妊活中のカフェインの影響と調整のコツ【お悩み相談室】

妊活中でも友人とのカフェタイムで紅茶を2〜3杯飲んでしまい、罪悪感を抱えてしまうというお悩みを20代女性からいただきました。友人にどう伝えていいかも悩んでいるご様子です。
妊活へのカフェインの影響や外出時の工夫、周囲への伝え方について管理栄養士がアドバイスします。
妊活中ですが、カフェイン摂取について悩んでいます。友人とのカフェタイムでは紅茶やコーヒーしかないお店も多く、つい紅茶を2~3杯飲んでしまいます。頻度は週1程度ですが、妊活への影響が心配です。先日もダージリンなどを3杯飲んでしまいました。罪悪感に押しつぶされそうでしたが、妊活中だからカフェインを控えたいと友人に伝えると気を遣わせてしまうかなと思い伝えることもできず…妊娠中だとカフェインの摂取を控えるみたいなので、妊活中の今も本当は控えたいなと思っていますが…カフェインの妊活への影響を教えてほしいです。また、同じような状況の方は、外出時どうされているのでしょうか。
(20代、女性、ハンドルネーム:rii、職種:事務・オフィスワーク)
目次
最初に
妊活中のカフェイン摂取について悩まれるお気持ち、とてもよくわかります。
「妊活=健康的な生活を心がけたい」という前向きな気持ちがあるからこそ、友人との何気ないカフェタイムにさえ不安や罪悪感が生まれてしまうこともあるのですね。
実際、妊活中のカフェイン摂取については、研究でもいくつかの報告があるため、気にされる方も多いテーマです。
まずは、カフェインが妊活に与える影響について整理してみましょう。
妊活とカフェイン摂取、本当のところは?
カフェインは妊活にどんな影響があるのか?
カフェインは中枢神経を刺激する成分で、眠気を覚ましたり気分をリフレッシュさせる働きがあります。
一方で、妊娠を希望している方にとっては、以下のような点が気になるところです。
① 妊娠率への影響
一部の研究では、1日300mg以上のカフェイン摂取が排卵や受精に悪影響を及ぼす可能性があると報告されています。
ただし、これは高用量の場合の話で、1日200mg以下であれば大きな影響はないとされている報告も多くあります。
例として、紅茶1杯(150ml)には約30〜50mg、ドリップコーヒー1杯(150ml)には約100mgのカフェインが含まれています。
したがって、週に1度、紅茶を2〜3杯楽しむ程度であれば、一般的に妊活への影響は少ないと考えられます。
② 着床や流産リスクへの懸念
妊娠初期において高用量のカフェイン摂取(300mg以上/日)は、流産リスクの増加との関連が示された研究もあります。
ただし、妊娠前段階でのリスクに関しては、まだ結論が分かれており、絶対的な悪影響があるとまでは言い切れません。
では、妊活中はどうしたらいいのか?
基本的には、「ゼロにする」よりも「過剰を避けて適量に抑える」ことが大切です。
妊娠がわかってからは、1日200mg以内のカフェイン量を意識することが推奨されていますので、妊活中もこの範囲を参考にするとよいでしょう。
週に1回の紅茶タイムで2〜3杯程度なら、平均しても1日あたり50mg前後と考えられますので、リラックスの一環として楽しむ範囲なら問題は少ないでしょう。
むしろ、罪悪感でストレスが溜まってしまうほうがホルモンバランスに悪影響を与える可能性があります。
周囲にどう伝える? 外出先でどう対応する?
「妊活中」とあえて言うのが難しい場合は、無理に事情を説明しなくても大丈夫です。
以下のような方法で、さりげなくカフェイン量を調整することもできます。
- 紅茶を1杯に抑えて、お水やハーブティーを追加で注文する(ミントティーやルイボスティーはカフェインフリー)
- 「最近カフェイン控えてて」と伝えるだけで十分(理由までは言わなくてもOK)
- カフェに持ち込みがOKな場合は、自宅で好きなノンカフェイン飲料を用意していく
- コーヒーや紅茶が飲めない時期があることを、あらかじめ伝えておく
実際、妊活中・妊娠中の方の多くが「カフェインを少しずつ控えるようにしている」「友人にはストレートにではなく、体調を理由にやんわりと伝えている」といった工夫をしています。
「妊活中だから…」という言葉に気を使わせてしまうのが心配なら、「最近体調的にカフェイン合わないみたい」と伝えるのも、ひとつの方法です。
最後に
妊活中のカフェイン摂取については、「絶対NG」ではなく「適量を守れば大丈夫」と考えるのが現実的です。
あなたが現在取り入れている週1回、紅茶2〜3杯程度のスタイルであれば、極端に心配する必要はありません。
それよりも、「楽しい時間を過ごせた」「気持ちがリフレッシュできた」ということ自体が、心と体のバランスを整える意味でとても大切です。
妊活は、思っている以上にプレッシャーや不安がつきまといます。
そんな中で、自分を責めず、上手に息抜きの時間を持つことが、結果としてホルモンバランスや自律神経の安定にもつながります。
これからもご自身のペースで、心と体の声を聞きながら歩んでいってくださいね。
<参考文献・出典>※以下の文献を参考にしています
一般社団法人 日本助産学会
▶カフェインの摂取は控えるべきですか?:https://www.jyosan.jp/uploads/files/journal/JAMguigeline_2021_citizens_QA/Q5.pdf
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