわりや寝返りが進むにつれて圧力のかかり方が変わり、自然に改善していくケースも少なくありません。(※)

ヘルメット治療について

ヘルメット治療は、赤ちゃんの頭の成長を利用して形を整えていく治療法です。

一般的には生後4〜6か月頃から検討されることが多く、生後4〜8か月頃が治療効果を得やすい時期とされています。(※)
装着時間は1日20時間以上が目安となることが多く、治療期間は数か月程度です。(※)

費用については自由診療であることが多く、医療機関によって差はありますが40〜50万円前後になることがあります。(※)

また、帽子を嫌がる=ヘルメット治療ができないとは限りません
実際には数日から数週間かけて慣れていく赤ちゃんもいます。
よって適応は異なるため、専門外来で相談しながら判断することが大切です。

最後に

現在、生後3か月ということは、もし専門的な評価を受けるのであれば良いタイミングともいえます。
治療を受けるかどうかは受診後に判断できますので、まずは小児科や形成外科、脳神経外科などの頭のかたち外来に相談してみてはいかがでしょうか。

何より、そらさんはすでにお子さんのためにできることをたくさん実践されています
どうかご自身を責めず、正しい情報を得るための一歩として受診を検討してみてくださいね

<参考文献・出典>※以下の文献を参考にしています

一般社団法人 日本ヘルメット治療評価認定機構
▶頭蓋健診とヘルメット治療の現状を踏まえて:https://jcqht.org/

国立研究開発法人 国立成育医療研究センター
▶形成外科:https://www.ncchd.go.jp/hospital/about/section/geka/keisei.html

慶應義塾大学病院 小児頭蓋顔面センター
▶寝ぐせによる頭蓋変形:http://cranio.hosp.keio.ac.jp/muki.html

この記事の回答者

三次救急、二次救急の病院にて主に小児看護を経験しました。疾患だけを見るのではなく、発達段階や生活背景、保護者の思いを含めて支援していくことが小児看護の大切さだと感じています。みなさまの心に寄り添い、妊娠から出産、育児のサポートをして参ります。


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