卵管造影検査が怖くてメンタル崩壊しそう。妊活中の私にエールをください【お悩み相談室】
不妊治療の一環として卵管造影検査を受けることになり、痛みが強いと聞いて不安を感じている20代女性からのご相談です。
ネット上の体験談を読むほど怖くなり、「少しでも痛くなく受ける方法はないか」と悩んでいるとのこと。
検査の目的や痛みの感じ方、少しでも安心して臨むための工夫について不妊カウンセラーがアドバイスします。
不妊治療中で、今度卵管がしっかり通っているか調べるために卵管造影検査をやることになりました。卵管造影検査で卵管が通っていたら人工治療、通っていなかったら体外受精になる、と医者から言われ、この検査がとても重要なことは理解しています。
でもネットで「卵管造影検査はとても痛い」「ひどい生理痛のような痛み」という体験談を読み漁ってしまい、とてもとても怖いです。普段から生理痛がとても重いので、耐えられるか・・・。少しでも痛くなくなる方法などあったら教えてください。ないですかね・・・?
なかったら励ましてください泣
(20代、女性、ハンドルネーム:Apple信者、職種:教育・保育・カルチャー)
最初に
Apple信者さん、ご相談ありがとうございます。
現在不妊治療中なのですね。受診や検査、治療にチャレンジすることはとても勇気が必要だったと思います。
頑張っていらっしゃいますね。
卵管造影検査とは?どんな目的で行う検査?
今回は卵管造影検査についてのご相談ですね。
卵管造影検査は子宮の中にチューブを入れて造影剤を流し、レントゲン撮影をしていく検査です。
この検査では、卵管が閉塞や狭窄していないかどうか、
子宮の形は正常かどうか、子宮の中に張り出してしまっているような子宮筋腫がないかどうか、
子宮の中にポリープがないかどうか、卵管の周囲に癒着がないかどうかを調べていきます。
自然妊娠では、排卵した卵子を卵管がキャッチした後、卵管内で卵子と精子が出会い受精します。
その後受精卵が成長しながら卵管内を移動し、子宮に到達して着床するという流れで妊娠が成立します。
タイミング療法や人工授精では、上記のような卵管の機能がきちんと働かないと妊娠が成立しないので
卵管造影検査を行うことはとても重要です。
また、卵管造影検査を行うことでその後の自然妊娠の確率があがると言われています(※)。
「痛い」と聞いて怖い…検査への不安との向き合い方
ここまで卵管造影検査についてお伝えしてきましたが、
重要な検査であることや自然妊娠の確率が上がることが分かっていても
痛みに対して不安になる気持ちも当然あると思います。
正しい情報を得たからといって、検査を受けることに対する恐怖は簡単にはなくならないですね。
私自身も卵管造影検査の介助の経験があるのですが、必ずしも全員に痛みがある検査ではないと思っています。
痛いかどうかはやってみないと分からない、痛くない可能性も十分にあることを
頭の片隅に置いて検査に臨んでいただきたいなと思います。
また、卵管造影が怖いと感じる方はたくさんいらっしゃるので、
実際にApple信者さんの検査の介助をするスタッフもよく理解していると思います。
病院ごとにルールが違う場合もあるので、痛くない方法に関しては
私からは一般的なことしかお伝え出来ないのですが
少しでも安心できる状態で検査を受けられることが重要だと思っています。
怖いと感じる気持ちも正直に伝えていただいて構わないですし、極力痛みが少ないように
緊張を和らげるようなお声がけをしたりと工夫をしていくこともできます。
痛みに耐える必要はないので、痛かったら痛いと教えてくださいね。
もし痛みがあったとしても適切に対処いたしますし、場合によっては鎮痛剤等を使用していきます。
痛くてもスタッフが必ずついているので、頼りにしていただきたいなと思います。
ネットの体験談に振り回されないための情報の見方
そして個人の意見にはなりますが、やはりネガティブで刺激的な見出しや意見、
感想の方が目につきやすいといった特徴がネット上の情報にはあると思います。
体験談ですと当事者も辛かったことを誰かに聞いてもらいたくて発信してるのかもしれないし、
ポジティブな内容の投稿は自慢ととらえられてしまうかもしれないから
そもそもの投稿数が少ない、などの理由も考えられるので
ネガティブな情報が集まりやすいのではないでしょうか。
誰かの不安を煽り閲覧数を稼ぐことで何らかのメリットが生まれている、ということもありますね。
気になって調べてしまう気持ちもよくわかるのですが、
自分自身がそのようなネガティブな内容で影響を強く受けてしまうタイプなのであれば、
少しネットの情報から距離を置いた方が良いのかもしれません。
もしご自身でお調べになるのであれば
専門家がフラットな立場で作成しているものだけ見る、などのルールを設けると
不安が増すことなく準備ができるのかなと思いました。
また繰り返しになりますが、病院ごとにルールが違う可能性もあるので
おかかりの病院のスタッフに確認することがApple信者さんにとって一番適した情報収集です。
病院のスタッフともたくさんコミュニケーションをとって、良い信頼関係が築けると
今後の治療に対する不安も軽減するのではないでしょうか。
最後に
その他にできることとしては、ご自身で検査が終わった後のご褒美を用意しても良いですね。
卵管造影を頑張ったご褒美に、気分が上がるコスメを買うとか
体調が良ければスイーツを買って帰るなども良いアイディアです。
備えることは重要なのですが、Apple信者さんはもう十分に備えることはできていると思います。
後は、おかかりの病院の指示に従って検査を受けるだけです。
楽しい未来に目を向けることも、前に進む原動力になります。
無事に検査を終えられることを祈って、応援しています。
<参考文献・出典>※以下の文献を参考にしています
一般社団法人 日本生殖医学会
▶生殖医療Q&A「不妊症の検査はどこで、どんなことをするのですか?」:http://www.jsrm.or.jp/public/funinsho_qa07.html
▶生殖医療Q&A「妊娠の成立」:http://www.jsrm.or.jp/public/funinsho_qa01.html
公益社団法人 日本産科婦人科学会
▶不妊の原因と検査:https://www.jaog.or.jp/lecture/5-不妊の原因と検査/
公益社団法人 日本産婦人科医会
▶基本から学ぶ不妊治療「女性患者の検査・診断」:https://www.jaog.or.jp/note/女性患者の検査・診断/
専門家がこたえます!お悩み募集中です
「知ってハレばれ お悩み相談室」にお悩みをお寄せください。
毎月ピックアップさせていただいたお悩みとその回答を、「知ってハレばれ お悩み相談室」の記事で公開いたします。下記のフォームからお悩みをお寄せください(匿名でお寄せいただけます)。



