「サウナをやめて」は言いにくい…妊活中の夫への伝え方【お悩み相談室】

妊活中、「パートナーの生活習慣が気になるけど、楽しみを奪うようで言い出せない…」そんな悩みを抱える方は少なくありません。
今回は、サウナ好きな夫との距離感に悩む女性からの相談に、心理士が“責めずに伝える”ヒントを届けます。
妊活中の夫婦です。夫は以前からサウナが趣味で、週に3回ほど通っていました。しかし、サウナの高温環境が妊活に悪影響を及ぼす可能性があると知り、最近は控えるようにしてくれています。ただ、週末は友人と飲み会をすることが多いのですが、飲み会の後は必ずサウナのルーティンができていて、最低週に1回はサウナに行き長時間楽しんでいるようです。それでも楽しみが減ってしまい、ストレスを感じているようで、1人でも週に1回はサウナに通っています。できればストレスフリーな状態で夫婦で妊活をしたいのですが、サウナの高温環境が妊活に悪影響を及ぼす可能性があると知った以上、せめて妊活中はサウナを控えてほしいなと思ってしまいます。妊活中にサウナを控えることで、本当に効果があるのでしょうか。また夫にどう伝えればいいのか教えていただきたいです。
(20代、女性、ハンドルネーム:コーンスープ、職種:事務・オフィスワーク)
最初に
妊活中のパートナーがサウナ好き――これはなかなか複雑な気持ちになりますよね。
あなたとしては「夫の楽しみも大事にしたい」でも「妊活してるんだから少しは気をつけてほしい」。その間で揺れながら、うまくバランスを取ろうとしておられるのが伝わってきます。
しかも、彼は趣味としてのサウナだけでなく、人づきあいの中でもルーティン化しているとなると、単に「やめて」と言っても、それが彼のストレスになってしまうのでは…と気を使ってしまいますよね。
あなたは「妊活中だからこそ、夫婦でできるだけよいコンディションで過ごしたい」という想いを持って、ちゃんと夫に気持ちを伝え、理解し合おうとされています。すごく思慮深くて、パートナー思いの方だと思いました。
この先の妊活もきっと、こんなふうにお互いを大事にしながら進めていけたら…とても素敵ですね。
「未来のために一緒にできること」
妊活に取り組む中で、夫婦で生活習慣を見直すことはよくあることです。でも、それが一方的な「我慢の押しつけ」になってしまうと、お互いにとってストレスになりますよね。
だからこそ、“やめてほしい”を“共有したい価値観”に変換していくことがポイントになってきます。
「妊活中は○○は避けてね」とお願いするより、「こうすると、2人の赤ちゃんが来てくれる可能性が高くなるんだって」と、未来のために一緒にできることとして伝えると、相手も“制限されている”というより、“一緒に妊活している”という実感を持ちやすくなります。
あなたの「一緒にがんばろう」という姿勢は、決して相手を責めるものではなく、パートナーシップの大切な土台になっていきます。
サウナと妊活の関係
さて、気になる「サウナと妊活の関係」についてですが、高温環境は男性の精子の質や量に影響する可能性があると報告されています。
精巣は体温より2〜3度ほど低い温度が必要とされていて、これが正常な精子の産生環境とされています。サウナや長時間の入浴、ノートパソコンを膝の上に置くといった“陰嚢の温度が上がる環境”は、精子の運動率や数を一時的に低下させることがあると考えられています。
どれくらいの頻度や時間なら精子に影響がないのか知りたいところですが、サウナと精子の関係を調べた研究には古いものが多く、調査規模も小さめで、あまりエビデンスレベルが高くないものが多いのです。そのため、このくらいならOK、ここからはNG、といったことはお伝え出来ません。
明確な根拠がない以上、「こういう理由でサウナを控えて」とは伝えにくいですね。
最後に
繰り返しのようになりますが、妊活において一番大切なのは、「どちらか一方が頑張る」ことではなく、「ふたりで何かをやっているという感覚」です。
「妊活のためにお互いがどんな生活を送ろうか?」と言うことを話し合えたら、それだけでもパートナーさんの行動に変化が見られるかもしれませんよ。
おふたりの妊活、心から応援していますね。
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