妊活中なのに毎日残業…この生活で大丈夫?【お悩み相談室】

今回は、仕事の忙しさから生活習慣を整えられず、「このまま妊活を続けていいのか」と悩む30代女性からのご相談です。自己嫌悪や焦りを抱えながらも、一歩を踏み出そうとしています。
妊活と仕事の両立に悩むとき、どんな工夫ができるのか。心と体を守るためのヒントを看護師がお伝えします。
30代前半の会社員です。結婚して1年が経ち、最近妊活を始めました。でも私の仕事は残業が多く、帰宅が21時を過ぎることもしょっちゅう。食事の時間も遅くなるし、疲れて寝るだけの毎日で、「こんな状態で妊娠できるのかな…」と焦りを感じています。
病院にも通い始めたのですが、生活習慣を整えるように言われていて、できていない自分に自己嫌悪も。仕事をセーブするにも限界があって、どう折り合いをつけていいのか分かりません。
このまま妊活を続けていいのか、仕事を変えるべきか、考えすぎて苦しくなることもあります。
(30代、女性、ハンドルネーム:sato*、職種:IT・エンジニア)
最初に
相談、ありがとうございます。
「妊活」と「仕事」両立は本当に大変ですよね。
こういう風にしたいと思っていても、仕事をしているとなかなかうまく進まないことも多いですね。
お仕事も妊活も、どちらも大切に思うからこそ、今とても苦しい気持ちになっているのではないでしょうか。
毎日遅くまで働いて、帰宅してご飯を済ませたらもう休むだけ──そんな中で「本当に妊娠できるのかな」と不安になるのは自然なことです。
病院から「生活習慣を整えて」と言われても、頭では分かっているのに体がついてこない。
そんな自分に自己嫌悪してしまうのも、とてもよく分かります。
努力しても報われないように感じたり、「仕事と妊活の両立は難しいのでは」と悩んだり、どちらを優先したらいいのか迷うのは当たり前です。
その頑張りの中で、苦しいと声を出せたこと自体、すでにご自身を大切にしている証拠でもあります。
疲れていても病院に通うことを決めたのは、「未来の自分のために一歩踏み出したい」という気持ちが強くあったからだと思います。
その気持ちはとても尊く、どんなに小さな一歩でも確かに前に進んでいる証です。
今感じている苦しさは、それだけ真剣に取り組んでいるからこそ生まれるものでもあり、決して弱さではありません。
一人で抱え込まないことが、前向きに続ける力に
今の状況に「答え」を出すのは簡単ではありません。
仕事を辞めるか続けるかという二択に思えるけれど、実際にはもっと柔軟な考え方もできるかもしれません。
たとえば「今の生活の中で無理なくできる小さな工夫を見つける」、「自分の体調や気持ちを見ながら少しずつ改善していく」など、毎日の中で取り入れやすい工夫から始めてみるのも良いでしょう。
「こんな状態で妊活を続けていいのかな」という不安には、「この状態の中でもできることをやってみる」という視点が、少し気持ちを軽くしてくれるかもしれません。
完璧でなくても、続けていける工夫が見つかると安心につながりますし、選択肢が仕事か妊活かの二つだけではなくなるのではないでしょうか。
また、妊活を続ける上で大事なのは「自分だけで抱え込まないこと」です。
パートナーと気持ちを共有したり、信頼できる人に思いを話すことで、心の負担はぐっと軽くなります。
病院での相談も含めて、「話していいんだ」と思える環境をつくることも、妊活を前向きに続ける力になります。
体を労わる、日常の小さな工夫ポイント
専門的な視点から見ると、妊娠に影響を与えるのは「睡眠の質」「食生活」「ストレス」の3つが大きな柱です。
残業や帰宅時間の遅さをすぐに変えられなくても、次のような工夫で体への負担を少し和らげることができます。
睡眠:
寝る直前にスマホやPCを見ないようにするだけでも、眠りの質が良くなります。
短い睡眠でも深く眠れることが大切です。
休日には昼寝を取り入れるなど、自分に合った休み方を見つけるのも効果的です。
食生活:
夜遅い食事は避けにくいかもしれませんが、軽めに済ませる、タンパク質と野菜を意識するだけでも体は応えてくれます。
おにぎりやお味噌汁など消化の良いものを取り入れるのも一つです。
週末に作り置きをしておくと、忙しい平日もバランスを取りやすくなります。
ストレス対策:
強い緊張状態はホルモンバランスに影響します。
仕事から帰ってきたら、照明を少し落としたり、深呼吸や軽いストレッチを取り入れたりするだけでも、自律神経を整える助けになります。
アロマや音楽など、自分が落ち着ける環境をつくるのも効果的です。
さらに、運動も大切な要素です。
激しい運動でなくても、通勤のときに一駅分歩く、休日に軽いヨガやストレッチを取り入れるなど、日常にちょっとした動きを加えるだけで血流や自律神経が整いやすくなります。
また、不妊症の定義として「1年経っても妊娠しない場合は医師に相談を」とされています。
すでに病院に通われているので、その点は安心して大丈夫です。
検査や治療と並行して、生活の中でできることを少しずつ取り入れることで、焦りや自己嫌悪もやわらいでいきます。
最後に
妊活は「自分を追い込む時間」ではなく「自分を大切にする時間」にできると、心と体の両方に優しくなれます。
小さな一歩を積み重ねることで、きっと未来への安心につながっていきます。
どうか「できていない自分」を責めすぎず、今できることを大切にしてくださいね。
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