子どもを持つために努力している自分に違和感があります【お悩み相談室】
今回は、子どもを持つために色々な努力をしながらも、どこかその行為に違和感を感じてしまう30代女性からのご相談です。妊活していること自体に罪悪感は感じていないものの、気持ち悪いと感じてしまうようです。
妊活と向き合う上での心のあり方、そして心の負担を減らすためのアドバイスについて不妊ピア・カウンセラーがお答えします。
いま妊活中なのですが、排卵日のタイミングで行為をもつことや、サプリ、検温など…やればやるほど、どこか「気持ち悪い」と感じてしまうことがあります。
体調的にムカムカする日もありますが、それ以上に「子どもを持つために努力してる自分」がどこか不自然に思えて、ふと気持ちが引いてしまう感覚があります。
妊活していること自体に罪悪感があるわけじゃないのに、この気持ちはなんなんだろう…と混乱しています。
こんなふうに感じるのは私だけでしょうか?
(30代、女性、ハンドルネーム:こころ、職種:事務・オフィスワーク)
目次
最初に
こころさん、こんにちは。
妊活中に、「気持ち悪い」と感じてしまうことがあるのですね。
サプリや検温、排卵日に合わせた行為など、やればやるほど、どこか不自然に思え、ご自身に気持ちが引いてしまう感覚があるとのこと。
実はそうお感じになる方は少なくありません。
妊活中の心の違和感の正体はさまざま
不妊治療や妊活を経験している方も、同じような気持ちを抱えることがあるように思います。
私自身は「気持ち悪さ」もですが「虚無感」だったり、「やりきれなさ」を何度も抱きました。
「自然な営みが『作業』になってしまうことへの違和感」だったり、「努力しなくても子どもを授かる人がいるのにという比較」だったり。
本来の性行為の目的とずれているような感覚もあるかもしれません。
排卵日という特定の日に合わせて行われる「子どものための行為」になってしまう。
基礎体温を測ることも、サプリを飲むことも、すべては「妊娠」というゴールのため。
そうやって、すべてが目的のために動くことへの不自然さが、こころさんの心に違和感を生み出しているのかもしれません。
妊活中の「気持ち悪さ」を感じるのは自然なこと
「子どもを持つために努力している自分」に気持ちが引いてしまう感覚は、決して「妊活に罪悪感がある」わけではないと思います。
「こんなふうに感じるのは私だけ?」と混乱してしまっているかもしれませんが、決してそんなことはありません。
妊活は、まるで「子どもを授かる」という壮大なプロジェクトのように、あらゆる行動が目的のために管理される感覚があります。
クリニックでは「ベルトコンベヤーに載せられているよう」と比喩されることもあります。
その中で、「どうして自分はこんなに頑張らなきゃいけないんだろう」「どうして自然に授かることができないんだろう」という気持ちが湧いてきてしまうのは、とても自然なことのように思います。
自然な営みが「義務」になってしまう違和感
「排卵日には、夫婦の営みが『ノルマ』になってしまい、義務のように感じてつらかった」という声も聞かれます。
また、別のケースでは、「排卵誘発剤などのホルモン剤を使用することで、体調が不安定になり、吐き気や頭痛、気分の落ち込みなどが現れ、心身ともに疲弊した」という方もいらっしゃいました。
これは、身体的な不調だけでなく、精神的な違和感につながることもあるのかもしれません。
自分の感情を否定せず、まずは認めることから
「気持ち悪い」と感じてしまう自分を責めるのではなく、「ああ、今私はこういうふうに感じているんだな」と、ただその感情を認めてあげるだけでいいのかもしれません。
パートナーと気持ちを共有することも重要です。
妊活中、女性だけでなく、男性もまた、無力感や焦り、罪悪感を感じることがあると言われています。
二人でこの違和感について話し合ってみると、意外なことにパートナーも同じような気持ちを抱えていた、ということが分かるかもしれません。
こころさんが感じている違和感は、決して特別なものではないのかもしれません。
ご自身の感情を否定せずに受け入れて、ゆっくりと向き合ってみてはいかがでしょうか。
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