40歳からの妊活、2人目を望む迷いと向き合うには【お悩み相談室】

妊活・不妊
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3歳の息子さんを育てながら、2人目を望む気持ちと、年齢やリスクへの不安で揺れる40代女性からのご相談です。妊活に踏み出せないまま時間が経ち、今後どうするべきか悩んでいるとのこと。

今回は、迷いを整理するための視点や、40代で妊活を始めるうえでの現実的な準備について、看護師がアドバイスします。

40歳で3歳の息子を育てています。日々の忙しさの中で2人目を望みながらも妊活に踏み出せず、気づけば時間が経ってしまいました。息子は幼稚園に通い始め、改めてもう一人子どもがほしいという気持ちが強くなりましたが、年齢的に授かれるか不安です。年の差も開いてしまい、きょうだいとして一緒に遊べるのか、また高齢出産のリスクも心配です。息子への影響も含めて考えると、なかなか決断できずにいます。どうすればよいか、アドバイスをいただきたいです。

(40代、女性、ハンドルネーム:みゆき、職種:事務・オフィスワーク)


最初に

3歳の息子さんを育てながらの日常生活、本当に毎日おつかれさまです。

お子さんが幼稚園に通い始め、少し手が離れてきた今、「もう一人子どもがほしい」という思いがふと湧いてきたのですね。それはとても自然であたたかな気持ちだと思います。

けれど同時に、年齢のこと、きょうだいの年の差、妊娠や出産のリスク、そして今の家族の形がどう変わるを考えると、迷いや不安が膨らんでしまうのもよく分かります。

「妊活に踏み出せないまま時間だけが過ぎてしまった」というその思い、胸に残っているのですね。
日々の忙しさの中で、自分の気持ちや体を妊活に向ける余裕を持つのは、本当に難しいこと。けれど、その中でも「やっぱり2人目がほしい」と心から感じている自分に気づけたこと、それ自体がとても大切なことだと思います。

まだ迷いがある今だからこそ、その揺れる気持ちに寄り添いながら、これからを一緒に考えていけたらと思います。

家族の未来をどう描くか。後悔が少ない選択は?

まずは「どうすればよいか」ではなく、「どんな状態だったら後悔が少ないか」を考えてみるのはいかがでしょうか。

たとえば、

  • 今のまま一人っ子で育てていく未来
  • 迷いながらも妊活にチャレンジしてみる未来
  • 妊活はしないと決めることで気持ちがスッキリする未来

いずれも大切な選択で、どれも「正解」とは言い切れません。
大事なのは、ご自身の気持ちがどこに向いていて、その気持ちに沿った行動ができるかどうかです。

年齢のこと、きょうだいの年の差、出産時のリスク。どれも気になるのは当然です。
ただ、今は医療も情報も整ってきており、40代での出産も決して珍しいことではなくなっています


また「遊び相手になるかどうか」という視点ではなく、きょうだいがいることの価値は“年齢が近いか”ではなく、“家族としてのつながりがあるか”にあるのではないでしょうか。

息子さんのことを考えるその優しさは、きっとどんな選択をしても、息子さんの安心につながります
「2人目を授かること」がゴールではなく、「家族でどう生きていきたいか」という視点をもって向き合うと、迷いが少しやわらぐかもしれませんね。

40歳から始める妊活、知っておきたいこと

40歳での妊活は、医学的には「高齢妊娠」と分類され、たしかに妊娠率の低下や染色体異常のリスク、妊娠中の合併症の可能性は上がるとされています(※)。
ですが、その一方で40代で妊娠・出産される方も年々増加しており、適切な準備とサポートを受けることで、安全に出産されている方も多くいらっしゃいます。


妊活のスタートとして、以下のステップがおすすめです。

  • 婦人科や不妊専門クリニックでの基本的な検査(AMH検査、ホルモン検査など)を受ける
  • 夫婦での検査や面談を通じて、今の身体の状態や妊娠までの見通しを知る
  • 生活習慣の見直し(睡眠、栄養、ストレスケア)をして、妊娠しやすい体づくりを進める

特に40歳以上の場合、「自然妊娠のチャンスはあるか」「どれくらいの期間チャレンジするか」「ステップアップ(人工授精・体外受精など)も含めてどう考えるか」といった計画を立てておくと、時間を有効に使いやすくなります。

また、きょうだいを望むかどうかの答えは“今すぐ出すもの”ではなくても大丈夫です。「やっぱりあきらめたくない」という気持ちがあるなら、まずは情報を集めてみるだけでも、心が少し整理されるかもしれません。

最後に

迷っている間も、あなたはちゃんと子どもと向き合い、家族を思い、前を向いて歩いています。
どんな未来を選んでも、そこにはあなたの大切な思いが詰まっているのだと思います。

<参考文献・出典>※以下の文献を参考にしています

厚生労働省
▶年齢と妊娠・出産に伴う合併症のリスク評価について:https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000035krs-att/2r98520000035kwi_1.pdf

<本記事の回答者>

加藤早紀

看護師/体外受精コーデイネーター

所属:株式会社ファミワン

不妊治療専門のアドバイザーとして、妊娠を望む方に寄り添いサポートしています。看護師や体外受精コーディネーターとしての経験をもとに、治療の選択やライフスタイルの見直し、心と体のケアまで総合的にご提案。あなたの妊活が前向きなものになるよう、丁寧にお手伝いさせていただきます。


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