イライラとモヤモヤが連続の子育て。マイナスの感情を持っていても大丈夫【助産師 二宮 恵理佳】

子育て
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助産師・性教育認定講師 二宮 恵理佳氏

二宮 恵理佳

看護師、助産師、性教育認定講師(日本思春期学会)

助産師として都内大学病院にて約5年勤務。産科病棟や産婦人科・不妊外来にて患者様と関わる中で、患者様が必要とした時に時間や場所を気にせず手を差し伸べられるような存在が必要だと思うようになり、ファミワンにジョイン。

助産師の立場から情報の発信やアドバイザー業務、セミナー登壇を担当。日本思春期学会性教育認定講師として性教育にも活動の幅を広げております。

自分の子育てを通じて出会った「包括的性教育」

ー二宮さんが助産師を目指したきっかけを教えてください

助産師を目指したのは、小学校4年生の時でした。近所に住んでいた仲の良いおじさん夫婦に子どもが生まれ、一緒に過ごす中で「赤ちゃんってなんて尊いんだろう」とこども心に感じたんです。その時から赤ちゃんに携わる仕事がしてみたいと思うようになりました。

その後、看護師と助産師の免許を無事取得し、新卒からは都内の大学病院で産科病棟や産婦人科外来、リプロダクションセンターなどに勤務しました。

第1子の出産を期に病院を退職しましたが、今は育児のかたわら、オンラインでの相談対応や、性教育に関わる勉強をしながらセミナーを行ったりしています。

ー性教育に興味を持たれたのはどのようなきっかけだったのでしょうか

自分自身が子育てをすることが自分が親にどう育てられたかを振り返るきっかけにもなり、私の子育てってこれでいいのかなと思うようになりました。

そんな時に「包括的性教育」に出会い、自分なりにいろいろと勉強していくうちに、我が子の未来のためにも、この考え方をもっと若い世代に早く伝えたいという思いが芽生えました。今まさに子育てで悩んでいるお母さん、お父さんたちを助ける考え方としても広めていきたいという気持ちが大きいですね。

母校の高校で高校2年生に向けた性教育の講義

マイナスの感情を持っていても大丈夫、解消の方法を伝えていきたい

ー取り組みや活動の中で、心がけていることや大事にしていることはありますか

包括的性教育を学ぶことで、自分の気持ちや身体のことを我慢したり、自分の気持ちを押し殺したりする必要はないんだよということを学ぶことができました。

マイナスの感情を持つことは悪いことではないので、自然なものとして受けとめていいんです。育児のご相談をいただく際にも、マイナスな気持ちになることもあるよね、と共感の気持ちを伝えることを大切にしています。

ただ、そのマイナスな気持ちを、子どもには伝わらないよう解消する方法を伝えていきたいとは思っています。親自身が気持ちを整理できず、子どもに言葉や態度で伝えてしまうことってありませんか。私自身、小さい頃に母親に言われてショックだった言葉を今でも覚えています。そして自分が親の立場になった今、子どもは大人になっても親に言われたことを覚えている、という点は心に留めておかないといけないことだと思っています。

イヤな気持ち、マイナスな気持ちは、自分の中で整理してその気持ち自体を自分自身で認めて切り替える、夫婦で共有して考えるなど、うまく解消してほしいと思っています。

ひとりひとりの悩みに寄り添うことが自分のやりがいにつながっています

ー活動や取り組みの中で、やりがいを感じてる部分を教えてください 

今は、相談者さんひとりひとりの悩みに寄り添えることに一番やりがいを感じています

病院に勤務していた時は、患者さんがすごく不安そうに病院を後にされたり、シリアスな状況でこのまま帰って相談できる人はいるのかなと私自身が心配になることがしばしばありました。妊娠初期など、一番心配な時期ほど妊婦健診の期間もあいていますよね。

いま私はファミワン(https://famione.co.jp/)でのアドバイザーとしての業務がメインなのですが、病院で治療中の方からご相談をいただくことも多くあります。入院している患者さんであっても、ドクターや看護師に質問するタイミングってなかなか分からないと思います。診察時だけの短い時間で、質問するタイミングを図り、聞きたいことを全部を聞くって相当難しいですよね。

また、今こんな症状があって、受診すればいいか迷っていますという受診前のご相談や、夫婦関係のこと、ご自身のボディイメージの変化に対する戸惑いなど、病院では聞きにくいご質問も多くいただいています。

患者さんにとって、専門家に自分の悩んでることをダイレクトに質問できるというのはすごく良いことですし、対面ではないからこそ聞けることもあると思います。患者さん側とアドバイスをする専門家側がお互いに満足しながら働けるのはすごくいいなと思ってます。

看護師や心理士と一緒に保護者に向けたオンラインイベント「こども性教育」を開催

お子さんについて悩んで相談できるのはすごいこと!

ー育児をしている方からよくあるお悩みを教えてください

新生児から1歳までは、睡眠に関するご相談が多いですね。

「すぐ起きてしまう」「寝てくれない」といった睡眠の悩みはそのお家の生活やその子の個性によるところが大きいので、これがあれば大丈夫みたいな万能な策はないんですよね。相談者さんからお子さんの様子だったりとか、家の状況、生活のリズムなどをお伺いして、それぞれに合う対応策を提案して、今日はこれをやってみましょうかというように一緒に考えています。

1歳を超えてくるとお子さんの成長や発達のご相談もいただきます。声かけの方法など、自分の育児の経験を活かしたアドバイスをしたり、発達に関することはほかの専門家と連携しながらお答えしています。

お子さんについて悩んで相談するという行動は、より良い育児をしたいんだという思いやりの表れだと思うので、とてもすごいことですよね。 こうやって誰かに相談したいと行動しただけで、素晴らしい思いを持っているんだよということは必ず伝えるようにしています。

ー育児をしているママ、パパにメッセージをお願いします

育児をしていると、1日に何度もイライラしたりモヤモヤすることってあると思います。それが態度や行動に出てしまって子どもにあたってしまったりすることもありますよね。

なんかイライラしちゃった時には、一回手を止めて、自分は何に対してイライラしてるんだろうと考えてみてください。イライラの原因を追求すると、実は子どもは関係ないことが多くて、お皿が洗えていないとか洗濯物が畳めていないとか、なんとなくやらなきゃいけないと思っていることができていないことが原因だったりします。

家事も少しくらいやらなくても実は誰も困らないので、イライラの原因を自分なりに整理して、気持ちを切り替えてほしいなと思います。

漫画を読んだり音楽を聴いたり つかの間の自由な時間を楽しんで

ー 二宮さんオススメの、気分がモヤモヤした時のリフレッシュ方法だったり、リセット方法をお聞かせください

漫画を読んで漫画の世界に没頭することです。

子供が昼寝したちょっとした時間に、漫画を読みます。育児から離れて漫画の世界に没頭することは、悩んでたり、イライラしていた気持ちをリセットするのに良い方法かなと思います。そのほかにも、1人の時間が取れた時はイヤホンで音楽を聴きながら出かけたりして、今私はこうやって音楽を自由に聞ける身なんだなって実感しながら楽しむようにしています。育児をしていると忘れがちな、自分のことを思い出せる時間をつくるようにしていますね。

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