「妊娠報告」周りの幸せに苦しくなる自分を嫌悪し続けて疲れました【お悩み相談室】

妊活中、流産を経験した後になかなか授からず、周囲の妊娠報告やマタニティマークに心が乱れる――そんな苦しみを抱える女性からのご相談です。「どうして私ばかり」と自分を責めてしまう日々に、希望を失いたくないと葛藤されているご様子です。
今回は、不妊ピア・カウンセラーが、感情との向き合い方や、心を守る方法についてお答えします。
昨年1月に稽留流産をして以来、なかなか授かれず苦しんでいます。不妊治療を始め、夫婦ともに検査では異常がないと言われましたが、心がついていかず、妊活に向き合う気力を失いかけています。頑張っても妊娠しないつらさがあって、「どうしてこんなに悩まないといけないんだー!悩むなら治療やめたいー!」と叫びたくなる日々。友人や芸能人の妊娠報告、街で見かけるマタニティマークに胸が痛み、そんなふうに感じる自分が嫌でたまりません。それでも子どもを諦めることはできず、希望だけは手放したくないと必死にもがいています。私みたいな考えになることはおかしいですよね。でも同じような経験をされた方はどう乗り越えたのか知りたいです。
(30代、女性、ハンドルネーム:和花、職種:医療・介護・福祉)
最初に
おつらい経験を話してくださってありがとうございます。
不妊治療を続けていらっしゃる中で、心が疲弊し、妊活に向き合う気力を失いかけているとのこと。
ご夫婦ともに検査で異常がないと言われても、結果が出ない苦しさ、そして「どうしてこんなに悩まないといけないんだ!悩むなら治療やめたい!」と叫びたくなるお気持ち、痛いほどよくわかります。
友人や芸能人の妊娠報告、街で見かけるマタニティマークに胸が痛み、そんなふうに感じるご自身を嫌だと感じるのは、決してあなただけではありません。
まったくおかしいなんてことはないですよ。
どんな感情も否定せず、まずは受け止めてほしい
不妊ピア・カウンセラーとして、自分も経験してきましたし、多くのご相談を受ける中で和花さんと同じような気持ちになってしまう、そのこと自体に悩む方のお話も聞いてきました。
不妊治療を経験する多くの方が、喜びと悲しみ、希望と絶望、羨望と自己嫌悪が入り混じり、そのギャップに苦しんだり悩んだりしているように感じます。
「どうしてこんなに悩まないといけないんだ」と感じるのは、妊活が努力と結果が比例しない、コントロールしにくいものであることに起因します。
頑張れば報われるという一般的な努力の法則が通用しない世界だからこそ、理不尽さや葛藤を感じますよね。
和花さんは「子どもを諦めることはできず、希望だけは手放したくない」と本当にがんばっていらっしゃいます。
ご自身の感情を否定せず、まずはそのまま受け止めてあげてください。
涙を我慢しないで、心の声を外に出そう
不妊治療を乗り越えた、あるいは向き合い続けている多くの方が、様々な方法で心の状態を保ちたい、コントロールしたい、と悩んでいます。
実は感情のコントロールはとても難しいです。コントロールするというよりうまく付き合っていけたらいいなと思います。
自分の感情に蓋をせず、「つらい」「悲しい」「悔しい」「羨ましい」といった感情を、日記に書き出す、信頼できる人に話すなどして、具体的に言語化し、外に出すことが大切です。
感情を心の中に溜め込むと、さらに苦しくなります。
また、泣くことを制限しないのもおすすめです。
涙を流すことは、心のリセットボタンのようなものです。誰にも見られない場所で、心ゆくまで泣く時間を作るのも良いと思います。
妊活以外の小さな達成感で心に余白を
妊活は結果がコントロールできないからこそ、「今、この瞬間に自分が何をできるか」に意識を向けてみることもおすすめです。
例えば、
気になっていた箇所の掃除(水回りや、窓のさんなど)をやりきる。
野菜をたくさん刻んで作り置きをする。など。
なにかに集中する時間があると、達成感もあり、さらにその時間は妊活のことから離れることができます。
最後に
「こんな風に感じる自分が嫌」という気持ちは、ご自身を追い詰めていきますよね。
和花さん、もし和花さんのご友人が同じように悩んでいたら、どんな言葉をかけますか?
その優しい言葉を、どうかご自身にも向けてあげてください。
和花さんの一番の味方は和花さんです。
「子どもを諦めることはできず、希望だけは手放したくない」というあなたの気持ちは、妊活を続ける上での何よりの原動力です。
その希望を大切にしながら、どうかご自身の心と体を一番に労わってください。
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