妊活を始めたばかり…食事でできる体づくりとは?【お悩み相談室】

妊活・不妊
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今回は、「妊活を始めたけれど、何から手をつけたらいいかわからない」とお悩みの20代女性の方からのご相談です。夫婦で一緒に食生活を見直したいと考えているようです。

妊活に役立つ栄養素や避けたい食品、心がけたい習慣について管理栄養士がアドバイスします。

妊活を始めたものの、何をどうすればいいのか全然わからず不安です。とりあえず、身近なところでできることから始めようと思っていて…まずは夫婦で食べ物や飲み物を見直したいと考えています!妊活中に意識したほうがいい栄養、食べ物はありますか?また避けるべき食品ってあるのでしょうか?ネットで調べたり、妊娠中の友人に聞いたりすると色々なことを教えてもらって、どの情報が正しいのか分かりません。とりあえずクリニックに行かずに妊活を始めているので専門家に聞く機会もないですし…アドバイスをいただきたいです!

(20代、女性、ハンドルネーム:クレープ、職種:事務・オフィスワーク)


最初に

ご相談いただきありがとうございます。妊活を始めたばかりのとき、「何から始めればいいかわからない…」と不安になる方はとても多いです。ご夫婦で食べ物や飲み物から見直していきたいと考えられており、とても良いことですね。

まず意識したいのは、特別なサプリや食品に頼る前に、日々の食事を整えること。妊活に良い体づくりの基本は、栄養バランスが整った食生活と、心身の安定です。妊娠は、女性の体だけでなく、男性の体の状態にも大きく左右されるため、夫婦で取り組むのが理想的ですので、お二人で話し合いや共有しながら進めていきましょう。

妊活中に意識したい栄養素と食材

妊活中に意識したい栄養素と食材についてまとめさせていただきます。

  1. 葉酸(ビタミンB9)

    妊娠初期に特に必要とされる栄養素で、胎児の神経管閉鎖障害の予防に効果があります。妊娠前から積極的に摂っておきたい栄養素です。

    ・多く含む食品:モロヘイヤ、ほうれん草、アスパラガス、枝豆、納豆、レバーなど。
  2. 鉄分

    妊娠中は血液量が増えるため、鉄分不足になりやすく、貧血のリスクがあります。妊活中からしっかり補うことで妊娠中の貧血予防にもつながります。

    ・多く含む食品:赤身の肉、レバー、小松菜、ひじき、納豆、あさりなど。
  3. たんぱく質

    ホルモンの材料になる重要な栄養素で、卵子・精子の質の向上にも関係します。動物性・植物性をバランスよく摂取しましょう。

    ・食品例:肉、魚、卵、大豆製品、乳製品など。
  4. 亜鉛

    ホルモン分泌や細胞分裂に関与し、男性の精子の質や量にも大きく関わります

    ・多く含む食品:牡蠣、牛肉、ナッツ類、卵、大豆製品など。
  5. ビタミンE・C

    抗酸化作用があり、卵子や精子の老化予防に役立ちます。

    ・ビタミンE:アーモンド、かぼちゃ、アボカド

    ・ビタミンC:ブロッコリー、キウイ、いちご、赤ピーマン

良質な脂質(オメガ3脂肪酸)

ホルモンバランスの調整や、卵子・精子の質の改善に効果があります。


・食品例:青魚(さば、いわし、さんま)、えごま油、アマニ油、ナッツ類など。

妊活中に避けたい食品・注意したい習慣

避けたい食品・注意したい習慣

・トランス脂肪酸を含む食品

マーガリン、ショートニングを使ったお菓子やパンなどは、ホルモンバランスを乱す可能性があるため控えめに。

・アルコール

女性はホルモン分泌に影響が出やすく、男性は精子の質の低下につながる可能性があります。完全に禁酒でなくても、妊活中はなるべく控えるのが理想です。

・カフェイン

摂りすぎると妊娠しにくくなるという報告もあります。1日1~2杯のコーヒーやお茶程度ならOKですが、過剰摂取には注意を。

・冷たい飲食物の摂りすぎ

体の冷えは血流を悪化させ、子宮や卵巣の機能低下につながることも夏場も常温や温かい飲み物を選ぶようにしましょう

最後に

日常生活のちょっとした意識で大きく変わります。

妊活においては、「完璧」を目指すより「少しずつ整える」「継続する」ことが大切です。外食が続く日はサラダや具沢山味噌汁をプラスして調整したり、お菓子を食べたいときはナッツやドライフルーツ、ダークチョコレートを選んだりと、小さな工夫を積み重ねましょう。

夫婦で一緒に「今日は野菜を多めにしよう」「魚を食べよう」「今の旬の食材は」などと声をかけ合うことで、食事の時間も楽しく、前向きなものになります。不安を抱えるのではなく、できることから一つひとつで構いません

まずは自分たちの体を知り、整えることからスタートしていきましょう。

<参考文献・出典>※以下の文献を参考にしています

厚生労働省
▶妊産婦のための食生活指針:https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/a29a9bee-4d29-482d-a63b-5f9cb8ea0aa2/aaaf2a82/20230401_policies_boshihoken_shokuji_02.pdf

<本記事の回答者>

山本瑠美

管理栄養士

所属:株式会社ファミワン

保育園、老人ホーム、病院での勤務経験を活かし、0歳~高齢者の食を支援しています。食事は「生きる土台」、大切さはわかっていても、乱れたり習慣を変えることが難しい場合も。まずは完璧を目指すのではなく、個人の嗜好やライフスタイルに合わせた提案を心がけています。食べることや栄養の大切さを、わかりやすく楽しくお伝えします。


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