40歳で焦る気持ち。年下の夫を本気にさせるには?【お悩み相談室】
今回のご相談は、ご自身が40歳となり、妊活に焦りを感じているものの、5歳年下の夫は本気でなく夫婦間で温度差を感じているという女性からのご相談です。
妊活中、パートナーと良好な関係を保つポイントについて、性や不妊治療、カップル関係が専門の生殖心理カウンセラーがお答えします。
最近40歳になったばかりの女性です。
結婚も38歳と遅く、私としては1日でも早く妊活に取り組みたいのですが、旦那が5歳年下ということもあり、なかなか本気になってくれません。ひと通り妊活の進め方のハウツー本などを読んでいるのですが、ちょっと疲れてきてしまいました。
夕食に精のつくものを出すとか、夜の雰囲気を変えるとか、どうしたら伝わって向こうも本気になってくれるか色々と考えてみていますが、どれもそこまで伝わっている感じはありません。
最近ではSNSでも、友達はみんな家族の話題を書いていて、読んでいて辛くなることもあります。
親などからは特に子どもの催促やプレッシャーはないのですが、それも気を使われているのではないかと感じてしまいます。
これまでは比較的自由に生きてきたので、自分のせいと言えば自分のせいなのですが、今後どうすればいいでしょうか。
夫婦で仲良く過ごしていきたいと思っていますが、このままの気分が後何年か続いてしまったら、夫婦関係も悪くなってしまうのかもと怖くなってしまっています。まだ病院にも行けていないので、背中を押してもらえると嬉しいです。行くなら夫婦で行きたいとずっと考えていましたが、一人でも行くべきでしょうか。
(40代、女性、ハンドルネーム:みーみー、職種:販売・サービス)
夫婦間での温度差、パートナーとのコミュニケーションのポイントは3つ
ご相談ありがとうございます。ご結婚から2年、現在40歳になられたとのこと。女性は加齢とともに妊娠率が低下していきますから、みーみーさんはとても焦る気持ちを抱えておられるのではないでしょうか。周りの友達がどんどん子どもを授かって家族として次のステップへ進んでいるのに、まるで自分だけが取り残された気持ちになってしまいますよね。
夫婦で妊活に温度差があると、お互いに「どうして同じ気持ちで子どもを欲しいと思ってくれないんだろう」「どうしてそんなに妊活にこだわるのだろう」という思いから、妊活の話題がどんどん「触れてはいけない禁断の話題」になってしまいます。特に、遠回しに相手をその気にさせようとしたり、波風立てず相手の要求を受け流したりするコミュニケーションは、お互いの不満を蓄積させ、いつか爆発させます。
そうならないためにも、パートナーさんと率直に話し合えるのが理想ですよね。
話し合いの第一のポイントは、あなた自身がどうして子どもを望んでいるのか、相手にわかるように伝えることです。
「あなたと私の遺伝子を継いだ子どもに会ってみたい」
「あなたと子どもと一緒に、こんな経験をして、こんな家族になりたい」
「大変なことも幸せなことも、あなたと一緒にたくさん経験していきたい」
こんなふうに、まずはあなた自身の気持ちを整理してみましょう。
あなたはなぜ、子どもが欲しいのでしょうか。
第二のポイントは、伝える場のセッティングです。パートナーさんは、これまであなたの「一緒に妊活して!」という遠回しなメッセージをひらりひらりとかわしてきました。つまり、パートナーさんにとってこの話題は、先送りにしたい、できれば触れたくない話題です。そんな話題について話し合うのですから、話しやすいタイミングを作るのがとても重要です。
パートナーさんの気持ちや時間に余裕があり、たとえ1回の話し合いでは意見が合わなくても、そのあと一人になって気持ちを切り替えられる。そんなタイミングはあるでしょうか?
できれば、いつ、何について話したいのか、あらかじめ伝えておけると良いですね。突然話し合いを始められても、パートナーさんは自分の考えを伝える準備ができていませんから、あなたが一番知りたい彼の想いを聴くことはできません。LINEや手紙でも良いので、「私は妊活を始めたいと思っているけれど、あなたの考えも聴かせてほしいから、話す時間を作ってくれないかな?」と伝えておきましょう。
もしかしたら、話し合い自体を断られるかもしれません。その場合、パートナーさんの中に何かしら、妊活のことを考えたくないという強い気持ちがあるのだと考えられます。その気持ちを教えてもらえるよう、アプローチを変える必要があるかもしれません。
第三のポイントは、妊娠についての知識量には男女で差があることを理解し、その差を埋めることです。まだまだ、加齢によって妊娠率が大きく低下することを知らない男性は多いようです。「妊娠しにくくなると言っても、なんだかんだで妊娠できるんでしょ。だってあの人も、あの芸能人も、40代半ばで妊娠してたし」と思っている方もいます。
妊活のハウツー本をお持ちなら、恐らく、年齢と妊娠率の関係についてや、35歳以降は高齢妊娠になり、40代は妊娠出産のリスクが高まることが書かれているのではないでしょうか。そうした専門家による説明を一緒に見て、知識差を埋めていきましょう。
この時、あなたが教える側、パートナーさんが教わる側になるのは避けましょう。教える―教えられる関係で固まってしまうと、妊娠・出産・育児でもその関係がずっと続く傾向にあります。子育てのことも全部あなたが調べて、パートナーさんに教えて指示を出して…そんな子育て期にはしたくないなぁと思われるなら、一緒に学ぶ、一緒に知る、というスタンスを大切にしてくださいね。
まずはご夫婦で対話して、それぞれの希望をしっかり確認
パートナーさんと一緒に妊活を始められることになったら、ぜひご夫婦で一緒に不妊治療専門の医療機関を受診してください。受診の目安は、次の通りです。
・34歳までなら1年たっても妊娠しなかったら
・35歳~39歳までなら半年たっても妊娠しなかったら
・40歳以降に妊娠を希望したら
みーみーさんは40代ですから、専門家としてはすぐに受診し、積極的に不妊治療を検討していただきたいところです。ですが、ご夫婦ともにそれを望んでいない状態で始める不妊治療は、お勧めしません。
まずはご夫婦で検査を受け、不妊治療をした方が良さそうか、するならどのような治療から始めるかなど、確認しましょう。不妊治療を積極的に考えているわけではなく、とりあえず検査で今の状態を知っておきたい場合、医師にそのことを伝えておきましょう。医師が「検査に来たのだから、きっと不妊治療を希望しているのだな」と思っていたら、治療を前提とした診療が始まります。ご自分たちのニーズは、はっきりと医師にお伝えになって大丈夫です。
人生の大切なことだから、たくさん悩むしモヤモヤしますよね。妊活についてお話したい事があれば、またいつでも聞かせてください。
回答者:生殖心理カウンセラー
都内不妊治療専門クリニックに勤務。性や不妊治療、カップル関係が専門で、カップル・家族の心理支援を行っています。カウンセリングではユーモラスな会話と、「話してみて良かった」と少しでも感じてもらえることがモットー。未来のために一緒に作戦会議をしましょう!
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